指導力不足教員
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
指導力不足教員(しどうりょくぶそくきょういん)とは、児童、生徒に対する指導力が不足している等とされる教員のことをいう。各都道府県、指定都市教育委員会ごとに定義されている。
研修措置教員(けんしゅうそちきょういん)等別の呼称を用いる教育委員会もある。
[編集] 概要
各都道府県、指定都市教育委員会で挙げられている、指導力不足教員の要件は以下のようなものである。
- 指導が適切に行えない。
- 生徒・保護者とコミュニケーションが取れない。
- 生徒と目を合わせられない(挨拶や会話がおぼつかない)。
- 生徒に嘗められる。
- 他のクラスと違って帰りのホームルームが終わるのが遅い。
- その場の状況が読めない。
- 説教が下手で逆に相手の気分を悪くさせる。
- アニメやドラマの台詞のような事をいう。
- 言っている事が他の先生とつじつまが合わない。
- 教員としての資質に欠ける。
- 上司の指導や命令を無視する。
- 他の教員との協調性に欠ける。
- 体罰を行う。
- 生徒に向かって暴言を吐く。
- 生徒の挨拶を無視。
- 部活の顧問がコーチ任せでただ座ってるだけ。
- 何の用もないのに生徒の名前を呼ぶ。
- 自分の失態を謝らない。
- 運動会等の行事のほめ言葉を言わない。
- 細かい事で説教が長い。
- 生徒の相談を全く聞かない。
指導力不足教員が出る原因としては、例えば小中学校等で、長年小中学生と交流・接し続けるうちに、そもそも大人として子供に接し教育指導するべき教員本人自身の内部的精神構造が小中学生のパターンに同化してしまい、生徒の指導上や本人の教員的社会的生活上支障を来すと言うこともあるという[要出典]。
又、児童の問題に幼稚な視点で教員に激しく抗議を入れる親も増えており、教員も相当程度のプレッシャーを受けていることも有る。その為、ノイローゼに陥る教員も多い。
小・中・高の教員については子供を指導し立派な大人に育成していくと言う、並々ならぬ課題が社会的要請としても与えられているのであり、それが教員に重責になっている。
今後は、その重責に耐えうる教員を教員採用試験で採用していくことが各教育委員会の課題である。また現職教員に対しては、指導力不足教員とならないように適切な研修を行っていく必要がある。なお、指導力不足の可能性がある教員に対し、指導力の回復及び現場復帰をはかるための研修制度が教育公務員特例法(平成20年4月1日改正法施行)において法制化され、現在文部科学省の「指導が不適切な教員に対する人事管理システムのガイドラインに関する調査研究協力者会議」により平成20年2月8日にガイドラインが発表されている。
[編集] 認定
指導力不足教員の認定は、各都道府県・指定都市教育委員会ごとに判定委員会が構成されて決定されている。その委員は教育委員会の職員と、教育委員会が推薦する医師・弁護士などであり、都道府県によっては民間企業の役員や大学教授、校長等が入る。