南国少年パプワくん
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『南国少年パプワくん』(なんごくしょうねん - )は、柴田亜美による漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。
月刊少年ガンガン(エニックス(現スクウェア・エニックス)刊)において、1991年4月号から1995年6月号まで連載された。全56話、単行本は全7巻。また、続編として『PAPUWA』がある。
目次 |
[編集] 概要
月刊少年ガンガンの創刊と同時に連載が開始され、柴田亜美の(プロとしての)本格デビュー作になった。テレビアニメ化もされ人気を博し、少年ガンガンから初のアニメ作品となった。
また、連載中を通して女性キャラクターがたった一人しか登場しないことも特徴(なお、性別が「メス」だと思われるキャラクターは数名(匹)いるが、女性キャラらしい人物は一人だけである)。
[編集] 連載開始秘話
作者がある会社のイラストレーターとして働いていた当時、「ドラゴンクエスト4コママンガ劇場」で人気のあった作者に、ガンガン編集部から「新雑誌を創刊するから漫画を描いてみない?」と依頼が来る。これを、読み切り作品の依頼と作者が勝手に思い込み、読み切りのつもりで描いたのが、南国少年パプワくんの第一話目である。
この完成した原稿を編集部に持って言った際に、編集者に「じゃあ続きのネーム持って来て。」と言われ、作者はこれが連載作品の依頼であったことに初めて気付いたという。
その後、第二話目までは会社に勤めながら描いていたが、やはり仕事と漫画家の両立は難しく、作者は会社を辞めることとなる。その際に上司に「漫画失敗したらいつでも戻って来いよ。」という優しい言葉をかけてもらい、感動したらしい。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] あらすじ
ガンマ団から青い秘石を盗み、追われる身となった青年シンタローは、ガンマ団の追っ手を振り切れずに海を漂うことになった。そして流れ着いた島がパプワ島。島に住む唯一の人間パプワ、人語を話す生物(ナマモノ)と呼ばれる奇妙な動物達との交流、シンタローを追う刺客「ガンマ団」たちとの戦いを描く。
[編集] 登場人物
パプワの登場人物を参照
[編集] 用語
- 秘石
- 赤と青の2つがある、手のひらサイズの球状の石。2つを手に入れたものは世界を手に入れるとも言われる。その出自は不明だが、遥か古代から存在している。石に秘められた力が作り出した人間とともに、「聖域」であるパプワ島で長い年月を過ごしていた。赤の秘石はパプワ島の地下深くに安置されていたが、青の秘石は青の一族が島を出た際に持ち出され、シンタローに盗まれるまではガンマ団本部にあった。
- 物語序盤は不思議な力を持ってはいるもののあくまでただの石だと思われていたが、『南国少年パプワくん』の後半において赤の秘石が登場した際、人格を持っている事が判明(最初から登場していた青の秘石は無口なだけであったらしい)。
- なお、赤と青の秘石はその考えや行動方針が微妙に異なっており、仲があまり良くない。
- 赤の一族・青の一族
- 秘石が作り出した古代文明人の一族。
- 古代は青の一族とやや対立しつつも秘石を守り平和に暮らしていたが、ある日空から災害が降り立つのを予測した為に青の一族は秘石を持って島を脱出してしまう。この時に両一族の対立は決定的になったらしく、今でもヨッパライダーは青の一族の事を「邪悪な一族」と呼んで忌み嫌っている。
- 災害の時赤の一族は島に残ったが、災害によって1人の赤子(パプワ)を残し滅んでしまった。青の一族はその後も人間と交わり繁栄を続け、世代を経てガンマ団を創設し現在に至っている。
- 現在のパプワ島(第1のパプワ島)は、両一族の住む島々が沈んでいく中残った最後の島であったが、『南国少年パプワくん』のラストで他の島々が浮上する。その後に登場する島(第2のパプワ島)は、箱舟により、次元を超えてきた青の秘石が過去の記憶から創り出した物。
- 後に島に残っていた住民達の多くは異次元へと旅立ち、現在のパプワ島のナマモノと異次元の聖犬一族などの祖先となっている。
- 現在の青の一族はガンマ団総帥を兼ねている関係もあって、各国との対立バランスを保つ為、結婚はせず全世界から優れた遺伝子を集め、選ばれた卵子により人工授精(人工フラスコか代理出産かは不明)によって男性のみが生まれると言う事が『PAPUWA』にて発覚する。
- その為遺伝上の母親の存在は知らされておらず[1]、一卵性多胎児を除き、同一の母を持つ者はほぼ皆無である[2]。遺伝的関係で、一族の者は全て金髪であり黒髪の者は生まれない。
- 秘石の番人
- 秘石を守ると言う使命を負った人間。
- それぞれの秘石が自ら作り出した人間1人がその役目に就く。番人になると歳をとらなくなる上、仮に怪我をしたり死んだりしても秘石の力によって修復され蘇生するので、ジャンとシンタローのような事がない限り基本的に交代することはない。シンタローと融合したジャンは、その役目をリキッドに譲る。
- なお、初代秘石の番人は、互いの名をあわせるとヤヌスになる。
- 秘石眼
- 赤・青の秘石の継承者一族が持っている特殊な眼。眼の力が発動すると超常的な力を発揮出来るが、コントロール出来ずに暴走することもある。
- 両目とも秘石眼である者と、片目だけが秘石眼である者が存在するが、サービス曰く、青の一族の歴史からして片目が普通であり両目秘石眼は特異な存在であるとの事。力はもちろん両目とも秘石眼である者の方が強い。
- 青の一族の秘石眼所有者はマジック、ルーザー、ハーレム、サービス、キンタロー、グンマ、コタロー。このうちマジック・グンマ・コタローが両目とも秘石眼。4兄弟のうちマジックだけが両目秘石眼だが、その実子であるグンマとコタローはともに両目秘石眼である。片目秘石眼のルーザーの実子であるキンタローはやはり片目である。
- 赤の一族での秘石眼所有者はパプワしか登場していない。パプワは両目が秘石眼である。
- 眼魔砲
- 青の一族に伝わる秘技。気合とともに手から衝撃波を放つ。
- 秘石眼の力を利用しているものではないため、秘石眼を持っていないシンタローも使える。が、後にシンタローはそもそも青の一族ですらないことが発覚したため、訓練次第で誰でも使えるようになる技であると思われる。
- ガンマ団
- 島を後にした青の一族の末裔が興した組織。「世界最強の殺し屋集団」との触れ込みであるが、多方面に渡る戦闘能力者を抱えており、実質的には傭兵部隊のような存在である。
- 『PAPUWA』にて、マジックが総帥の座をシンタローに譲ってからは、「悪い奴にのみ限定のお仕置き集団(ギャラはスイス銀行振込)」になっている。
[編集] アニメ
テレビ朝日系(ただし一部系列局除く)で1992年10月10日~1993年10月2日にわたり、土曜19:30~20:00の枠で全42話が放送された。ただし、山形放送と朝日放送は変則放送だった。詳しくは別途後述。また、本放送終了後に開局したテレビ朝日系列局では、愛媛朝日テレビと琉球朝日放送で放送された。
さらに、系列外局では、遅れネットという形で宮崎放送(TBS系)で、本放送終了後にチューリップテレビ・山陰放送(いずれもTBS系)・高知放送(NTV系)で、それぞれ放送されている。
なお、2007年11月現在ファミリー劇場で放映中である。
[編集] スタッフ
- 製作:本橋浩一
- 原作:柴田亜美(スクウェア・エニックス「ガンガンコミックス」刊)
- 製作管理:本橋寿一、中島順三
- 企画:佐藤昭司(日本アニメーション)
- 音楽:中村暢之
- キャラクターデザイン:武内啓
- 美術設定:工藤剛一
- 美術監督:川井憲
- プロデューサー:太田賢司(テレビ朝日)、遠藤重夫(日本アニメーション)
- 監督:高木淳
- 脚本:海老沼三郎、大山歳郎、藤本信行、小松崎康弘、西村孝史
- 演出:高木淳、稲垣卓也、新田義方、矢部秋則、林一男、細田雅弘、平川達也、斉藤次郎
- コンテ:高木淳、細田雅弘、稲垣卓也、新田義方、林一男、平川達也、矢部秋則、斉藤次郎
- 作画監督:武内啓、松本朋之、小曽根孝男、山崎隆生、藤井裕子、平山英嗣
- 音響監督:本田保則
- 撮影監督:森田俊昭
- 色彩設計:大平敬志
- 原画:スタジオ座円洞、スタジオコクピット、サンシャンコーポレーション
- 動画:スタジオサイン、スタジオ座円洞、スタジオコクピット、サンシャインコーポレーション、ダイゾウプロ
- 動画チェック:野田泰宏、鈴木克彦、黒田聡、山川朝子、佐藤久
- 背景:アトリエローク、スタジオアクア、ムクオスタジオ
- 仕上:スタジオキリー
- 撮影:トランス・アーツ
- 編集:小野寺桂子(GONZO)
- 編集助手:名取信一、目黒広志
- ネガ編集:上遠野俊英
- 録音制作:音響映像システム、合田昌克
- 整音:佐藤千明
- 音響効果:蔭山満(フィズサウンドクリエイション)
- スタジオ:タバック
- タイトル:道川昭
- 現像:IMAGICA
- 広報:三輪祐見子→丹波敦子(テレビ朝日)
- 版権管理:西国晃
- 制作デスク:牛島浩
- 制作進行:島津裕行、大六野篤、岩崎秀紀、山下賢二、永井裕二
- 演出助手:小池広之、島津裕行
- 制作:テレビ朝日、日本アニメーション
- 著作:(C)柴田亜美/スクウェア・エニックス,tv asahi,日本アニメーション
- 主題歌:
[編集] 放映リスト
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[編集] ネット局(テレビ朝日系)にまつわるこぼれ話
- 朝日放送は関西ローカルのドラマ『部長刑事』シリーズの関係で17:00からの先行放送だった。こちらは夏の高校野球期間中は試合展開等により時間通りの放送ができず、大会終了後に改めて時差放送する形式を採っていた。
- 放送開始当初、一応のテレビ朝日系列局だった山形放送は、日本テレビ系列優先のクロスネット局であり、該当時間帯には日本テレビの番組を同時ネットしていたため、遅れネットで放送していた。この状態は、山形テレビのフジテレビ系からテレビ朝日系へのネットチェンジに伴う、山形テレビへのテレビ朝日番組移行による同時ネット移行まで続いた。
- 山口県・大分県ではテレビ朝日系列クロスネット局の山口放送(他に日本テレビ系列)・テレビ大分(他にフジテレビ・日本テレビ系列)がやはり他系列優先であり、また、同地域内のTBS系列局(テレビ山口・大分放送)への販売も行われなかったため、山口朝日放送・大分朝日放送が最終話の前日に開局したことにより、山口・大分エリアの視聴者は最終話だけしか視聴できない珍事が起きた。これは前日に最終回を迎えた「100万円クイズハンター」と同様の珍事であった。
[編集] 余談
1993年に放送されたアニメ特番春一番!日本一のアニメ祭りにパプワくんが登場する。この時、雛人形を口説くしんのすけの奇行ぶりを見て、「日本の子供は皆ああなのか?」と天然でたずねた。
[編集] ゲーム
- 南国少年パプワくん(スーパーファミコン、スクウェア・エニックス)
- 南国少年パプワくん・ガンマ団の野望(1994年、ゲームボーイ、スクウェア・エニックス)
[編集] カセットブック
アニメイトカセットコレクション(ムービック)
- 第一巻「コタローへ兄から愛のメッセージ」(1993年7月1日)
- 第二巻「南国少女くり子ちゃん」「パプワトピア」(1994年2月1日)
- 第三巻「ガンマ団本部奪回大作戦」(1994年10月01日)
オリジナルストーリーによるボイスドラマのカセットテープである。 出演声優はテレビアニメ版と同じ。
[編集] 外部リンク
- PAPUWA PAPUWA & 南国少年パプワくん公式サイト
- 日本アニメーション内作品紹介ページ
[編集] 前後番組の変遷
テレビ朝日系 土曜19時台後半(1992年10月~1993年10月) | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
南国少年パプワくん
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