斬魔大聖デモンベイン (小説)
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『斬魔大聖デモンベイン』(ざんまたいせい - )は、ニトロプラスのコンピュータゲーム『斬魔大聖デモンベイン』のノベライズ作品。角川スニーカー文庫刊。
全巻とも鋼屋ジン・原作。涼風涼の筆になる本編のノベライズと、古橋秀之の筆になる公式外伝がある。イラストは全編とも原作のキャラクターデザイナーであるNiθ(にしー)だが、第1巻「無垢なる刃」の本編挿絵のみ酒及渉が担当している。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] ストーリー・概要
本編のストーリーは斬魔大聖デモンベイン#ストーリーを参照。
- 機神胎動
- 時は十九世紀。自らの復讐を果たすため、魔道書アル・アジフのマスターとして<鬼械神>アイオーンを駆り、魔術結社ダークネス・ドーンと戦う男、アズラッド。彼は戦いの最中、奇妙な魔術書を携えた男と出会う。
- 男の名は覇道鋼造。アメリカの鉄道王と呼ばれる覇道財閥の総帥。そしていずれ来る戦いの日に備え、人類最後の希望を造り上げんとする男であった。
- 軍神強襲
- 「覇道鋼造の息子」である覇道兼定と、「アル・アジフの歴代の主の中でもっとも破壊的な男」であるエドガー。火星人の侵略と時を同じくして、二人は出会った。
- デモンベインが消滅したこの世界で、果たして人類の未来はあるのか――?
- ド・マリニーの時計
- 以下の短編により構成。
- 第一話 ド・マリニーの時計
- アル・アジフのロストページを巡り、大十字九郎とドクター・ウェストが激突する。「時間を操る」力を手に入れた破壊ロボに対し、デモンベインは如何に立ち向かうのか?
- 第二話 遺跡破壊者(トゥームバスター)
- 原作より10年ほど前の世界を舞台に、ドクター・ウェストとラバン・シュリュズベリイ博士の出会いが描かれる。真理を求めて世界中を旅する若かりし日のドクター・ウェストが邂逅したのは、彼が初めて目にする〝魔術〟という力を使う男だった。
- 第三話 破壊の序曲
- ドクター・ウェストは、どのようにして奇想天外な発明をアーカムシティでするようになったのか?原作の数年前を舞台に、彼が「アーカムシティのドクター・ウェスト」になる過程を描いた物語。
[編集] 登場キャラクター
- アズラッド
- 『機神胎動』におけるアル・アジフのマスター。英国紳士風の服に身を包んだ、黒い肌と髪の男。最愛の女を奪った魔術結社ダークネス・ドーンへの復讐を誓い、自らの身を顧みず日夜戦い続けている。
- エドガー
- 魔術師であり、アル・アジフの歴代の主の中でもっとも破壊的な男。元孤児という過去を持つ。幼少時に弟のアーサーと共に保護された教会で、彼の運命は大きく変わることになる。
- 鬼械神アイオーンを駆る。
- アル・アジフ
- 魔導書ネクロノミコンの化身。遙か昔から魔と戦い続けている。
- 『機神胎動』においてはアズラッドを主と定め、彼の目的の為に自らの力を貸し与える。だが、復讐心に全てを委ね、身を削り続けるアズラッドの生き方を不安に思っている。
- 『軍神強襲』においてはエドガーを主と定め、怪異と戦う。どこまでも突き進もうとする彼へ、今ならばまだ引き返せる、といった言葉を投げかける事も。
- 覇道 鋼造(はどう こうぞう)
- 『機神胎動』に登場。アメリカの鉄道王と呼ばれる、覇道財閥の総帥。歳は四十過ぎだが、実年齢よりだいぶ若々しい雰囲気を持つ東洋人の男。いつか来る戦いの日に備え、人類最後の希望、世界の守護者となる存在、人工の鬼械神『デモンベイン』の完成を急いでいる。
- 覇道 兼定(はどう かねさだ)
- 『軍神強襲』に登場。覇道鋼造の息子であり、覇道財閥の後継者。五歳になるまでは孤児院で育つ。幼い頃、母親は父親に捨てられたと考えていたため、誤解が解けた今でも父親に対して苦手意識がある。
- 複葉式飛行機の操縦に長けている。
- オーガスタ・エイダ・ダーレス
- 『機神胎動』では雑誌「週刊新世紀」の記者として登場。また、自らの科学知識と技術を駆使し、さまざまな道具を生み出してはそれを装備して街へ出かけ、市民の安全を護らんと日夜努力している(ただし空回り気味)。
- 『軍神強襲』では「科学の騎士」を自称するミスカトニック大学ロンドン校付属学園(ダーレス学園とも呼ばれている)の学園長にして唯一の教師。
- 後に覇道兼定(はどうかねさだ)の妻となり、覇道瑠璃を出産。
- リトル・エイダ
- 覇道鋼造を主とする、ネクロノミコン機械語写本。化身となったときの姿は少女。デモンベインの制御用魔導書として〝獅子の心臓〟の神気を数年にわたり受けたため、生まれてから十年と経たないうちに、化身をなすほどの力を得た。オーガスタ・エイダ・ダーレスもモデルとしているため、外見に類似点が見受けられる。
- ニアーラ
- 『機神胎動』に登場。エイダの従者を務める、眼鏡をかけた黒い肌の女。母親と姉と使用人、その三つの役目を同時にこなし、やや突っ走り気味のエイダを手助けする。
- ドクター・ウェスト
- 『ド・マリニーの時計』に登場。マッドサイエンティスト。若き日には真理を求めて世界中をまわり、後にアーカムシティで魔術結社ブラックロッジの一員として破壊ロボを発明し、大十字九郎の前に立ちはだかる。
- 大十字 九郎(だいじゅうじ くろう)
- 『ド・マリニーの時計』に登場。アーカムシティのしがない探偵。アル・アジフと契約し、デモンベインを駆り魔術結社ブラックロッジと戦う。
- ラバン・シュリュズベリイ
- 『ド・マリニーの時計』に登場。魔術師であり、魔導書セラエノ断章の筆者。魔翼機バイアクヘー&鬼械神アンブロシウスを駆り、怪異に立ち向かう。
- ハヅキ
- 『ド・マリニーの時計』に登場。魔導書セラエノ断章の精霊。少女の姿をしており、クールな性格である。
- 覇道 瑠璃(はどう るり)
- 『ド・マリニーの時計』に登場。覇道財閥の総帥。祖父の覇道鋼造から財閥とデモンベインを受け継ぎ、魔術結社ブラックロッジからアーカムシティを守ることを信条としている。
[編集] 登場メカ
- アイオーン
- アル・アジフが召喚する鬼械神。バルザイの偃月刀、呪文螺旋(スペル・ヘリクス)等の呪術武装を用いて戦う。
『軍神急襲』では、捕縛呪法を用いてマグロをとるという技を披露した。 『機神胎動』、『軍神急襲』共に二丁拳銃を使用した。 なお、エドガーとアズラッドでは、アイオーンの姿が異なる。
- デモンベイン
- 覇道鋼造が操る人工の鬼械神。しかし『機神胎動』の序盤では完成には程遠く、せいぜい胎児といったところでエイダに『死にかけの巨人』と評されていたが、『軍神強襲』の時点では完成しており、マスターテリオンと死闘を繰り広げ、自分もろとも、異空間内に自分を封印するも、リベルレギスの復活を目論む火星人の魔法陣を応用し最高の状態で召喚された。
- リベル・レギス
- マスターテリオンが操る鬼械神。『軍神強襲』の冒頭にて覇道鋼造と対決する。『軍神強襲』ではデモンベインを利用して究極の状態で召喚され、エドガーの駆るデモンベインと死闘を繰り広げた。
[編集] 既刊一覧
- 無垢なる刃(2003年9月初版 ISBN 9784044278052)
- 魔を断つ剣(2003年12月初版 ISBN 9784044278069)
- 明日への翼(2004年4月初版 ISBN 9784044278076)
- 機神胎動(2004年7月初版 ISBN 9784044278083)
- 軍神強襲(2006年7月初版 ISBN 9784044278137)
- ド・マリニーの時計(2006年12月初版 ISBN 9784044278151)