加藤一郎 (法学者)

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加藤一郎（かとういちろう、1922年 9月28日 - ）は、日本の法学者。専門は民法。1992年日本学士院会員、1996年勲一等瑞宝章。東大紛争時の東京大学総長。民主党衆院議員小宮山洋子は実娘。元自由民主党参院議員青木一男は岳父。

[編集] 経歴

東京生まれ。旧制成城高等学校尋常科・高等科（現成城大学）を経て、1943年東京帝国大学法学部政治学科卒業、同特別研究生就任。1961年法学博士（東京大学、学位論文「不法行為」）。

1946年横浜経済専門学校（現横浜国立大学）講師、1948年東京大学法学部助教授、1957年同教授、ハーバード大学ロースクール留学を経て、1968年東京大学法学部長、同年安田講堂事件により東京大学総長代行、1969年から1973年まで同総長。1978年から1983年まで東京大学社会科学研究所教授併任。1987年紫綬褒章受章。

1983年東京大学を定年退官、同大名誉教授に就任し、同年弁護士法第5条により司法試験合格者ではないが法学博士課程有す大学の法学部法律学科の教授を5年以上務めた事により弁護士登録（同じシステムで1994年小林節）。1983年から1995年まで成城学園学園長、後に同名誉学園長。証券取引審議会会長、国民生活審議会会長等も務めた。

弟子に米倉明、加藤雅信らがいる。

[編集] 学説

我妻栄の学説を引き継ぎ、不法行為の相関関係説を発展させた。相関関係理論は､改正前の民法７０９条において不法行為成立の要件の一つに「権利ヲ侵害シタル」とあったのを､違法性ある行為と読み替え､違法性の判断において､被侵害利益の種類と侵害行為の態様を相関関係において判断するという見解である。日本の民法学界では、長らく通説的見解であったが､近時徹底的な批判がなされており､その一つに､「権利」とは法律上保護されるべき利益であれば足りるのであるから､ドイツ民法の違法性概念を持ち込む必要はないというものである。現行民法７０９条は､「法律上保護される利益を侵害」すれば足りると規定しており､この改正は従来の判例・学説の流れとの整合性という問題を提起している。