医女
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医女（いじょ）は、李氏朝鮮に於ける両班や王族などに属する高貴な女性を診察するための女性の医師である。医女は全て朝鮮王朝が管理し、王朝に属した。女医とも呼ぶ。末期には妓生（売春婦）と混同された。
医女に相当する制度は、日本に於いては『養老律令』の『養老医疾令』の中に既に見られる為、同時代の唐にもこの制度が存在したと思われる。日本においてこの制度は消滅している。また、高麗時代に医女に相当するものが存在した事を証明できないため、過去の医女制度と李氏朝鮮時代の医女制度の関係は不明である。
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[編集] 李氏朝鮮における医女制度
第3代王太宗6年（1406年）、済生院に命じて、公奴婢の童女の中から数十人を選び、医薬・鍼灸などを教えた事を始まりとする。朝鮮に於いては、女性が男性に肌を見せる事を極端に嫌う為に、医師の診察を拒み、それ故に治療が受けられずそのまま死亡する例が後を絶たなかった。そのため、女性を診察する医女が必要となったのである。
この処置は好評で、診療を求める者が多く需要に応じきれないため、新たに奴婢の中から13歳以下の童女を選別し、これを養育した。医女の育成制度は第4代王世宗期に完成を見、第9代王成宗期が全盛期であった、しかしながらこの時期より風紀の乱れが生じ、次代燕山君の時代に入ると紊乱は極まり、王の酒宴に侍らせるなど、妓生（売春婦）と同一視される様になっていった。
燕山君がクーデターにより廃位され、その弟である中宗が王位に就くと綱紀粛正を行い、中宗5年、11年、12年、30年に医女が酒宴に出る事を禁じる令を出しているが、何度も令を出しても余り効果は無く、李氏朝鮮後半の時代になると医女と妓生はほとんど同一視され、妓生が逆に内宮の医療を見るケースも増え、医女制度は完全に廃れていった。
[編集] 李氏朝鮮における著名な医女
『朝鮮王朝実録』には以下の医女の名前が見られる。
他
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 三木栄 『朝鮮医学史及疾病史』
