放牧
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放牧(ほうぼく)とは、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ などの家畜を管理下に置きつつ放し飼いにすること。人類が牧畜を始めてから、家畜の成長を図るために行われてきた古き行為の一つ。無秩序で過剰な放牧が災いし森林破壊や砂漠化の引き金になる場合もある。
牧畜を行っている農家の敷地内ばかりでなく、地域で共同管理している広大な放牧地等に大量の家畜を長期間放牧する形態を採る放牧も多い。
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[編集] 競走馬の放牧
競走馬を牧場に送り込み休養させることをいう。あくまでも、牧場の敷地内で休養させることなので本来の放し飼いという意味とは違う。
多くの場合、放牧は競走馬が故障を発症した際に行われる。また、一流の競走馬については厳寒期・厳冬期においてレース出走を避け、リフレッシュ休養のために放牧されることが多い。
近年ではレースとレースの間に、競走馬を管理する厩舎近辺の牧場に短期間放牧するケース(短期放牧)も多くみられる。
[編集] 昼夜放牧(ちゅうやほうぼく)
1. 競走馬用に生産された若い馬を夜間屋外で飼育することによって鍛錬することをいう。具体的には午後屋内で餌を与えた後、翌朝まで屋外に放つ。
2.牛の放牧形態の一つ。文字通り、牛を昼間も夜間も放牧地に出し草を食べさせる(採食)。搾乳牛(乳牛のうち、乳を搾っている牛)は搾乳時は牛舎へ誘導し、必要に応じて補助飼料(穀類や貯蔵粗飼料)を給餌する。近年、放牧地での新たな採食量の推定方法が検討されている。
[編集] 林間放牧
森林を経営する上で、幼齢木の森林の下草刈りを軽減するために放牧する行為。家畜の排泄物が肥料になるため一石二鳥となる。主に平坦な森林が多い欧州の森林で行われているが、日本でも傾斜地にウシの放牧を試みている農家もいる。