天野遠景
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天野 遠景（あまの とおかげ、生没年不詳）は、藤原南家工藤氏の一族で、吉川氏と同族である。父は天野景光、弟に天野光家。子は天野政景。
[編集] 生涯
平家の家人であったが、天野郷が蛭ヶ小島に近かったこともあり、仁安2年（1167年）頃、伊東祐親の下で幽閉生活を送っていた源頼朝と狩や相撲を通じて交流を持ち、親交を深めた。そのため源頼朝の挙兵当初から付き従うこととなる。
治承4年（1180年）石橋山の戦いでは敗北を喫する。同年10月の富士川の戦いの後、平家軍に合流しようとした伊東祐親を捕縛した。寿永2年（1183年）には信濃国を中心として勢力を拡大する木曾義仲への使者を務め、義仲の嫡子・義高を人質とすることに成功した。
元暦元年（1184年）には源頼朝の命を受け、甲斐源氏の一条忠頼を謀殺。鎌倉幕府成立期に遠景は陰に陽に重要な役割を果たしている。 そして頼朝との対立が表面化していた源義経に替わり、文治2年（1186年）、天野遠景は義経に替わって九州惣追捕使となった。肥前国での豪族の狼藉の停止や、宇都宮信房と鬼界ヶ島の平家残党を征伐するなど、遠景は九州・大宰府方面で10年近くの長きに渡って活躍した。しかし寺社や荘園領主などの反発もあり、遠景は奉行職を解任され、鎌倉へ帰還することとなる。
建久10年（1199年）の頼朝没後は、梶原景時の追放や建仁3年（1203年）8月、比企能員の暗殺にも関与しているが、その後の消息は不明である。
彼は頼朝に忠実に従い、次々と主人に都合の悪い人物を消していく「暗殺者」としての人生を歩んだと言えよう。
