東港線
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東港線(とうこうせん)は、新潟県新潟市中央区上所二丁目地内の上所交差点から、同市東区末広町地内の紡績角交差点に至る道路の通称。国道113号の経路の一部となっている。
うち、中央区万代島地内の柳都大橋東詰交差点から、同地内の万国橋交差点までの区間は新潟南北道路として地域高規格道路に指定されている。
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[編集] 概要
新潟市内の信濃川右岸側をほぼ川沿いに、中央区上所から昭和大橋、八千代橋、萬代橋、柳都大橋の東側を経由して新潟西港の区域を抜け、山ノ下橋で通船川を渡り、東区の山の下地区に至る。
なお、路線としては萬代橋・東大通と交差する東港線十字路以東が国道113号、以西は新潟市道となっている。このうち上所交差点~上所一丁目・上所島(昭和大橋東詰)交差点の区間は延伸部であり、東港2号線(とうこう2ごうせん)とも呼ばれる。
また東港線十字路~竜が島一丁目・中央埠頭前交差点の区間はボトナム通り(ボトナムどおり)と呼ばれる。ボトナム(버드나무, beoteunamu)とは朝鮮語で「ヤナギ」の意。1960年代に行われた在日朝鮮人の北朝鮮への帰還事業の折、帰国者が友好の証として、柳の苗木を新潟市民に贈ったことに由来しており、道路両側にはヤナギの木が植栽されている。
なお「東港線」という通称は「新潟港の東側」というのが由来で、新潟東港の開発が開始される以前から呼ばれているもの。尚、東港は紡績角交差点から約15km東に位置する。
[編集] 東港線バイパス
また(紡績角交差点~)長者町交差点~万国橋交差点間には連続立体交差方式によるバイパス道路(東港線バイパス)も設けられている。
このバイパスは2車線ずつの高架橋2本から成るが、4車線とも長者町から万国橋への一方通行となっている。また各2車線は終端部で降り口が異なっており、左側2車線が沼垂・栗ノ木バイパス方面の車線、右側2車線が佐渡汽船・柳都大橋・上所方面の車線となっている。高架橋の終端部付近から左側車線・右側車線とも1車線規制となり、左側車線は竜が島一丁目・沼垂東五丁目交差点でランプウェイを降りた後、沼垂方面への市道と平面交差し、更に直進すると万国橋で東港線に再合流(直進)するか、もしくは栗ノ木バイパスへ左折する車線となる。一方の右側車線は万国橋まで直通し、ランプウェイを降りた後、東港線に再合流する車線(直進のみ)となる。
このバイパスが設けられた経緯には、かつて信越本線の沼垂駅(貨物駅)から新潟西港の中央埠頭に通じていた引込線(現中央埠頭前交差点付近)の踏切渋滞が慢性化していたことが背景にある。1965年2月13日、道路上に踏切信号が設置されて渋滞はやや緩和したものの、その後の急速なモータリゼーションの進行や郊外の宅地化などで交通量は増大し、特に朝の通勤時間帯の渋滞が深刻化したため、1974年4月に現区間の供用が開始された。その後の立体交差化や、当時計画されていた有料道路「みなと大橋」への接続に対応するため、万国橋以西への延伸を考慮し、開通区間以東の高架橋は未成のままとされた。しかしオイルショック等の影響を受け、更に1976年には市長が交代したことも影響して、みなと大橋の建設計画は事実上凍結された。2002年にこの構想は柳都大橋として実現したものの、東港線バイパスの万国橋以西の区間については現在も未成となっており、開通以来30年以上に亘って高架橋はジャンプ台のように途切れたままになっている。
尚、東港線の万国橋以西の区間と栗ノ木バイパスについては、高架化して柳都大橋に直通させる連続立体交差化が計画されており、この際には東港線バイパスも万国橋で接続することになる。しかし、環境悪化を懸念する地元・沼垂地区の住民が道路の高架化に反対する旨を唱えており、実現にはまだ時間を要す見込みである。
[編集] 主な接続道路
- 新潟市中央区
- 新潟県道1号新潟小須戸三条線<小須戸線>(上所交差点)
- 新潟県道164号白山停車場女池線<和合線>(上所島・昭和大橋東詰交差点)
- 国道7号(8号、17号、113号、350号等含む)<東大通・萬代橋>(東港線十字路)
- 国道350号(三和町交差点)
- 国道7号<柳都大橋>(万代島・三和町、柳都大橋東詰交差点)
- 新潟県道464号新潟港沼垂線<栗ノ木バイパス>(万国橋交差点~中央埠頭前交差点)
- 新潟市東区
- 国道113号(紡績角交差点)