休眠会社
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休眠会社(きゅうみんがいしゃ)とは、一般的には「長期間企業活動をしていない会社」のことを言うが、会社法(平成17年7月26日法律第86号)472条1項の規定では「株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から12年を経過したもの」をいう。
- 会社法は、以下で条数のみ記載する。
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[編集] 概要
休眠会社をそのままにしておくと、他者が新規に会社設立する際、商号を決める時の障害となること(一定地域内や同業種で同一商号は付けられない)や、企業犯罪の温床となりかねないことから、一定期間企業活動が認められない(登記内容に変更がない)企業について法務大臣が解散したとみなすことができる。なお、解散とみなされた後、3年以内に株主総会の決議により、その会社を継続することができる(473条)。
また、休眠会社の売買などを行うブローカーも存在し、見かけ上の創業年数を長く見せる場合や旧会社が保有している事業許可(不動産免許、建設業免許など)の取得を目的とする場合があるが、過去の事業の経歴などによっては金融機関との取引が困難(ブラックリスト入り)になる可能性があることなど、資本金1円での設立も可能となった会社法施行後の現在ではリスクが大きい。
[編集] 会社法条文
- 472条 休眠会社(株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から十二年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠会社に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその本店の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。ただし、当該期間内に当該休眠会社に関する登記がされたときは、この限りでない。
- 2 登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠会社に対し、その旨の通知を発しなければならない。
- 473条 株式会社は、471条第1号から第3号までに掲げる事由によって解散した場合(前条第1項の規定により解散したものとみなされた場合を含む。)には、次章の規定による清算が結了するまで(同項の規定により解散したものとみなされた場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、株主総会の決議によって、株式会社を継続することができる。
[編集] 参考
- 第824条 裁判所は、次に掲げる場合において、公益を確保するため会社の存立を許すことができないと認めるときは、法務大臣又は株主、社員、債権者その他の利害関係人の申立てにより、会社の解散を命ずることができる。
- 一 会社の設立が不法な目的に基づいてされたとき。
- 二 会社が正当な理由がないのにその成立の日から一年以内にその事業を開始せず、又は引き続き一年以上その事業を休止したとき。
- 三 業務執行取締役、執行役又は業務を執行する社員が、法令若しくは定款で定める会社の権限を逸脱し若しくは濫用する行為又は刑罰法令に触れる行為をした場合において、法務大臣から書面による警告を受けたにもかかわらず、なお継続的に又は反覆して当該行為をしたとき。
- 2 株主、社員、債権者その他の利害関係人が前項の申立てをしたときは、裁判所は、会社の申立てにより、同項の申立てをした者に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる。
- 3 会社は、前項の規定による申立てをするには、第1項の申立てが悪意によるものであることを疎明しなければならない。
- 4 民事訴訟法(平成8年法律第109号)第75条第5項及び第7項並びに第76条から第80条までの規定は、第2項の規定により第1項の申立てについて立てるべき担保について準用する。