戦雲の夢
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戦雲の夢(せんうんのゆめ)は司馬遼太郎の小説。1961年、講談社より刊行。 大きな器量をもちながらも乱世の動きに取り残された悲運の武将 長曾我部盛親をあざやかに描いた作品。
[編集] あらすじ
土佐二十四万石の太守である長曾我部元親から家督を継いだ盛親。その直前、豊臣秀吉の死によって情勢は急変していった。豊臣家の対抗勢力として、徳川家はその勢力を成長させつつあった。しかし、先代の元親はどちらにも味方する意を示さず、盛親への遺言もなくして生涯を閉じた。その直後の関ヶ原の戦いで東軍、西軍への味方選択を誤り西軍についてしまう。家康へ内通する者が多く、戦が始まる前に戦いは家康が勝利していた。西軍への加担と兄殺しを責められ、所領を没収された盛親は京都で隠遁生活を送る。長い隠遁生活の末に待っていたのは戦だった。将軍家となった徳川家と大坂の豊臣家は対立、盛親にも大坂方からの参集願いがあり盛親はそれを受ける。遺臣たちと共に大坂城に入城した盛親は、大坂の陣に悔い多かった生涯の全てを賭ける。
[編集] 関連文献
- 夏草の賦(小説、司馬遼太郎)
- 盛親の父、長曾我部元親を主人公とした小説。
- 信九郎物語(小説(『おれは権現』講談社文庫 ISBN 4061318063 収録)、司馬遼太郎)
- 長曾我部元親の末子にして盛親の異母兄弟である長曾我部康豊を描いている。
[編集] 書誌情報
- 司馬遼太郎著『戦雲の夢』講談社、1961年8月、全国書誌番号 65005989
- 同(ロマン・ブックス)講談社、1965年
- 同(カッパ・ノベルス)光文社、1967年、全国書誌番号 67012836
- 同『司馬遼太郎全集』18、文藝春秋、1973年5月、ISBN 416510180X
- 同(講談社文庫)講談社、1984年11月、ISBN 4061833707
- 同(講談社文庫、新装版)講談社、2006年5月、ISBN 4062754010