日本野鳥の会
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財団法人日本野鳥の会(にほんやちょうのかい、Wild Bird Society of Japan)は、野鳥の保護と調査研究、自然環境の保護を目的として創立された会員制の財団法人。
バード・ウォッチングの会(探鳥会)などを開いて自然の尊さを啓蒙し、サンクチュアリや野鳥保護区の制定に尽力している。会誌として『野鳥』を年12回、一般向けにフリーマガジン『Toriino』を年に4回発刊している。
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[編集] 歴史
1934年、中西悟堂、北原白秋、鷹司家、戸川秋骨、金田一春彦、窪田空穂、竹友藻風、柳田國男、内田清之助らを設立発起人に、「日本野鳥之会」として創立。初探鳥は裾野市。会誌『野鳥』は、大正から昭和初期にかけ、歴史、民俗、考古学関係の名著を多数世に送り出した岡書院店主、岡茂雄が、最初は固辞したものの、中西の懇請を入れる形で編集と刊行作業の実務を担った。1934年(昭和9)5月の創刊号から1935年(昭和10)9月まで、岡が山岳関係の書籍を扱った梓書房の名義で出版されていた。岡によれば、創刊当初は「野鳥(やちょう)」と言う言葉が知られておらず、「のどり」と読む人が多かったと言う(岡1974)。
1970年に財団法人化された。2004年現在の本部は東京都渋谷区初台、会員・サポーターは5万2千人。全国の都道府県に計89の支部がある。2008年現在の本部は品川区、会員数は4万人台である。
[編集] 歴代会長
[編集] 主要事業
[編集] 自然保護事業
- 野鳥保護区は、絶滅のおそれがあるタンチョウとシマフクロウを主な対象として、土地の購入または所有者との協定などにより、国内の自然保護団体としては最大の全国22ヶ所、面積約1,700haを設置している。
- IBA基準生息地の保全では、国際的に重要な鳥類等を指標にした重要度の基準(IBA基準)を満たした国内での野鳥の重要な生息地(IBA基準生息地)167ヵ所をリストアップし公表している。
- その他の自然保護事業では、平成18年度に環境省受託「モニタリングサイト1000~森林・草原性鳥類~」調査事業の一環として繁殖期に162カ所で調査を実施、日本クロツラヘラサギネットワーク等と協力して絶滅のおそれのあるクロツラヘラサギの越冬調査を行い、過去最高の189羽を確認、鳥類に悪影響の懸念される風力発電施設建設計画への対応などが行われている。
[編集] 普及事業
- 一般の中へ野鳥ファンを増やす事業では、サンクチュアリの来園者、イベントの参加者などへや、ホームページやポスター、冊子、印刷物、展示会等を通じて、平成18年度に合計で約190万名に対して普及活動が行われている。
- 子どもの中に野鳥ファンを増やす事業では、平成18年度は全国の支部により、学校からの依頼合計270件に対して、延べ552名のリーダーを派遣し、延べ10,283名の子供へバード・ウォッチング体験の機会を提供している。
- その他の普及事業では、レンジャー養成講座を5回実施し87名の修了者を輩出、全国12ヵ所のサンクチュアリでボランティア活動の場を提供し延べ8,639名の活動を受け入れ、ボランティア活動に対する養成講座を315名に対して実施などが行われている。
[編集] 豆知識
- 1994年に放送された三共胃腸薬のCMで「日本胃腸の会」というパロディが放映された。
- NHK紅白歌合戦で観客が紅、白どちらに投票したか人数を数える役を受け持っているという印象が強いが、実際に日本野鳥の会が担当したのは1981年から1985年と1992年の6回のみで、1993年から2002年の10回は麻布大学野鳥研究部が数えていた。
- 一般に、各種野鳥保護団体のことを「野鳥の会」と認識するケースがあり、財団法人日本野鳥の会といわゆる「野鳥の会」が混同されることも多い。なお、財団法人日本野鳥の会の各支部は、厳密には法人格のない任意団体である。
- 現在、普及室主任研究員の安西英明は、NHKラジオ第1「ラジオあさいちばん」において「季節の野鳥(AM5:20~5:30頃)」に出演している。その番組では身近な野鳥をはじめ、三宅島、井の頭公園など、時に、ある地域に重点を置いて野鳥に関する話を聞ける。
[編集] 参考文献
- 岡茂雄「『野鳥』創刊のお手伝いとそれから」『本屋風情』平凡社、1974年、208~218頁。
- 財団法人日本野鳥の会 平成18年度事業報告
- 『野鳥』日本野鳥の会、2007年8月号No.713
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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