全国商業高等学校協会
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全国商業高等学校協会(ぜんこくしょうぎょうこうとうがっこうきょうかい)は、東京都新宿区大京町に本部を置く財団法人で、全国の商業高等学校が加盟する協会である。「全商(ぜんしょう)」と略されることが多い。各種検定試験の主催も行っている。
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[編集] 沿革
- 1948年(昭和23年) 設立
- 2005年(平成17年) 改築のため、一時的に信濃町へ移転。
[編集] 現在の主催検定
現在、次の7種類の検定試験が実施されているが、いずれも文部科学省後援である。しかし、いずれの検定も他協会主催の検定の方が知名度が高く、資格としても格が上である。(例、簿記なら日商簿記(日本商工会議所)→全経簿記(全国経理教育協会)、の順であり基本的に他の検定も全経や日商、情報処理の場合は専修学校教育振興会(公的な性質も有している)や日本情報処理検定協会などの方が検定数も多彩で格上である。
- 珠算・電卓実務検定
- 簿記実務検定
- 情報処理検定
- ワープロ実務検定
- パソコン入力スピード認定試験
- 商業経済検定
- 英語検定
[編集] 珠算・電卓実務検定
そろばん・電卓のいずれかを使用して実務計算処理能力を判定する検定試験であり、1級~6級の6段階に階級分けされている。このうち、1級~3級は、普通計算部門とビジネス計算部門に分かれており、両方を合格しなければ、その階級に認定されない。また、4級~6級は、普通計算部門のみの450点満点の統一問題で実施され、4級は350点以上、5級は300点以上、6級は250点以上の得点を獲得すると、それぞれの級に合格したと認められる。
- 普通計算部門(1級~6級)
- 乗算、除算、見取算、伝票算の問題が出題され、級が上がるほど桁数は大きくなる。なお、4級~6級の試験では、伝票算は出題されない。
- ビジネス計算部門(1級~3級)
- 減価償却率や利息計算など簿記などで使うような問題が出題される。
[編集] 簿記実務検定
簿記に関する検定試験であり、1級~3級の3段階に階級分けされている。このうち、1級は、会計と原価計算の2科目に分かれており、それぞれ独立した試験であるが、両科目に合格しなければ1級合格とは認められない。
- 会計部門(1級)
- 原価計算部門(1級)
- 会計と合わせて「全国商業高等学校協会主催 簿記検定1級」となる。
- 工業簿記に関する仕訳の問題や、原価計算など特殊な計算が含まれる問題が出題される。
- 商業簿記部門(2級・3級)
- 最も基本的な簿記原理と商品売買を主としている企業で使われる簿記の問題が出題される。
[編集] 情報処理検定
コンピュータの基本原理に関する基礎レベルの検定試験であり、1級~3級の3段階に階級分けされている。このうち、1級・2級は、プログラミング部門とビジネス情報部門に分かれており、それぞれ独立した試験となっている。そのため、両部門の1級に合格すれば、2冠として認められる。また、3級は筆記試験のみで実施される。この検定は、経済産業省の情報処理技術者試験への登竜門とも言われる。
- プログラミング部門(COBOL・VisualBasic)
- 流れ図の問題やプログラム言語の穴埋め問題が出題される。
- ビジネス情報部門(旧:コンピュータ利用技術検定内容)
- 表計算ソフト「Microsoft Excel」を使用してビジネス文書を作成する問題が出題される。
[編集] ワープロ実務検定
文書処理の能力を判定する検定試験であり、1級~4級の4段階に階級分けされている。この検定は、実技試験と筆記試験により行われるが、4級の筆記試験は行われない。
- 実技試験
- 制限時間内に与えられた原稿通りに文を入力する「速度問題」と、ビジネス文書を作成する「文書問題」により構成されている。このうち、速度問題は級に関わらず解答時間は10分であるが、文書問題は1級が20分、2級以下は15分となっている。速度問題の合格基準は、1級700文字、2級450文字、3級300文字、4級200文字であり、文書問題の合格基準は、1エラーごとに2点減点の減点方式で、80点以上である。
- 筆記試験
- 難読漢字・常用漢字・文書校正などの問題が出される。級に関わらず解答時間は15分で、80点以上が合格である。
[編集] パソコン入力スピード認定試験
- この検定は、2006(平成18)年度に新設された、文章の速度に関する認定試験であり、2007(平成19)年2月10日に第1回試験が実施された。
- ほかの検定と異なり、入力された文字数により、5段から4級までの9段階の階級に認定される。
- 日本語部門と英語部門より成り、日本語部門の級位認定者は、ワープロ実務検定の同級位の速度問題が免除される。
[編集] 商業経済検定
ビジネス・流通・経済等に関する検定試験であり、次の5科目により実施されている。この検定は、ほかの検定と異なり、変則的な級制度を実施しており、ビジネス基礎に合格すると3級、その他の4科目のうち、1科目に合格すると2級、2科目に合格すると1級に、それぞれ合格したものと認められる。
- ビジネス基礎部門(3級)
- 企業の行う経済活動をビジネスとして捉え、経済活動の基礎を学ぶ「ビジネス基礎」の教科から出題される。
- マーケティング部門(1級・2級)
- 顧客が満足する商品やサービスを提供するための活動について学ぶ「マーケティング」の教科から出題される。
- 商品と流通部門(1級・2級)
- 国際ビジネス部門(1級・2級)
- 経済活動と法部門(1級・2級)
- 経済活動や日常生活で必要とされる基本的な法律について学ぶ「経済活動と法」の教科から出題される。
なお、上記科目のうち、ビジネス基礎とマーケティングの2科目に合格すれば、販売士検定3級科目:マーケティングが免除される。さらに、その他の1科目を加えた合計3科目に合格すれば、販売士検定3級科目:販売・経営管理も免除される。
[編集] 英語検定
- 英語に関する検定試験であり、1級~4級の4段階に階級分けされている。
- 受験者は、商業高校生に限らず、中学生や専門学校生、社会人なども多くいる。
- 難易度は、日本英語検定協会の実施する、英検よりも低い、1級は商業英語などの問題も出題される。
- 1級:英検2級・高校卒業程度 2級:英検準2級・高校中等程度 3級:英検3級・高校初等及び中学卒業程度 など
- なお、2級以上取得することにより高等学校卒業程度認定試験の試験科目英語が科目免除となる。
[編集] 過去の主催検定
[編集] 珠算実務検定
- そろばんを使用した計算処理能力を判定する検定試験で、2003年6月(第106回)をもって終了し、第107回以降は「珠算・電卓実務検定」として、電卓実務検定と統合され、実施されている。
- 1級~6級の6段階で、乗算、除算、見取算、応用計算(1級~3級)の種目により実施されていた。
[編集] 電卓実務検定
- 電卓を使用した計算処理能力を判定する検定試験で、2002年12月(第8回)をもって終了し、第9回以降は「珠算・電卓実務検定」として、珠算実務検定と統合され、実施されている。
- 1級~3級の3段階で、見取算、伝票算、応用計算(1級~3級)の種目により実施されていた。
[編集] 情報処理検定(旧)
- プログラミングを中心とした情報処理能力を判定する検定試験で、2003年1月(第28回)検定をもって終了し、第29回以降は「情報処理検定(プログラミング部門)」として、コンピュータ利用技術検定と統合され、実施されている。
- 1級~3級の3段階で、BASIC、COBOLなどの種目により実施されていた。
[編集] コンピュータ利用技術検定
- 表計算ソフト(Excel、Lotus)を用いた情報処理能力を判定する検定試験で、2002年9月(第9回)検定をもって終了し、第10回以降は「情報処理検定(ビジネス情報部門)」として、情報処理検定(旧)と統合され、実施されている。
- 1級~3級の3段階で、実技試験と筆記試験により実施されていた。
[編集] 英文ワープロ実務検定
- 英文タイプライタを使用した文書作成能力を判定する検定試験で、1998年11月(第43回)検定をもって終了した。
- 1級~4級の4段階で、実技試験と筆記試験により実施されていた。
- 2006年度より、パソコン入力スピード認定試験(英語部門)として、新たに実施されている。
[編集] 受験手続
- 試験会場校(以下、試験校と略す)によっては、以下の手順で受験手続きが開始される
①試験の2ヶ月前に、受験者は受験願書を自作の上、受験料に相当する定額小為替も同封し、試験校へ発送
②仮受験願書と定額小為替が、試験校へ到着後、速やかに仮受験手続きが行われる
③仮受験手続きが完了後、正規の受験願書が受験者の手元に到着
④受験者は、締切日に間に合うように正規の受験願書を試験校へ発送
⑤試験の1週間前になったら、受験者名及び生年月日並びに受験級・受験部門が記されている受験票が、受験者の手元に到着(受験票は、試験担当が代書)
- 試験校によっては、③④がない場合もある。この場合は、受験願書及び受験票は、試験担当が代書となる。
[編集] 合格発表
- 2008年3月31日までに実施した検定試験までは、試験会場が独自に発表日を決めていたが、2008年4月1日以降に実施する検定試験から、合格発表は1週間以内に統一された。
[編集] 合格証書
- 2008年3月31日までに実施した検定試験までは、協会から送付された合格証書を会員校(試験会場)が受験者名と生年月日及び証書番号を印刷していたが、2008年4月1日以降に実施する検定試験から協会で合格証書の受験者名・生年月日及び証書番号を印刷する形に統一された。
[編集] 表彰
全商には商業高校で「珠算・電卓(そろばん)」「珠算・電卓(電卓)」「簿記」「ワープロ」「英語」「商業経済」「情報処理(プログラミング)」「情報処理(ビジネス情報)」の8種目中のいずれかにおいて1級を1つ合格するごとに「1冠」と言う。
上記のどれかの1級を3つ以上(3冠以上)になると全商から表彰される。 最高は8冠であり、8冠をとれば学校などから表彰されることもある。 8冠をとる人が出る学校はごく限られており、各都道府県内で数人または十数人である。
[編集] 理事長
- 鈴木敏夫(東京都立第一商業高等学校長)(2007年4月現在)