六法
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六法(ろっぽう)とは、本来は、日本における主要な6つの法典のことをいった。転じて、本来の意味の「六法」に対応する6つの法分野を指すことが多い。また、全部又は一部の法分野に関する法令集を指すことも多い。
6つの法典という意味では、以下の6つの法典を指す。これが本来的な意味であるが、この意味で用いられることは少ない。
- 日本国憲法(旧大日本帝国憲法)
- 民法(明治29年法律第89号および明治31年法律第9号)
- 商法(明治32年法律第48号)
- 刑法(明治40年法律第45号)(旧刑法(明治13年太政官布告第36号))
- 民事訴訟法(平成8年法律第109号)(旧民事訴訟法(明治23年第29号))
- 刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)(旧々刑事訴訟法(明治23年法律第96号)、旧刑事訴訟法(大正11年法律第75号))
6つの法典に対応した法分野という意味では、以下の6つを指す。
- 憲法(内閣法なども含む)
- 民法(不動産登記法や借地借家法なども含む)
- 商法(会社法や手形・小切手法、金融商品取引法なども含む)
- 刑法(特別刑法も含む)
- 民事訴訟法(民事手続法)(民事調停法、仲裁法、民事執行法、民事保全法、倒産法なども含む)
- 刑事訴訟法(刑事手続法)
六法という言葉は、明治初期にフランス法を紹介する書籍の中で、ナポレオン五法典(民法典、商法典、刑法典、民事訴訟法典、治罪法典)と呼ばれる諸法典 (Codes napoléoniens) に憲法を加えた言葉として使われたことに由来するとされている。
ここから転じて、これらの6つの法典を中心として主要な法令を収録した書籍を「六法全書」又は単に「六法」と呼ぶようになる。
また、本来の意味から離れて、特定分野の範疇内において主要な法令を収録した書籍も「○○六法」という名称で呼ばれることがある(「金融六法」「福祉六法」など)。この場合には、主要な法令が6つであるとは限らず、6という数に特に意味があるわけではない。