張丹
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オリンピック | ||
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フィギュアスケート | ||
銀 | 2006 | ペア |
2004年世界選手権での張丹・張昊ペア | ||
基本情報 | ||
国: | 中華人民共和国 | |
生年月日: | 1985年10月4日(22歳) | |
出生地: | ハルビン | |
身長: | 164 cm | |
パートナー: | 張昊 | |
コーチ: | 姚濱 | |
振付師: | ゴーシャ・サー | |
所属: | ハルビンSC | |
ISU パーソナルベスト | ||
SP+FS トータル: | 196.96 | 2007エリック杯 |
ショートプログラム: | 71.60 | 2007エリック杯 |
フリースケーティング: | 125.36 | 2007エリック杯 |
最近の結果: | |||
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大会名 | ポイント | 順位 | 年 |
2008四大陸選手権 | 181.84 | 2位 | 2008 |
張丹(ちょう たん、簡体字:张丹、繁体字:張丹、ラテン文字:Zhang Dan, 1985年10月4日 - )は中華人民共和国ハルビン出身の女性フィギュアスケートペア選手。2006年トリノオリンピックペア銀メダリスト。パートナーは張昊、コーチは姚濱。身長164センチ。体重48キロ。趣味はダンス、水泳、バドミントン、裁縫。
目次 |
[編集] 経歴
中国のスケート競技のメッカ、ハルビン生まれ。この町からは申雪、張昊、ホウ清、トウ健というように、数々の優秀な選手が次々と現れているが、彼女もその中の一人である。
スケートを始めたのは1992年で、以来、名門のハルビン・スケートクラブに所属している。スケートを始めたきっかけは「母親の言いつけ」であった。
1997年には12歳で女子シングルの中国ジュニア女王になる。その翌年、「シングルより多彩な技が使えるから」という理由でペアに転向。パートナーは最初から張昊(同じ苗字ではあるが二人の間に血縁関係や婚姻関係は無い)である。
1999-2000年シーズンよりISUジュニアグランプリに参戦。このシーズンはISUジュニアグランプリのSBC杯で優勝、JGPモントリオール杯で準優勝、JGPファイナル5位、世界ジュニア選手権5位、中国選手権2位という成績を残す。
2000-2001年シーズンはJGP中国、JGPピルエッテン、JGPファイナル、世界ジュニア選手権の全てで優勝し、ジュニアクラスのタイトルを総なめにした。2000年の世界ジュニア選手権では史上初めてISUに公式に認定された4回転ツイストリフトを成功させている。
2001-2002年シーズンのISUジュニアグランプリシリーズも全勝。シニアクラスのISUチャンピオンシップスにも参戦し、2002年四大陸選手権3位、2002年世界選手権9位、ソルトレイクシティオリンピック11位など、早くも檜舞台を経験。この時の世界選手権で、今度はシニアクラスでも4回転ツイストリフトに成功。オリンピックのショートプログラムでは、ダイナミックな技の連続で観客を魅了し、スタンディングオベーションを受けた。
2002-2003年シーズンからはISUグランプリシリーズに参戦。表彰台に上ることはなかったが、中国選手権では優勝している(ただしこのシーズン以降、申雪&趙宏博組は中国選手権に参戦していないので、彼等を破っての優勝ではない)。
2003-2004年シーズンにはISUグランプリシリーズはエリック・ボンパール杯で優勝、スケートアメリカとロシア杯で3位、グランプリファイナルにも出場したが6位に終わった。
2004-2005年シーズンには世界選手権3位にまで到達し、申雪&趙宏博組に肉薄する。この2シーズンでの彼等の演技の進歩は著しいものであり、同様に力を付けた同門のホウ清&トウ健組とともに、ペア競技に中国の時代が到来したことを感じさせた。
2005-2006年シーズンのトリノオリンピックでは優勝候補だった申雪&趙宏博組の趙宏博がアキレス腱断裂の大怪我をおったため、中国の一番手として大会に挑んだ。ショートプログラムで2位につけた彼らは、フリースケーティングにおいて4年前に申雪&趙宏博組が挑んで果たせなかった4回転スロー・ジャンプに挑戦した。しかし張丹は、着氷時に転倒し、左膝に負傷をおい演技は一時中断された。もはや演技続行は不可能かと思われたが、張丹は演技続行を選び、負傷後のパートでサイド・バイ・サイドの2回転アクセル-3回転トウループ という女子シングルのトップ選手でも難しいコンビネーションジャンプを成功させ、銀メダルを獲得した。さらにチームは翌月の世界選手権にも出場。こちらでも2位に入り、彼等が今や世界のトップ・チームの一角であることを満天下に示したのだった。
2006-2007年シーズンのISUグランプリファイナルでは3位に入賞するも表彰式を欠席した。張丹は大会中体調が思わしくなく大会後検査入院を受けた。万全でない状態で出場した世界選手権ではショートプログラムではミスが響き10位と大幅に出遅れ、フリースケーティングでもパッとしない演技で4位、総合5位でシーズンを終えた。
2007-2008年シーズンも張丹の体調は万全ではないもののISUグランプリシリーズではエリック杯、ロシア杯共に1位。しかしグランプリファイナル、四大陸選手権では共に2位に終わる。四大陸選手権終了後手術を受け、世界選手権に出場、ショートプログラムでは43.5点というすさまじい技術点をたたき出し1位につけたが、フリースケーティングではミスが目立ち総合2位。
[編集] 特徴
姚濱門下に共通するダイナミックな演技が持ち味である。身長は164センチとペア競技では異例なまでに高い(シングルでもこの身長は稀である)が、体型は極めて細い。
[編集] 主な戦績
大会/年 | 1999-00 | 2000-01 | 2001-02 | 2002-03 | 2003-04 | 2004-05 | 2005-06 | 2006-07 | 2007-08 |
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オリンピック | 11 | 2 | |||||||
世界選手権 | 9 | 6 | 5 | 3 | 2 | 5 | 2 | ||
四大陸選手権 | 3 | 3 | 2 | 1 | 2 | ||||
中国選手権 | 2 | 3 | 3 | 1 | 2 | ||||
GPファイナル | 6 | 5 | 2 | 3 | 2 | ||||
GPスケートカナダ | 1 | ||||||||
GPNHK杯 | 1 | 2 | |||||||
GP中国杯 | 2 | ||||||||
GPロシア杯 | 3 | 1 | 1 | ||||||
GPエリック杯 | 4 | 1 | 1 | ||||||
GPスケートアメリカ | 4 | 3 | 1 | 1 | |||||
ユニバーシアード | 1 | 1 | |||||||
世界Jr.選手権 | 4 | 1 | 1 | ||||||
JGPファイナル | 5 | 1 | 1 | ||||||
JGP中国 | 1 | 1 | |||||||
JGPトラパネーゼ杯 | 1 | ||||||||
JGPサルコウ杯 | 1 | ||||||||
JGPピルエッテン | 1 | ||||||||
JGPSBC杯 | 1 | ||||||||
JGPモントリオール杯 | 2 |
[編集] シニア
2007-2008 シーズン |
開催日 | 大会名 | SP | FS | 結果 |
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2008年03月17日-23日 | 2008年世界フィギュアスケート選手権(ヨーテボリ) | 1 74.36 |
3 123.46 |
2 197.82 |
2008年02月11日-17日 | 2008年四大陸フィギュアスケート選手権(高陽) | 1 70.45 |
2 111.39 |
2 181.84 |
2007年12月13日-16日 | ISUグランプリファイナル(トリノ) | 2 71.40 |
2 119.80 |
2 191.20 |
2007年11月22日-25日 | ISUグランプリシリーズ ロシア杯(モスクワ) | 1 69.96 |
1 122.72 |
1 192.68 |
2007年11月15日-18日 | ISUグランプリシリーズ エリック・ボンパール杯(パリ) | 1 71.60 |
1 125.36 |
1 196.96 |
2006-2007 シーズン |
開催日 | 大会名 | SP | FS | 結果 |
---|---|---|---|---|
2007年03月19日-25日 | 2007年世界フィギュアスケート選手権(東京) | 10 57.00 |
4 116.39 |
5 173.39 |
2006年12月14日-17日 | ISUグランプリファイナル(サンクトペテルブルク) | 2 64.18 |
4 111.75 |
3 175.93 |
2006年11月30日-12月03日 | ISUグランプリシリーズ NHK杯(長野) | 2 63.82 |
2 118.05 |
2 181.87 |
2006年11月02日-05日 | ISUグランプリシリーズ スケートカナダ(ビクトリア) | 1 69.54 |
1 121.43 |
1 190.97 |
2005-2006 シーズン |
開催日 | 大会名 | SP | FS | 結果 |
---|---|---|---|---|
2006年03月19日-26日 | 2006年世界フィギュアスケート選手権(カルガリー) | 1 65.58 |
4 120.84 |
2 186.42 |
2006年02月10日-26日 | トリノオリンピック | 2 64.72 |
2 125.01 |
2 189.73 |
2005年12月16日-18日 | ISUグランプリファイナル(東京) | 4 61.76 |
2 124.36 |
2 186.12 |
2005年12月01日-04日 | ISUグランプリシリーズ NHK杯(大阪) | 2 60.86 |
1 110.60 |
1 171.46 |
2005年10月20日-23日 | ISUグランプリシリーズ スケートアメリカ(アトランティックシティ) | 1 59.90 |
1 119.24 |
1 179.14 |
[編集] 外部リンク
フィギュアスケート 四大陸チャンピオン – ペア |
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1999: 申雪 & 趙宏博 • 2000-2001: ジェイミー・サレー & デヴィッド・ペルティエ • 2002: ホウ清 & トウ健 • 2003: 申雪 & 趙宏博 • 2004: ホウ清 & トウ健 • 2005: 張丹 & 張昊 • 2006: 井上怜奈 & ジョン・ボルドウィン • 2007: 申雪 & 趙宏博 • 2008: ホウ清 & トウ健 |
フィギュアスケート 世界ジュニアチャンピオン – ペア |
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1976: シェリー・バイアー & ロビン・コーワン • 1977: ジョゼ・フランス & ポール・ミルズ • 1978: バーバラ・アンダーヒル & ポール・マルティーニ • 1979: ヴェロニカ・ペルシナ & マラート・アクバロフ • 1980-1981: ラリサ・セレズネワ & オレグ・マカロフ • 1982-1983: マリナ・アフストリスカヤ & ユーリ・クワシニン • 1984: マニュエラ・ラントグラフ & インゴ・シュトイアー • 1985: エカテリーナ・ゴルデーワ & セルゲイ・グリンコフ • 1986-1987: エレーナ・レオノワ & ゲンナジー・クラスニツキー • 1988: クリスティー・ヤマグチ & ルディ・ガリンド • 1989: エフゲーニヤ・チェルニシェワ & ドミトリー・スハノフ • 1990-1992: ナタリア・クレスティアニノワ & アレクセイ・トルチンスキー • 1993: インガ・コルシュノワ & ドミトリー・サベリエフ • 1994-1995: マリア・ペトロワ & アントン・シハルリドゼ • 1996: ヴィクトリア・マキシウタ & ウラジスラフ・ゾフニルスキー • 1997: ダニエル・ハートセル & スティーブ・ハートセル • 1998-1999: ユリア・オベルタス & ドミトリー・パラマルチュク • 2000: アリオナ・サフチェンコ & スタニスラフ・モロゾフ • 2001: 張丹 & 張昊 • 2002: エレーナ・リアブチュク & スタニスラフ・ザハロフ • 2003: 張丹 & 張昊 • 2004: ナタリア・シェスタコワ & パーヴェル・レベデフ • 2005: マリア・ムホルトワ & マキシム・トランコフ • 2006: ジュリア・ウラソフ & ドリュー・ミーキンス • 2007: キオーナ・マクラフリン & ロックニ・ブルーベイカー • 2008: クセニア・クラシルニコワ & コンスタンチン・ベズマテルニフ |
フィギュアスケート JGPファイナルチャンピオン – ペア |
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1997/98-1998/99: ユリア・オベルタス & ドミトリー・パラマルチュク • 1999/00: アリオナ・サフチェンコ & スタニスラフ・モロゾフ • 2000/01-2001/2002: 張丹 & 張昊 • 2002/03: 丁楊 & 任重非 • 2003/04: ジェシカ・デュベ & ブライス・デイヴィソン • 2004/05: マリア・ムホルトワ & マキシム・トランコフ • 2005/06: ヴァレリア・シマコワ & アントン・トカレフ • 2006/07: キオーナ・マクラフリン & ロックニ・ブルーベイカー • 2007/08: ベラ・バザロワ & ユーリ・ラリオノフ |