ヴィレッジヴァンガード (書籍・雑貨店)
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種類 | 株式会社 | |||
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市場情報 |
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本社所在地 | 〒480-1131 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字上鴨田12番地1 |
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電話番号 | 0561-63-3031 | |||
設立 | 1998年5月 | |||
業種 | 小売業 | |||
事業内容 | 雑貨、書籍、CD等の販売 | |||
代表者 | 代表取締役社長 菊地敬一 | |||
資本金 | 17億7,484万円(2006年5月31日現在) | |||
売上高 | 182億3,110万8,000円(2006年5月期) | |||
総資産 | 135億5,403万4,000円(2006年5月31日現在) | |||
従業員数 | 正社員137名 臨時雇用者1,016名(2006年5月31日現在) |
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決算期 | 5月 | |||
主要株主 | 菊地敬一24.73% 菊地眞紀子5.89%(2006年5月31日現在) |
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外部リンク | www.village-v.co.jp | |||
株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーションは、複合型書店ヴィレッジヴァンガード(Village Vanguard)を運営・フランチャイズ展開する会社。
目次 |
[編集] ヴィレッジヴァンガード
[編集] 概要
1号店は1986年11月に創業者の菊地が「自分が客だったら」という発想で愛知県名古屋市天白区で開店。 2006年には直営店舗172店、FC店舗34店を有する企業に成長する。「POSなし、値引き販売なしで成長を続ける企業」として注目を浴びる。本だけでなく、輸入菓子、ポスター、雑貨、玩具、CDなど、生活用品から不思議なグッズまで幅広い品揃えで、さながら「サブカルの殿堂」といったたたずまいを呈している。また、書店であるため図書券で雑貨や菓子も買える[1]。商品は雑貨等が7割を占め[2]、新刊本、実用書はほとんど置いていない。
各店内の陳列は、店長・店員自ら組み合わせを考え、至る所に自作のユーモラスなキャッチコピーPOPが添えられている。買い物客は思わぬ発見がある。「遊べる本屋」を自称している。 売り場は雑誌、ディスプレイやポップは編集、店長は編集長であるという。店作りのマニュアルはなく、店長に一任される[3]。下北沢、吉祥寺といったサブカルチャーの雰囲気が漂う街の店舗は基幹店であり、下北沢店は岡本太郎著『自分の中に毒を持て』(青春出版社)の販売部数で日本一になったことがあるという[4]。一方、2004年8月には六本木ヒルズからは撤退。衝動買いを誘う手法が来店者層と一致しなかったためという。
ちなみに、近年開業した店舗の看板ロゴは「VILLAGE/VANGUARD」という表記となっているが、古くから存在する店舗の多くでは、ロゴマークが、英語「ヴィレッジヴァンガード」の読み方を示す発音記号表記となっている。
店舗のBGMチョイスは店員に任されており、オールディーズから最新J-POPまで幅広いが、昨年あたりからSOTTE BOSSEやSomaの曲を採用している店舗が増えているようである(一部地域で確認)。
[編集] 雇用
実際の店頭から育ったアルバイト店員が社員・店長へと昇格していくという、徒弟制度に近い社員育成方法を採る。 そのため、社員登用に新卒募集は一切行われず、社員希望の者は一律アルバイトからスタートし、経験を積むことで契約社員、社員へと昇格していく。 アルバイトから社員への昇格は平均3年以上かかるといわれ、その間に挫折するものも多い。 これは、アルバイト時代の賃金が非常に低く(概ね、その地域の最低賃金)、生活に困窮する者が多い事や、もともと独立の意思のあった者が、十分に独立できる経験を積めたから等の理由が多い。 賃金は安いものの、アルバイトの時点からかなり自由に店舗を編集できる事や、十分に経験を積めば学歴や年齢はほぼ不問で正社員採用される為、人気は高い。
[編集] 特徴的な仕入れ法
200以上の店舗を有する企業には珍しく、商品の仕入れには本部指示による仕入れは行われずに、個店独立による仕入れを行っている。 各店では、個店ごとの店長もしくは部門責任者が各々の裁量によって卸業者と交渉し、取り扱い商品を決め仕入れを行う。 雑貨や書籍の仕入れを、一介のアルバイトが切り盛りしている店舗も多い。 この際、POSを用いないために商品の仕入れには経験や勘が重視される。 この勘を売り場で磨く事で実力を認められ、昇格していく。 近年は来店客数を把握する装置、イントラネット等は導入している。
各店の裁量が大きく、どの店舗も一律でない個性的な品揃えがある反面、大量仕入れ等による値引き販売は行われないため、平均的な実売価格とかけ離れた価格で販売されている商品もある。 (本部一括仕入れの商品もあるが、本部が卸の役割をしており、個店ごとに本部へ再注文する形を取るので置く・置かない、は店舗の自由であり、販売価格も変わらない。) また、十分な確認がなされないまま商品が仕入れられる事があり、粗悪品や不良品が多いとも言われ、 POPの内容に誇張が過ぎたり、実際の機能と異なる文が書かれたりもする。
[編集] 新業態
[編集] ヴィレッジヴァンガードダイナー
2003年2月に飲食店事業に参入。東京都杉並区の阿佐ケ谷駅前にハンバーガーショップ「ヴィレッジヴァンガードダイナー」1号店をオープン。2008年2月現在、阿佐ヶ谷のほかに、吉祥寺、下北沢、西荻窪、の計4店舗がある。 また、千葉パルコには、ホームメイドハンバーガー&タコライス専門店のホームクッキンヴィレッジヴァンガードをオープンさせている。
[編集] new style
アパレル、時計、雑貨等の店舗。
[編集] QK
2006年3月に子供向け絵本・玩具・DVDや母親向け育児書などを組み合わせたファミリー層向けの新業態の店舗「QK」をイオンナゴヤドーム前ショッピングセンターに開店。
[編集] 店舗数・経営実績等
ヴィレッジヴァンガードの店舗数は直営店舗172店、FC店舗34店(2006年5月31日現在)若年層から購買力の高い30代まで幅広く支持され、2006年10月まで68か月連続、前年実績を上回るという好成績を挙げている。
[編集] 関連書籍
- 永江朗著 『菊地君の本屋』 地方・小出版流通センター、2000年、ISBN 4900913022 (創業期のルポルタージュ)
- 菊地敬一著 『ヴィレッジ・ヴァンガードで休日を』新風舎、2005年、ISBN 4797499621(エッセイ集)
[編集] 脚注・出典
- ^ ただし、2006年12月現在は図書カードは使用できない
- ^ 出典:2006年11月8日朝刊 日本経済新聞
- ^ 出典:日経ベンチャー2003年6月1日号 『フツーの本屋ばかりじゃ面白くないでしょう!』
- ^ 出典:2006年2月8日付 日経流通新聞MJ