沈下橋
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沈下橋(ちんかばし、ちんかきょう)とは河川を渡る橋の一種。地方により潜水橋、潜没橋、潜流橋、沈み橋、潜り橋、冠水橋などともいう。
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[編集] 概要
橋の上に欄干が無く(あってもかなり低い)、水面からの高さが高くないことが特徴である。これは、増水時に、橋が水面下に没するようになっており、流木や土砂が橋桁に引っかかり橋が破壊されたり、川の水が塞止められ洪水になることを防ぐためである。また、壊れても再建が簡単で費用が安いという利点もあり、実際に流されることを前提としていた例もある。一部の橋には流木避け(増水時流木やゴミが桁や橋脚に直撃して壊れるのを防止する為、橋上流部側面に設けられた斜め状の部材)が設置されている事もある。
その構造から建設費が安く抑えられるため山間部や過疎地などの比較的交通量の少ない地域で生活道路として多く作られた。しかし現在では山間部でも広い道路や本格的な橋が造られること、また慣れているはずの地元住民といえども転落事故が絶えないことから、徐々に姿を消しつつある。
[編集] 日本各地の沈下橋
1999年の高知県による調査によれば全国の一級河川及び支流には合計410ヶ所の沈下橋があり、都道府県別に見ると、高知県(69ヶ所)、大分県(68ヶ所)、徳島県(56ヶ所)、宮崎県(42ヶ所)の順で多い[1]。
現存するか否かを問わず、確認されているうちで日本で最古の沈下橋は、1876年(明治9年)に大分県杵築市の八坂川に架けられた永世橋であるが、この橋は2004年9月29日に台風21号により流失した[1]。現存する日本で最古の沈下橋は、1912年(明治45年)に同じく八坂川に架けられた龍頭橋である[2]。
[編集] 埼玉県
埼玉県の荒川水系にも比較的多く存在しており、冠水橋と呼ばれている。流木避けが設置されているケースも多い。
[編集] 徳島県
徳島県は平野部に吉野川、那賀川、勝浦川水系等の河川が多数流れている事もあり、県内各地に多くの沈下橋が存在する。地元では主に「潜水橋(せんすいきょう)」と呼ばれており、沈下橋という呼称はあまり浸透していない。徳島市など、比較的市街地に近い地域にも潜水橋が多数残っている為、現在でも川を渡る為の手段として重要な役割を果たしているのだが、数が多く利用も多い事から転落事故なども毎年の様に発生。橋を管理する県や自治体には抜水橋への架け替えが利用者から強く求められている状況にあり、一時的な対策として道路の両側に転落防止用のブロックが設置された潜水橋もみられる。
[編集] 高知県
高知県の四万十川には支流も含め47の沈下橋がある。吉野川流域では潜水橋や潜り橋と呼び、四万十川流域では沈下橋と呼ぶ。1993年に高知県では沈下橋を生活文化遺産ととらえ保存し後世に残すという方針を決定している。現存する高知県で最古の沈下橋は、1935年(昭和10年)に架けられた四万十川の一斗俵沈下橋である。
[編集] 大分県
大分県では、一級水系以外に架かるものも含めると合計212ヶ所の沈下橋が確認されている(2007年8月6日現在)[2]。これは、確認されている範囲では、日本の都道府県で最も多い数である。大分県では、沈下橋は沈み橋と呼ばれている。