柳宗玄

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

柳宗玄（やなぎ むねもと、1917年- ）は、美術史家。お茶の水女子大学名誉教授。柳宗悦の次男として東京に生まれる。母は声楽家の柳兼子、妻は志賀直哉の四女・万亀子。東京帝国大学法学部および文学部卒、1952年より三年間、フランス、ベルギーに留学、美術史を学ぶと共に自ら絵筆もとる。帰国後、東京芸術大学助教授ののちお茶の水女子大学教授、定年後は武蔵野美術大学教授を務めた。1966年よりトルコのカッパドキアへ古代オリエント美術調査団の一員として参加、また65年より、東大総長南原繁の要請で『学士会会報』の表紙絵を描き続けている。1972年、『ロマネスク美術』の編集で毎日出版文化賞受賞。2005年より、八坂書房から著作選全8巻を刊行中。

[編集] 著書

• アミヤン大聖堂 座右宝刊行会 1957
• 聖書画集 ブレイク　みすず書房, 1958
• キリスト 美術にみる生涯 社会思想研究会出版部・現代教養文庫 1959
• 太陽と洞窟の谷 トルコ秘境調査行 朝日新聞社 1967 「カッパドキヤの夏」と改題、中公文庫、1988
• 秘境のキリスト教美術 岩波新書 1967
• カッパドキャ 鹿島研究所出版会 1967
• 西洋の誕生 新潮社 1971
• 大系世界の美術 ロマネスク美術、学習研究社、1972
• 黒い聖母 福武書店 1986
• 虚空散華 生命のかたち 福武書店 1986
• ルオーキリスト聖画集 学習研究社 1987
• キリスト教美術図典 中森義宗共編 吉川弘文館 1990
• かたちとの対話 岩波書店・同時代ライブラリー 1992
• 幻のケルト人 ヨーロッパ先住民族の神秘と謎 遠藤紀勝共著 社会思想社 1994
• 十二支のかたち 岩波書店・同時代ライブラリー 1995
• 色彩との対話 岩波書店 2002
• 太陽王国の遺産(岩波美術館 歴史館 第2室) 岩波書店 2002
• 天と地の賛歌(岩波美術館 歴史館 第5室(中世オリエント)) 岩波書店 2002
• ブッダの世界(岩波美術館 歴史館 第6室) 岩波書店 2002
• 東洋のこころ(岩波美術館 歴史館 第7室) 岩波書店 2002
• ひとの顔 (岩波美術館 テーマ館 第1室) 岩波書店, 2003
• 暮らしのなかの静物(岩波美術館 テーマ館 第5室) 岩波書店 2003
• 生きものの姿(岩波美術館 テーマ館 第6室) 岩波書店 2003
• 木と草花(岩波美術館 テーマ館 第9室) 岩波書店, 2003
• サンティヤーゴの巡礼路 (柳宗玄著作選 6) 八坂書房 2005
• ロマネスク彫刻の形態学(柳宗玄著作選 5) 八坂書房 2006
• 西洋の誕生(柳宗玄著作選 1) 八坂書房 2007
• 先学訪問 10(美術史家柳宗玄編) 学士会 2007

[編集] 訳書

• パリサイ女 フランソワ・モーリヤック 新潮文庫 1953
• 世界美術史 ジェルマン・バザン 秋山光和共訳 平凡社 1958
• 『紀元千年のヨーロッパ L・グロデッキ 吉川逸治共訳 新潮社 1976
• ルオー全版画 フランソワ・シャポン 岩波書店 1979
• ヨーロッパのキリスト教美術 12世紀から18世紀まで エミール・マール 荒木成子共訳 岩波書店 1980　岩波文庫　1995

[編集] 家族

• 祖父：柳楢悦（軍人）
• 父：柳宗悦（思想家）
• 母：柳兼子（声楽家）
• 兄弟：柳宗理（工業デザイナー）、柳宗民（園芸研究家）