東京 - 沼津線
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東京 - 沼津線(とうきょう - ぬまづせん)は、東京都と静岡県沼津市を結ぶ高速バス路線である。東京側の発着地が2箇所あるため、当路線も2系統に分割される。本項では2系統を一括して記す。
なお、2系統とも全席指定制なので、あらかじめ乗車券を購入しなければならない。
目次 |
[編集] 概要
東京側で新宿・渋谷を発着する系統と、東京駅を発着する系統が存在する。いずれも東名高速道路を経由する。
[編集] 停車地
- ▲・▼…頂点が向いている方向のみ乗降可能(白印は降車専用)
- ∥、空欄…通過・非経由
停車停留所名 | 新宿系統 | 東京系統 | 備考 |
---|---|---|---|
東京駅 | ▼ | 出発は八重洲南口・到着は日本橋口 | |
霞が関 | ▽ | 東京行降車のみ | |
新宿高速BT (新宿駅西口) |
▼ | ∥ | |
渋谷マークシティ (渋谷駅) |
▼ | ∥ | |
東名向ヶ丘 | ▼ | ▼ | |
東名江田 | ▼ | ▼ | |
関東自動車工業前 | ▲ | ▲ | |
裾野市民文化センター | ▲ | ▲ | 駐車場併設(約14台分) |
千福下 「せんぷくした」 |
▲ | ▲ | |
南一色 「みなみいっしき」 |
▲ | ▲ | 駐車場併設(約16台分) |
柏葉尾 「かしばお」 |
▲ | ▲ | |
金岡小学校 | ▲ | ▲ | 2007年7月25日より新設・同11/1~新宿線も停車 |
県総合庁舎前 | ▲ | ▲ | |
沼津駅北口 | ▲ | ▲ | |
富士急沼津営業所 | ▲ | ▲ | 予約制の駐車場併設(24台) |
- 足柄サービスエリア : 過去に東京系統が休憩していたが、現在は通過している。
[編集] 運行回数
- 新宿系統:1日4往復(京王・富士急ともに2往復)
- 東京系統:1日3往復(JRバス1往復・富士急2往復)
[編集] 歴史
- 2006年3月1日 - 東京系統運行開始(1日4往復)。
- 2006年7月14日 - 新宿系統運行開始(1日4往復)。
- 2006年12月15日 - 東京系統1日5往復に増便。
- 2007年2月1日 - 片道運賃1,000円キャンペーン実施。
- 2007年2月28日 - 1,000円キャンペーン終了。
- 2007年7月25日 - 東京系統ダイヤ改正。
- 柏葉尾~県総合庁舎前間に「金岡小学校前」停留所新設
- 1日3往復に減便、沼津朝発・東京夕方発に時刻をシフト
- 上り初便を除いて行っていた足柄SAでの休憩を廃止
- 2007年11月1日 - 新宿系統ダイヤ改正
- 渋滞を考慮して所要時間の見直し(沼津駅北口、新宿西口、渋谷マークシティ発車時刻は変わらず)
- 平日限定回数券(2枚綴り)発売開始(2007年3月31日まで、東京・新宿系統ともに発売)
- 2008年4月1日*平日限定回数券通年設定(新宿系統) 東京系統は9/30まで延長
[編集] 車両
各社とも4列席ハイデッカー、トイレ付きの車両が使用される。
京王バス東
- 同社が運行する中央高速バスと共通運用となっており、主に距離・所要時間の似通った甲府線や富士五湖線と共通の車両が使用される。
JRバス関東
富士急シティバス
- 2007年6月現在、同社唯一の高速バスであることから、専用車両が使用されている。(E1401,E8501,E2601,E8231(トイレ無し),E4803,E4804)
なお、後述する運賃1000円キャンペーン実施時には乗客が多かったことから増車され、一般の観光バス車両(トイレなし)が使用されたこともある。
[編集] その他
東京~沼津間の交通機関としては、当路線のほかに
- JR東海道線普通列車(直通は1日10往復) 所要時間:東京~沼津間約2時間~2時間30分
- 小田急線・JR御殿場線特急「あさぎり」(1日4往復) 所要時間:新宿~沼津間約2時間
があり、新宿系統・東京系統ともに起終点間で直接競合する鉄道路線が存在する。両者ともに始発駅で着席が容易(東海道線の上り1本を除く)であり、特に「あさぎり」は全車指定席であることから、他路線において高速バスのメリットの1つとなっている「座席指定制による着席保証」が、当路線ではさほど大きなメリットではなくなっている。所要時間面でも鉄道より長くかかるうえに定時性では鉄道に分があるため、高速バスはどちらかと言えば守勢に回っているのが現状である(かつて東名ハイウェイバスの沼津系統が設定されていた時期もあったが、鉄道が圧倒的に優位であったため利用不振で廃止されている。なお、当路線の開設時点では、東海道本線で東京~静岡間を結ぶ特急「東海」2往復もあったが、こちらも2007年廃止。)。また八王子~沼津間「スキッパー号」が京王と富士急の共同運行で運行されていた時期もあったがこちらは多摩地区~沼津間の流動自体が少なく廃止されている。
そのため、沿線の利用者を多く取り込むべく、東名高速線時代とは異なり、長泉町・裾野市も経由するルートとし、裾野市民文化センター・南一色・富士急沼津営業所の3箇所の停留所に無料駐車場を併設してパークアンドライド利用を促進している。また鉄道よりも安い運賃(新宿・東京~沼津間2,100円)に設定し運賃面では優位に立っている(JR東海道線普通列車は東京~沼津間2,210円、「あさぎり」は運賃+通常期特急料金で新宿~沼津間3,480円)。なお、「あさぎり」は4往復のみの運行であり、東海道線普通列車も沼津直通列車は朝と夕方~夜間に固まっていることから、時間帯によっては高速バスが便利な時間帯もある。
それでも利用者数は伸び悩んでいたため、さらなるPRのために、2007年2月に全区間で運賃が1,000円となるキャンペーンを実施した。期間中は乗客が急増したため、貸切車による増車、新宿系統の富士急受け持ち便に京王が増車を付けた2社共演便(中央高速バスではよく見られる)、予約センターの電話がつながりにくくなるなどの現象が見られた。
キャンペーン中は頻繁に増車されるほどの盛況ぶりであったが、キャンペーンが終了し3月に入ると再び不調となった。特に東京午前発便と沼津午後発便の乗車率が振るわず、東京側からの乗客が少ないことが判明した。このため2007年7月には東京系統を5往復から3往復に減便の上、3往復とも沼津からの日帰りに利用しやすい時間帯に発車時刻を固め、沼津側での利用を主眼においたダイヤ改正を実施した。
JR「高速バスネット」では「沼津号」という愛称が設定されているほか、東京駅のJRバス窓口の路線パンフレット棚では「沼津ライナー」という愛称が書かれている。前者については予約システムのための愛称であり、高速バスネットで予約した乗車券の券面にも表記されるが、後者についてはJRバス東京駅以外ではほとんど目にしない。