伊勢山皇大神宮
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伊勢山皇大神宮 | |
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所在地 | 神奈川県横浜市西区宮崎町64 |
主祭神 | 天照皇大神 |
社格等 | 県社・別表神社 |
創建 | 明治3年(1870年) |
本殿の様式 | 唯一神明造 |
例祭 | 5月15日 |
伊勢山皇大神宮(いせやまこうだいじんぐう)は、横浜市西区にある神社である。天照皇大神を祭神とする。旧社格は県社。横浜の総鎮守とされ、「関東のお伊勢さん」として知られている。
[編集] 歴史
1870年、一寒村であった横浜が開港場となり、貿易の街として急速に発展した。神奈川県は、キリスト教を始めとする外来文化に接する横浜の精神的支柱とするために神社信仰の確立が必要と考えた。そのため、元々戸部村海岸伊勢の森の山上にあった当社を明治3年4月に現在地の野毛山に遷座し、同年11月、太政官と神祇官に建白書を提出した。建白書は、当社を伊勢神宮の遥拝所とし、県内の総社たる規模に整備することを願い出るものであり、翌月許可された。その後、開港場である長崎・神戸にも同様の神宮遥拝所が作られることとなった。
1991年、神宮裏参道隣接地に婚礼施設を兼ねた高級ホテル「横浜開洋亭」(現在のオリエントホテル横浜開洋亭)を建設、その際ホテルの建設費用と建設用地購入費用等として、境内の一部を担保として約87億円(富士銀行(当時)43億円、北陸銀行17億5000万円、三菱信託銀行(当時)15億円、三菱銀行(当時)14億円など)を借り入れた。ホテルは神宮を運営する宗教法人伊勢山皇大神宮とは別法人で当時の宮司の親族が経営する株式会社開洋亭が運営しており、宮司とその親族らが同社の大半の株式を所有していた。ホテルはその運営会社に賃貸し、家賃収入を金融機関からの借入金の返済に充てる計画であったが、バブル崩壊後の景気低迷に加え、横浜みなとみらい21地区など近接地との集客競争が激化、また神前結婚式の減少もあり経営は低迷、運営会社から予定していた賃貸収入を得られず借入返済が事実上履行出来ず、2001年3月抵当権が設定されていた境内地の一部が金融機関より差し押さえを受けた。2002年になり事態を重く見た神奈川県神社庁は銀行側との協議の上、同庁がホテル敷地部分を除く境内地を取得、神宮の運営を直轄することで競売を回避した。これにより、同宗教法人は実質不動産管理会社となったが、保有するホテル部分の資産価値が大幅に低下、多額の債務が経営を圧迫し、横浜地方裁判所に自己破産を申請、2003年4月7日に破産宣告を受けた。負債は債権者2社に対し85億6500万円。神社本庁に属する神社で初めての破産となった。ホテルは2006年11月27日破産宣告を受け、営業を中止した。
[編集] 外部リンク
- 伊勢山皇大神宮(公式サイト)