拳精
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拳精 拳精 |
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監督 | ロー・ウェイ |
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製作総指揮 | ロー・ウェイ |
製作 | シュー・リーホワ |
脚本 | ミン・チュン |
出演者 | ジャッキー・チェン |
配給 | 東映 |
公開 | 1978年11月23日 1980年6月14日 |
上映時間 | 98分 |
製作国 | 香港 |
言語 | 広東語 |
allcinema | |
Variety Japan | |
IMDb | |
拳精(けんせい、原題:拳精/Spiritual Kung-Fu)は1978年制作の、ジャッキー・チェン主演の映画。1980年日本公開。
目次 |
[編集] 概要
ロー・ウェイのプロダクション時代のジャッキー主演作の1本。当時ローの思惑でシリアス路線の作品を連発していたものの、持ち味のユーモアセンスを活かしたかったジャッキーは、若いスタッフらとコメディ調の活劇『カンニング・モンキー 天中拳』を製作。これに立腹したローは『天中拳』を酷評してお蔵入りにした後、「本当のコメディの作り方を見せてやる」と豪語して制作したのが本作である[1]。
隕石落下の衝撃によって拳法の教本から拳の妖精が出現し、しがない寺男に拳を叩き込み、折から寺で発生していた連続殺人事件に挑むという風変わりな物語であったが、ジャッキーは前述の自伝において「白塗りのオバケが出てきたり、僕がおしっこをひっかけたりなど、とにかく酷い映画」等と本作を徹底的に酷評し、嫌っている。
結局、この作品とその次に撮られた『龍拳』は、香港で配給してくれる会社が見つからずお蔵入りとなったが、ジャッキーが『スネーキーモンキー 蛇拳』で成功した後になってからようやく公開された。
[編集] ストーリー
ある夜、少林寺の経蔵に保管されていた門外不出の必殺拳「七死拳」の極意書が何者かに盗まれた。「七死拳」に打ち勝つことが出来るのは「五獣拳」だけだが、その極秘書は今はもう存在しなかった。
そんな折、少林寺の寺男・龍の目の前に、宇宙から落ちてきた隕石に刺激されて出現した妖精=拳精が現れる。龍は拳精から五獣拳を学び、盗まれた七死拳の極意書を手に入れて、拳法界の制覇をもくろむルーツァオと対決することになる。
[編集] キャスト
- 龍・・・・ジャッキー・チェン
- ルーツァオ・・・・ジェームス・ティエン
- 鳳子・・・・武文秀
- 僧・・・・李昆
- 寺男・・・・ディーン・セキ
- ジェームズ・ウォン
[編集] バージョン違い
本作では、序盤で拳法の教本を盗もうとする夜盗が土蔵に忍び込むため、夜警をしていた主人公(ジャッキー)を眠らせるシーンがあるが、この展開が
- 『後頭部に一撃をくれて気絶させる』
- 『催眠作用のある煙を嗅がせて眠らせる』
という2通りのバージョン違いが存在する。
夜警を排除するための手段が明らかに違うため別シナリオで撮られていることが分かるのだが、最終的にこのシーンはどちらかのバージョンに統一されておらず、上記のどちらかの展開で編集されている2通りの完成フィルムが存在し、公開地域によって異なっていた。
[編集] 日本公開版について
日本公開においては東映がオリジナル主題歌「チャイナガール」を本編に編入、そのアップテンポで軽妙なリズムが作品の雰囲気をオリジナルよりも押し上げるに至った。この楽曲が編入されたバージョンは、東映の権利が切れた現在では見られなくなったが、現在でもクンフー映画時代のジャッキーを象徴する名曲として知られる。
[編集] 脚注
- ^ ジャッキー・チェン自伝「僕はジャッキー・チェン」