久多
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久多(くた)は京都府京都市左京区の最北端に位置する地名である。 川合町(かわいちょう)・下の町(しものちょう)・宮の町(みやのちょう)・中の町(なかのちょう)・上の町(かみのちょう)の五つの集落から成る。茅葺屋根の民家が残る地域であるが、近年過疎化が進んでいる。
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[編集] 概要
経度緯度はおよそ北緯35度15分,東経135度49分。 郵便番号は京都府道110号久多広河原線が冬季閉鎖されて花脊峠方面から久多に進入できないという制約のため滋賀県大津市の堅田郵便局が集配を行っている。そのため久多の各町は滋賀県で使われる郵便番号の上2桁「52」を付して次の通りになっている。 520-0461(川合町)・520-0462(下の町)・520-0463(宮の町)・520-0464(中の町)・520-0465(上の町)。
市外局番は京都市と同様「075」、市内局番は「748」局になっている(自動化された1977年までは「0759998」という7桁市外局番で市内局番はなかった)。
一般的な携帯電話は各社とも全域にわたり圏外であるため、移動体通信を行いたい場合はインマルサットやワイドスターの衛星電話を使うか、アマチュア無線を使う必要がある。 ISDNは使用可能だが、ADSLや光ファイバ通信網といった今日的な通信サービスは一切提供されておらず、携帯電話網も含めて今後整備される見通しは立っていない。
[編集] 自然
標高800~900メートルの山間部に位置するため、夏は冷涼な気候であるのに対して冬は寒さが厳しく豪雪でもある。
- 久多川:安曇川水系。上流の滝谷には「一の瀧」「馬尾の瀧」と呼ばれる滝がある。
- 三国岳:近江、山城、丹波の境の山。標高959メートル。
- 経ヶ岳:標高889メートル。
- 鎌倉山:標高950.5メートル。
- 八丁平:近畿地方では珍しい高層湿原。
- 久多の大杉:大川神社に立つ、樹高約40メートル、幹周約6.6メートルの大木。1987年年5月1日、京都市の天然記念物として指定・登録。
[編集] 歴史
- 平安時代以前から木材の供給地として開かれていた。一説によると平家の落人が逃れてきたとも言われている。
- 江戸時代には近江朽木藩所領となる。
- 明治には京都府の管轄となる。旧愛宕郡久多村。
- 1949年4月1日に京都市左京区に編入される。
[編集] 産業
従来は杉を中心とする天然木の供給や炭の生産によって生計を立てていたが、高度経済成長期に外材輸入量が増加したことにより、林業中心の産業形態は変容を迫られた。農作物として甘藷の栽培や山菜加工が開始される一方、キャンプ場などのアウトドア施設が作られた。
[編集] 交通
[編集] 道路
[編集] 市内からのアクセス
- バス
- 京都バス32番花背線の能見口下車、徒歩約3時間(約11キロメートル)。
- 京都バス10番比良線の葛川梅ノ木下車、徒歩約2時間(約7キロメートル)。
- 車
- 大原経由では、堀川北山から国道367号線を通り、約1時間程度。一部滋賀県を経由する。
- 鞍馬経由では、堀川北山から国道477号線を通り、約1時間半程度。冬期は積雪状況によって広河原能見町から久多宮の町の間は通行止めとなる場合がある。
[編集] 伝統行事
久多には花笠踊をはじめとする様々な伝統行事が残っており、国や京都市に文化財として指定・登録されているものも多い。
[編集] 花笠踊
花笠踊(はながさおどり)は志古淵神社への豊作祈願・五穀豊穣の成就に感謝して踊られる祭りである。室町時代に京で流行した風流踊の流れを汲み、地域的特色の見られる重要なものとして、1972年8月5日に国の選択無形民族文化財に、1997年(平成9年)12月15日には国の重要無形民族文化財に指定された。
- 毎年8月24日に行われていたが、近年は24日の直近の日曜に行われる。
- 花笠踊の特徴は美しい造花を飾った花笠と呼ばれる風流灯籠を用いることである。花笠は久多の男衆によって毎年新しく作られ、造花の種類は、ダリア、牡丹、菊、バラ、朝顔、あやめなど約50種類ほどあり、材料は主に和紙を用いる。
[編集] 松上げ
宮の町の松上げは愛宕山への献火行事で、久多では「チャチャンコ」と呼ばれる。毎年8月23日の夜に行われる。松で作られた「柱松」と呼ばれる高さ約10メートルの塔状のものが設置され、その頂上に付けられた逆円錐形の傘めがけ手松明を投げ上げる祭である。1984年6月1日、京都市の無形民族文化財として指定・登録。
[編集] 山の神・お弓
毎年1月3日に志古淵神社で行われる山の神信仰の祭事。「エビ」と呼ばれる特殊な履物を履いた神社の氏子が弓を引く。1998年4月1日に京都市の無形民俗文化財として指定・登録。
[編集] 川地蔵
地蔵盆の行事。毎年8月14日の夕方,久多川に川原の小石と砂で地蔵を六体つくり霊を迎える。翌15日朝に米・ナス・ダンゴ・シキビ・盆花・菓子・線香を供え,鉦を鳴らして十三仏念仏を唱えお参りする。
[編集] 施設・建造物
- 久多自然活用村大黒谷キャンプ場
- いこいの里久多キャンプ場
- 久多の里オートキャンプ場
- 久多いきいきセンター
- 自然環境活用センター
- 久多簡易郵便局(写真)
- 左京区役所久多出張所
- ミラージュ久多(別荘地)
- 自性寺
- 志古淵神社
- 久多の産土(うぶすな)神であり安曇川沿い一円の地主神を祀る神社。延暦12年(793年)建立。文安2年(1445年)修築、寛文12年(1672年)に再建。1984年6月1日、京都市指定有形文化財に指定。
- 京都府立大学久多演習林