日本舞踊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日本舞踊(にほんぶよう)は、Japanese danceの和訳、つまり日本のダンスの総称である。そもそも舞踊とは、坪内逍遥と福地源一郎による造語で、日本の伝統的なダンスである舞(まい)と踊(おどり)をくっつけたもの。逍遥の『新楽劇論』(明治37年)で使われてから広く用いられるようになった。近年、日本舞踊の国際化に伴い欧米諸国やアジアにも Nihon Buyo という呼称が定着しつつある。
目次 |
[編集] 舞とは
舞(まい、旧かな表記まひ)とは、歌や音楽に合わせて、すり足などで舞台を回るもの。神楽・舞楽・白拍子・延年・曲舞・幸若舞・能楽・上方舞などが当たる。
[編集] 踊とは
踊り(おどり、旧かな表記をどり)とは、歌や音楽に合わせて、足を踏み鳴らしリズムに乗った手振り・身振りをするもの。念仏踊り・盆踊りなどが当たる。
[編集] 日本舞踊とは
以下のうち、一般に「日本舞踊」とは歌舞伎舞踊・上方舞を指す。
- 民間の祭礼などで演じられる舞
- 宮廷の祭祀に奉納される舞
- 歌+舞のスタイルをとるもの
- 演劇化した舞
- 能楽(のうがく)
- 座敷でする舞
- 上方舞(かみがたまい)
- 民衆娯楽の踊り
- 演劇化した踊り
- 歌舞伎舞踊(かぶきぶよう)
- 日本武術を踊りとしたもの
- 近代以降の舞踊
- 新舞踊、歌謡舞踊
[編集] 日本舞踊の流派
現在では、約200流派以上が存在している。その中でも5大流派と呼ばれているのは下記の5氏。
- 花柳流(はなやぎりゅう)
- 1849(嘉永2)年、花柳壽輔が創始。花柳壽輔は4世西川扇藏に学び、歌舞伎舞踊の振付師として重きをなした。最初は家庭の子女の舞踊として浸透したが、今は組織力の強さで最大の流派(名取数約15000名)となっている。当代は4代目。
- 若柳流(わかやぎりゅう)
- 初世花柳壽輔の門から出た花柳芳松が、1893(明治26)年に若柳吉松(のち寿童)と改名して創始。花柳界で発展したため、手振りが多く、品のある舞踊である。