ワスレグサ
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?ワスレグサ | ||||||||||||||||||||||||
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ヤブカンゾウの花 |
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Hemerocallis fulva var. kwanso | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
ヤブカンゾウ, 藪萱草 | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Dailily |
ワスレグサ(カンゾウ、萱草)は、ユリ科ワスレグサ属の多年草。
下記の変異体があるが、いずれも花が一日限りで終わるため、忘れ草(わすれぐさ)という総称で呼ばれるようになった。中国では「金針」、「忘憂草」などとも呼ばれる。
目次 |
[編集] ヤブカンゾウ
- 和名 : ヤブカンゾウ(藪萱草)
- 学名 : Hemerocallis fulva var. kwanso
- 原産 : 中国
- 自生地 : 日本では本州以南の野原や薮などに群生する。
- 生態 : 3倍体のため結実せず、匍匐茎(ほふくけい、ランナー)を出して拡がる。
- 草丈 : 約80cm
- 葉 : 狭長
- 花 : 7〜8月に、茎頂にユリに似た八重咲きで橙赤色の花を開く。
- 根 : 黄色、末端は塊状である
- 別名 : ワスレグサ、カンゾウナ
[編集] ノカンゾウ
- 和名 : ノカンゾウ(野萱草)
- 学名 : Hemerocallis fulva var. longituba
- 分布 : 中国、朝鮮半島、日本、サハリン
- 自生地 : 日本では本州以南の原野などに群生する。
- 生態 : 多年草だが、冬季には地上部の葉が枯れる。
- 草丈 : 約80cm
- 葉 : 狭長
- 花 : 7〜8月に、茎頂にユリに似た橙赤色の花を開く。花弁は 6枚。
- 根 : 黄色、末端は塊状である
- 別名 : ベニカンゾウ
[編集] ハマカンゾウ
- 和名 : ハマカンゾウ(浜萱草)
- 学名 : Hemerocallis fulva var. littorea
- 原産 :
- 自生地 : 日本では、暖地の海岸などに群生する。
- 生態 : ノカンゾウに似るが、自生地がほぼ海岸に限られることと、冬季にも地上部の葉が残ることで判別できる。
- 草丈 :
- 葉 : 狭長
- 花 : 他より遅咲きで、夏から初秋にかけ、ノカンゾウに似た花を開く。橙赤色で花弁は 6枚。
- 根 :
[編集] 他の変異体
- ニシノハマカンゾウ Hemerocallis fulva var. auranntiaca
- 花はノカンゾウに似る。日本では九州以南の海岸などに自生する。
- アキノワスレグサ Hemerocallis fulva var. sempervirens
- 花はノカンゾウに似る。日本では九州南部および南西諸島に自生する。
- 別名 : クワンソウ(沖縄地方)
- ホンカンゾウ Hemerocallis fulva var. fulva
- 日本では自生していない。
- Hemerocallis fulva var. europaea
[編集] 人間とのかかわり
[編集] 食用
若葉は、おひたしにして、酢味噌で食べる。花の蕾は食用され、乾燥させて保存食(乾物)とする。中華料理では、主に「金針菜」(チンチェンツァイ jīnzhēncài)、「黄花菜」(ホワンホアツァイ huánghuācài)と称する花のつぼみの乾燥品を用い、水で戻して、スープの具にすることが多い。
根は生薬としても使われる。
[編集] 和歌
和歌では、夏の季語、および悲しいこと(忘れたいこと)があった心境を表す言葉として詠まれる。
- 万葉集 巻十二より
- 忘れ草垣も繁みに植えたれど
- 醜(しこ)の醜草(しこくさ)なお恋にけり