三菱・プラウディア
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三菱・プラウディア(MITSUBISHI PROUDIA)は、三菱自動車が製造・販売していた自動車である。なお、本車種の姉妹車であり、現代自動車(ヒュンダイ)が生産しているエクウス(EQUUS)・センテニアル(CENTENNIAL)についても本項で記す。
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[編集] 三菱・プラウディア
[編集] 車種概要
S20系デボネアの後継車種として韓国の自動車メーカーであるヒュンダイと共同開発(プラットフォームなどはS20系デボネアの物がベースになっていると言われる)し、1999年12月発表、翌2000年2月から発売され三菱自動車の高級車を目指した。
エクウスとはエンジンなど一部を除き共通設計で、共通部品は韓国から輸入し日本で組み立てる形をとった。GDIを搭載したV8DOHC 4500ccエンジンとV6DOHC3500ccエンジンを横置き搭載したFF車で、最高出力は4500ccエンジンが280馬力、3500ccエンジンが240馬力を発生した。
2001年の大江工場閉鎖に際し、ヒュンダイからエクウスのOEMも検討されたが、本車の発売から間もない時期に発覚したリコール隠し問題により三菱自動車の経営状態が急激に悪化したため、結局は生産中止とされた。総生産台数は1228台にとどまり、セールスの面でも完敗であった。デボネアの歴代モデルと同様、三菱グループの重役専用車と言うイメージを払拭する事も出来なかった。
なお、姉妹車としてリムジン仕様のディグニティがあり、秋篠宮家の公用車として知られる。
[編集] 車名の由来
誇りを意味する「PROUD」と、三菱の菱を意味する「DIA」を合わせた造語。
[編集] ヒュンダイ・エクウス/センテニアル
共同開発に参加していたヒュンダイでは、韓国国内ではエクウスの名称で、他国(サウジアラビアなど)への輸出用モデルはセンテニアルの名称で販売されている。マイナーチェンジも行われて現在も生産継続中である。
なお、プラットフォームは子会社の起亜自動車の高級車オピラスにも流用されている。
[編集] 三菱・プラウディアとの相違点
- 3000ccエンジンの設定がある(2006年のマイナーチェンジで3300ccエンジンに変更され、3500ccエンジンも輸出用を除いて3800ccエンジンに変更されている)
- グリル
- ハンドル(左ハンドル)
- ボンネットマスコット
[編集] 車名の由来
- エクウス
- エクウス(Equus)とは「馬」の学名である一方で、「エクセレント(Excellent)」・「クオリティー(Quality)」・「ユニーク(Unique)」・「ユニバーサル(Universal)」・「シュプリーム(Supreme)」・「オートモーティブ(Automotive)」の6単語から作られた名称であるとする説もあり。
- センテニアル
- センテニアル(Centennial)とは、ラテン語で「100年期(世紀)」の意(名詞)。英語では綴りは同じで、「100年(目)の/100年祭の」という意味の形容詞で使われている。
[編集] 日本国内での現状
- プラウディア/ディグニティ
- もともと生産台数が少なく(プラウディアは1228台、ディグニティに至ってはわずか59台と言われる)、生産中止から既に10年近くが経過している事もあり、街角で見かける機会は更に減っていると言える。また、都内では東京都個人タクシー協同組合(通称でんでん虫)の個人タクシーがごく少数走っており、広島市、京都市でも1台が個人タクシーとして使用されているという。
- エクウス/センテニアル
- 日本での正規輸入は行われていないが、韓国在日公館用あるいは韓国企業役員用などとして、少数のエクウスが韓国から日本国内に持ち込まれている。
[編集] プラウディアが登場した作品
- 木曜劇場『白い巨塔』(2003年フジテレビ) - 唐沢寿明演じる財前五郎教授のショーファードリブンカーとして登場したのが本車である。製作時点ですでに生産は中止されていたが、同番組が三菱自動車もスポンサーだった関係で使われた。
- 木曜劇場『恋におちたら〜僕の成功の秘密〜』(2005年フジテレビ) - 前述の『白い巨塔』同様、三菱自動車がスポンサーだった関係で本車が頻繁に登場した。