山崎蒸溜所
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山崎蒸溜所(やまざきじょうりゅうしょ、SUNTORY YAMAZAKI DISTILLERY)は、大阪府三島郡島本町山崎5-2-1にあるサントリーのウイスキー蒸留所である。同蒸溜所では、同社のシングルモルトウイスキーの主力銘柄である「山崎」を生産している。また、同蒸溜所及びインターネットショップ限定販売の山崎の樽出原酒を生産する。
サントリーでは、山崎を「水生野」(みなせの)と呼ばれた名水の地だとしている。この山崎の地に、1923年、寿屋(のちのサントリー)によって日本初のモルトウイスキー蒸留所として開設された。寿屋創業者・当時の社長である鳥井信治郎は、本格的なウイスキー製造を目指し、蒸溜所開設を企画し、1923年、スコッチ・ウイスキーの本場スコットランドでウイスキー製造を学んだ竹鶴政孝を招聘、山崎蒸溜所長に任じたのである。竹鶴時代の1929年に、山崎蒸溜所は日本初のウイスキー(ジャパニーズウイスキー)「白札」を製造・出荷した。竹鶴はのち鳥井との方向性の違いから寿屋を退社し、北海道余市町に大日本果汁(のちのニッカウヰスキー)を興している。
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[編集] 設備
蒸留釜は、初留釜、再留釜各6基を備え、それぞれ形状が異なる。熟成庫は主にダンネージ式で、カスク(樽)はバレル、ホグスヘッドなど複数の種を用いている。これによりモルト原酒を作り分けている。
[編集] ラインナップ
シングルモルトウイスキー「山崎」。発売開始は1984年。
- 山崎10年
- 山崎12年 - ISC2003 金賞
- 山崎18年 – SWSC2005 最優秀金賞、ISC2007 金賞
- 山崎25年
- 山崎35年
- 山崎50年
[編集] 見学、公開
同蒸留所は、工場内見学ツアーを随時実施しており、仕込、発酵、蒸溜、貯蔵の一連の工程を見学することが可能である。また、土日を中心に、シングルモルトウイスキーの知識や魅力などについて解説するセミナーが開催されている。
また、同蒸留所敷地内の「山崎ウイスキー館」は、ウイスキー7000本やポットスチル・発酵槽などが展示されている。また、ファクトリーショップが併設され「山崎」やグッズなどを購入できるようになっている。