伊豆能売
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伊豆能売(いづのめ)は、日本神話に登場する神である。古事記にのみ登場し、日本書紀には登場しない。神話中では「伊豆能売」とだけ書かれていて、「神」「命」などの神号はつけられていない。神道系新宗教では伊都能売神と表記することもある。
神産みにおいてイザナギが黄泉から帰って来た際、黄泉の穢れから禍津日神が生まれた。その禍津日神がもたらす禍(災厄)を直すために、直毘神二柱(神直毘神、大直毘神)と伊豆能売が生まれたとしている。
神名の「イヅ」は「厳」で、斎み清めることを意味する。神名に「メ」とついていることから女神とされることもあるが、神話には性別を決定するような記述はなく、男神と考えられることもある。
日本書紀には全く登場せず、古事記でも出自や事跡についての記述が一切ない。延喜式神名帳には伊豆能売を祀ったと思われる出雲国出雲郡の「神魂伊豆之賣神社」が記載されており、同社は伊努神社に合祀されたとされているが、同社の祭神に伊豆能売の名はない。延喜式神名帳以外にこの神社について記載した史料はなく、伊豆能売を祀る神社は現存しないことになる。
幕末以降の神道系新宗教の中には、伊豆能売が古代には信仰されていたが後に信仰されなくなった「埋没神」であるとして、新たに信仰の対象にしようとするものもある。大本の出口王仁三郎は1918年ごろ『伊都能売神論』を発表した(ただし、その後王仁三郎は伊豆能売を取り上げることはなかった)。王仁三郎の弟子で、世界救世教を興こした岡田茂吉は、伊都能売神(伊都能賣神皇)は古代日本の最高神であったが、朝鮮から日本に渡来したスサノオなどの好戦的な神を嫌い、中国を経由してインドへ渡って観世音菩薩となり、釈迦に仏教を伝授したのだという「逆本地垂迹(神本仏迹)」とも言える説を示した。また、伊都能売大神は金龍となって琵琶湖に潜んでいるとも述べている。
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