さっぽろテレビ塔
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
さっぽろテレビ塔(さっぽろてれびとう)とは北海道札幌市中央区大通西1丁目の大通公園内にある電波塔である。総工費1億7千万円で1957年(昭和32年)に完成した(同年8月24日に開業・電波の発射を開始した)。高さ147.2メートル。設計者は内藤多仲。
目次 |
[編集] 概要
当初は札幌圏放送局(NHK札幌放送局、STV)の電波発信塔としての役割を担っていた。しかし1956年にHBCが手稲山を開拓して送信所を設置し、テレビ塔より広いサービスエリアを構築してからは全てのテレビ送信所が手稲山に移り、現在はNHK札幌放送局・AIR-G'・FMノースウェーブの中継局施設(札幌大通中継局)とNHK札幌放送局の予備送信所(総合テレビ・教育テレビ・FM放送)が残るのみとなった。2005年9月にはNHK札幌放送局(地上デジタル放送)の手稲山送信所へ放送波を転送するためのSTLアンテナが設置された。
地上90メートルの位置に展望台がある。展望台から西に大通公園を見おろし、遠く円山や大倉山まで見通す眺めは季節ごとにさまざまな顔を見せ、札幌の代表的な景色となった。また、さっぽろ雪まつりなど公園で行われる催事ごとに様々な媒体にも登場する。
1961年に松下電器の寄贈により展望台の下、地上65メートルの四面に電光時計が取り付けられた。「時計を付ければ必ず見てくれる」という松下幸之助の発案だったという。電光時計は1998年と2006年の2度改修工事が行われ、現在は発光ダイオード製である。広告表示は当初「ナショナル」だったが英語表記の「National」になり、2006年の改修で「Panasonic」に変更された。
2002年に内外装の大改修が実施され、2、3階部分の外壁の色が薄い緑色から現在の濃い緑色になった。
地下1階はさっぽろ地下街オーロラタウンと接続しており、「テレ地下グルメコート」と称する飲食店街になっている。地上1階は案内所やチケット売場などがあり、2階は多目的ホールと管理事務所、3階には土産店とレストランが入居している。3階までは無料だが展望台は有料で、3階よりエレベーターを利用する。
完成当初はまだ市内中心部も高層の建物が少なく、札幌市内を一望できる数少ない施設として、またプラネタリウムや映画館(どちらも現在は廃止)などの観光施設もあったことから多くの市民や観光客が訪れ、展望台に上るために一時間待つのが当たり前であったという。現在は雪まつり期間中を除き、長時間待つことは少なくなった。
今も大通の景観上重要な存在だが、周囲の建物の高層化が進み、かつての突出感はなくなった。また、2007年には近隣に住友不動産による40階建ての超高層マンションとなるシティタワー札幌大通が完成するため、本記事下段の写真のような風景(西側から見上げた、テレビ塔のみの突出)は見納めとなる。
[編集] 新テレビ塔構想
2007年(平成19年)に50周年を迎えたさっぽろテレビ塔は老朽化が著しいことから、最近では建て替えの構想が持ち上がっている。構想は高さ650m(展望台の高さは500m)で地上50階・250m付近までビルとし、その上にタワーと展望台を乗せたデザインでビル部分と展望台の総延べ床面積は19万7800m2になる予定。東京都墨田区で計画中の新東京タワーの高さ約610mを超える世界有数のタワーを目指す。
ビルには文化・スポーツ・コミュニティーの公共施設に加え、商業施設、オフィス、ホテルなど複合機能を持たせる。その他都市災害監視基地とテレビ地上デジタル波や各種デジタルサービスの発信基地の機能も備える。
[編集] キャラクター
「タワッキー 画像」という公式キャラクターが存在するが、二ヶ月後に登場した非公式キャラクター「テレビ父さん」の方がよく知られている。
[編集] 札幌大通中継局
名称は「札幌大通超短波中継放送局」で、南西側に八木アンテナを2本横向きにして並んで設置している。
放送局名 | 周波数(MHz) | 空中線電力 | ERP | 放送対象地域 | 放送区域内世帯数 |
---|---|---|---|---|---|
NHK札幌FM | 81.6 | 10W | 19W | 石狩・空知(滝川市以南)・後志(黒松内町除く) | - |
エフエム北海道 (AIR-G') |
79.2 | 北海道 | |||
エフエム・ノースウェーブ (NORTHWAVE) |
77.2 |
- 放送エリアは札幌市の一部で、大方は札幌手稲山にある送信所でカバーしている。
[編集] 比較
[編集] さっぽろテレビ塔を舞台にした作品
- 『ゴジラvsキングギドラ』
- 『ゴジラvsスペースゴジラ』
- 『ガメラ2 レギオン襲来』
- 『最終兵器彼女』