新派劇
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新派劇(しんぱげき)は壮士芝居から始まった日本の演劇を指す。旧劇(歌舞伎を指す)に対する言葉だが、後に起こった新劇に比べれば歌舞伎に近い。単に、新派と呼ぶこともある。
新派劇の起こりは自由民権運動の時期に盛んになった壮士芝居、書生芝居である。やがて政治的な主題を離れ、社会的な事件や日清戦争などをテーマとした劇に変わっていった。日清戦争の際には、川上音二郎の戦争劇が大評判になり、1894年5月には川上一座が歌舞伎の殿堂であった歌舞伎座の舞台を踏み、新派劇の地位を固めた。
その後、『金色夜叉』(尾崎紅葉)、『婦系図』(泉鏡花)、『不如帰』(徳富蘆花) などの小説を舞台化したメロドラマ的な作品、稀代の悪女と呼ばれた花井お梅をモデルにした『明治一代女』(川口松太郎)などが人気を博した。
明治時代の川上音二郎、昭和の水谷八重子らが有名。