下寺町 (大阪市)

下寺町（したでらまち）は、大阪市天王寺区北東部の地名。松屋町筋に面し、南北に細長い地域である。ここでは松屋町筋を挟んで西側の浪速区下寺（しもでら）の地域についても記述する。

[編集] 歴史・概要

松屋町筋・学園坂交差点から南方向を撮影。左側が下寺町。

松屋町筋と千日前通が交わる「下寺町交差点」付近を北限に、松屋町筋の東側に面する東西100m未満、南北約1.3kmの地域で、北から1丁目、2丁目となる。学園坂交差点が1丁目と2丁目の境界となる。

松屋町筋を挟んで西側は浪速区となり、阪神高速道路に挟まれた細長い地域が「下寺」地域である。浪速区側の住居表示は、浪速区下寺1丁目-3丁目となる。

江戸時代初期、大坂の陣の後、大坂城代松平忠明が大坂城下の整理再編を行った際、城下にあった仏教寺院を郊外に移転させた。そのときにこの地に多数の寺院が集まり、寺町が形成された。再開発の邪魔になる寺院を城下から引き離し、檀家との結びつきを弱めるねらいもあったといわれている。

江戸時代においては大坂城下の庶民が郊外散策に出かける場所として大いに賑わったとされる。しかし明治時代になると、廃仏毀釈により多数の仏教寺院が廃寺となったり移転したりして数を減らし、さらに市街地の拡大に伴い周辺は住宅地や商業地となり、かつての賑わいは過去のものとなった。

現在においても大阪市内でも有数の仏教寺院集積地域となっており、とくに下寺町1丁目はほとんどが寺院となっている。

下寺町は上町台地の西端に位置し、西の平坦地から傾斜地となる部分となっている。地域一帯には坂道が多く、「天王寺七坂」と呼ばれる坂のうち、「源聖寺坂」「口縄坂」「愛染坂」が地域内に存在する。

下寺町2丁目南側は松屋町筋の東西にオートバイの販売店が多数並ぶ地域となっており、「バイク通り」とも呼ばれている。

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