土居清良

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土居清良 凡例
時代	戦国時代 - 江戸時代前期
生誕	天文15年（1546年）
死没	寛永6年3月24日（1629年5月16日）
改名	虎松、清良
別名	三郎
墓所	牛河山竜泉寺、清良神社
官位	式部少輔、式部大輔
主君	西園寺公広
氏族	土居氏
父母	父：土居清晴、母：西園寺実充の娘

土居 清良（どい せいりょう/きよよし）は、戦国時代の伊予国の国人で、西園寺十五将と称される武将の一人。

清良の事績を実証できる同時代の史料は少ない。その生涯を描いた一代記として、江戸時代初期に著された『清良記』が有名であるが、同書は軍記物に近い性格のものとなっていることに注意が必要である。

目次 1 生涯 2 日本最古の農書 3 関連書籍 4 外部リンク

[編集] 生涯

天文15年（1546年）、土居清晴の子として伊予国宇和郡三間（現愛媛県宇和島市）に生まれる。幼名は虎松。永禄3年（1560年）、大友氏の侵攻によって祖父の土居清宗や父は戦死して一家は没落し、土佐一条氏の下で育った。元服後、伊予帰国を認められ、伊予大森城主として三間3村の領主となる。

一条氏と離れ、西園寺氏に属し、大友氏、一条氏、長宗我部氏の侵入を防いだ。毛利家の援軍として、中国地方各地を転戦し、名を上げたという。当時の四国勢としては珍しく、配下の者全員に鉄砲を装備させており、小軍でありながら圧倒的な戦力であったとされる。天正2年（1579年）には長宗我部氏の大軍を岡本城に迎え撃ち、知略をもって長宗我部元親の家老・久武親信を討ち取る戦功を上げている。

天正15年（1587年）、四国征伐の際に小早川隆景に所領を安堵されたが、小早川氏の九州転封に伴い、下野する。その後、藤堂高虎からも仕官の誘いがあったが断り、引退生活を送って寛永6年（1629年）3月24日に死去した。享年84。

墓所は牛河山竜泉寺。予土国境に位置する勢力として、領土と領民を戦火から守り通したことは事実だと推測される。土居家の末裔や旧家臣の申請によって寛文年間に京都の神祇副吉田家より「清良明神」の神号免状を得、清良神社に祀られた。今も郷土の人々の追慕を集めている。

[編集] 日本最古の農書

永禄7年（1564年）正月、土居清良は領内の農巧者である元武士の松浦宗案を城に呼び出したとされ、宗案が提出した答申書とそれを補足する問答が『清良記』に収録されている。これにより『清良記』は「日本最古の農書」という評価を得るようになったが、宗案は架空の人物であることが検証されており、「農書」部分も土居清良当時のものとしてそのまま信用することはできないと考えられている（詳細は清良記参照）。

[編集] 関連書籍

• 土居水也著、松浦郁郎校訂『清良記』（佐川印刷、1975年。1976再版（全巻活字化本））
• 松浦郁郎・徳永光俊 現代語訳校注解題『日本農書全集・清良記』（農文協、1980年）
• 岡本文良著、加藤英夫画『土のさむらい』（くもん出版、1996年） ISBN 4774300934
• 永井義瑩『近世農書『清良記』巻七の研究』（清文堂、2003年） ISBN 4792405300
• 伏見元嘉「『清良記』の傍証研究ー将棋からのアプローチ」『伊予史談』第321号（2001年）
• 伏見元嘉「『清良記』の改編者と成立過程」『伊予史談』第326号（2002年）
• 伏見元嘉「軍記物『清良記』の解釈」『伊予史談』第336号（2005年）
• 石野弥栄「『清良記』の成立と素材について」『伊予史談』第339号（2005年）

[編集] 外部リンク

• 土居清良史料館