三菱・レグナム
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レグナムは、三菱自動車工業が1996年8月から2002年8月まで製造・販売していたステーションワゴンである。
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[編集] 概要
1996年にフルモデルチェンジしたギャランのステーションワゴン版。ルーフレール装着車はギャランより30mm車高を高め、またリヤオーバーハングも延長され余裕の有効ラゲージスペースを確保している。
海外ではギャラン・エステートとして輸出されたが、日本国内ではカープラザでも並売する関係上、あえて「ギャラン」の名称を使わなかった。
4輪マルチリンク式サスペンションを採用し、優れた直進安定性、旋回性能を発揮した。しかし、リヤにも横剛性に優れるハイマウント式アッパーアームを採用したダブルウィッシュボーン変形式のサスペンション形式を採用した為レゲッジスペース内に大きな張り出しがありステーションワゴンとしては満足のいくものではなかった。
最上位モデルのVR-4では、AYC(アクティブ・ヨー・コントロール・システム)VR-4 TYPE-Sには、AYCの他にASC(アクティブ・スタビリティー・コントロールシステム)&TCL(トラクション・コントロール)を標準装備し、2500CCツインターボエンジンの高性能さと相まってスポーティーワゴンとして人気を博した。
- 1996-97年日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。
前期モデル末期には、スノーバードという、特別仕様車が設定されていた。 かつて日産・ブルーバードが、スノーバードという名前にされるはずが、英語のスラング(俗語)で、麻薬中毒者を示すということで、ブルーバードに変更された経緯があるのだが、三菱関係者はそのことを知らなかったらしい。
[編集] 歴史
- 1996年9月 - ギャランのフルモデルチェンジと同時に登場。エンジンは直4・1.8LGDI.V6・2.0L.2.5L.2.5Lターボの4種類。
- 1997年9月 - V6・2.0Lが廃止。スポーティ仕様の1.8Lヴィエント追加。
- 1998年9月 - マイナーチェンジ。前後のデザインをリニューアルと同時にV6エンジン搭載車はターボ車のみへ。
- 2000年5月 - GDIエンジン搭載車はエンジンの変更で2.0Lへ。
- 2002年8月 - 後発となった同社のランサーセディアワゴン(→ランサーワゴン)が販売好調だったのと対照的にレグナムは販売不振のため製造打ち切り。なお、ベースとなったギャランは2005年12月まで製造。
[編集] エンジン
搭載エンジンは直列4気筒1800ccの4G93(GDI)、V型6気筒2000ccの6A12、V型6気筒2500ccの6A13と幅広い。後に前述の3種にかわって直列4気筒2000ccの4G94(GDI)と直列4気筒2400ccの4G64(GDI)となった。そのほか6A13型エンジンをツインカムヘッド&ツインターボチャージャー化(後期型ATで280ps)した高性能型エンジンをフラッグシップモデルのVR-4に搭載する。 レグナムの4G93型エンジンは世界初のGDIとして華々しくデビュー。テクノロジーオフザイヤーを受賞している。
GDIは燃料消費-35%、パワー+10%、CO2排出量-35%を実現する革新的なエンジンとして大々的にデビュー。
[編集] 車名の由来
- ラテン語で王権・王位を意味するLEGNUM。
[編集] CM
[編集] CMソング
- ティモシー・B・シュミット - 「So Much in Love」
- 小田木 望-「Horizonte」
- レオン・ラッセル - 「A Song of You」
[編集] その他
逆ストラントノーズが特徴のフロントマスク形状から、しばしば『ガンダムルック』などと呼ばれる(これはベースとなったギャラン/アスパイアも同様)。VR-4の爆発的な加速性能やこのルックスから一部マニアには絶大な支持を得ているが、1998年8月以降の後期型では全てのグレードがハイオク指定エンジンである点や、フロントガラスが極端に寝ているデザインなどもあって3ナンバー車にもかかわらず室内空間に余裕がない、などの理由から中古車市場での相場はスバル・レガシィなどよりも低めに設定されている。