別府タワー
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別府タワー(べっぷタワー)は、大分県別府市にある観光塔。旧名、観光センターテレビ塔(かんこうセンターテレビとう)。高さは100m。名古屋テレビ塔、通天閣に次ぎ、日本で3番目に建てられた高層タワーで、別府観光のシンボルとして親しまれている。名古屋テレビ塔、通天閣、さっぽろテレビ塔、東京タワー、博多ポートタワーを加えたタワー六兄弟のひとつ[1]。別府観光開発株式会社により運営されている。
2007年5月10日に建造から50年を経過したことを期に、国の登録有形文化財への登録が申請され、2007年10月2日付けで登録された(官報告示は同年10月22日)。
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[編集] 概要
東京タワー完成の1年前。1957年3月20日開幕の別府温泉観光産業大博覧会の目玉施設として建設が構想、当時の別府市長脇鉄一らが立ち上げた別府観光開発株式会社が建造した。資金繰りの関係から開幕には間に合わず、閉幕直前の5月10日に完成した。建造費用は2億8000万円。設計は東京タワーや二代目通天閣で知られる内藤多仲。完成時の従業員募集では、希望者が数千人集まったという[2]。
当初予定されていたテレビ塔としての役割を果たすことはできなかったが、1960年代に入ると年間100万人に及ぶ観光客と修学旅行生で賑わい、観光スポットとなった。しかし1970年代、隣接する国道10号の拡幅工事により敷地の一部が削られるなどして入場者数が減少。
1987年、大きな収入源だった広告ネオンサインの契約が打ち切られたため、経営危機に陥り解体撤去も検討されたが、翌1988年、タイホーレジャーグループが買収し、解体を逃れた。広告ネオンサインはその後朝日ソーラーを経て、2007年現在はアサヒビールとなっている。
2007年5月10日から6月10日までの期間、50周年の記念写真展「別府タワー懐かしのパネル展」が行われ、建設中のタワーや移り行く別府の風景の白黒写真が展示された[2]。
大分県の省電力キャンペーン「121万人夏の夜の大作戦~キャンドルナイト~」の協力企業であり、1年に一度だけ、広告ネオンサインを含む全照明が消される。
[編集] 施設
鉄骨鉄筋コンクリートの建物の上に塔を組んだ構造であり、タワーの高さは100m。秒速160mの台風にも耐えうる構造となっている。
- 展望階
- 17階 - 展望台・喫茶
- 別府市街や別府湾が一望できる高さ55mの展望台。元日には初日の出を見るイベントが行われる。
- 16階 - 展望ラウンジ
- 17階 - 展望台・喫茶
- 建物階
[編集] 沿革
- 1956年8月13日、別府観光開発株式会社設立
- 1957年5月10日、観光センターテレビ塔として完成。広告ネオンサインはサッポロビール
- 1958年4月、広告ネオンサインが松下電器産業に。表示は「ナショナル」
- 1961年1月1日、別府タワーに呼称変更
- 1987年、松下電器産業が広告ネオンサインから撤退、経営危機に陥る
- 1988年、タイホーレジャーグループによる買収で経営危機を脱出。広告ネオンサインが朝日ソーラーに
- 2002年、広告ネオンサインがアサヒビールに
- 2006年、翌年に50周年を迎えることを記念し、国の登録有形文化財への登録を申請
- 2007年5月10日、50周年記念写真展が開催される
- 2007年10月22日、登録有形文化財に登録
[編集] 所在地
- 大分県別府市北浜3-10-2
[編集] 交通
[編集] 関連リンク
- 塔の一覧
- 別大電車 - 完成時、隣接する国道10号に走っていた九州初の路面電車
- 別府温泉 - 別府タワーをシンボルとする温泉街
- ビーコンプラザ - 1995年に完成した別府市の市民ホール。高さ125mの「グローバルタワー」がある
- ゴジラ - 1994年の作品『ゴジラvsスペースゴジラ』に別府タワーが登場している
[編集] 外部リンク
- 別府タワー公式ウェブサイトへようこそ! - 公式サイト