レオタード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
レオタード(Leotard)とは、フランスの人気曲芸師(男性)であったジュール・レオタール(Jules Léotard、1839年 - 1870年)が演技中、体にフィットした服を着たことに由来する衣装(コスチューム)である。 主に女性用であるが、バレエ用に男性用もあり、形状は女性用とほぼ同じワンピースタイプである。男性用で体操競技用のものはジムシャツともいう。
目次 |
[編集] 発祥
ヨーロッパ各国の王宮のスポーツ芸術であるサーカスにおいて、身体の躍動を余すところなく見せるための衣服がその発祥。その機能性は高く、アクロバット系競技やダンス、器械体操などのスポーツシーンには欠かせないものとなっている。現代ではスポーツメーカーの研究開発による最先端の繊維素材が使用され、極限までのシビアな動きが必要とされるスポーツ分野では、空力抵抗に特に優れたものや、筋肉の動きをサポートするものなど、特殊な機能を持たせたウェアが現在も開発され続け、スポーツ選手の運動記録の更新に一役買っている。
[編集] 用途
主にバレエやダンサー、パフォーマーの衣装や練習着、あるいは器械体操、新体操やエアロビクス、フィギュアスケートの競技衣装である。ただしフィギュアスケートの場合はスタイル的にはレオタードであるが単にコスチュームと呼ばれる事も多い。シンクロナイズドスイミングで用いられるユニフォームには、水着に新体操用レオタードに似た装飾を施したものも存在する。
見た目の美しさから、レースクイーンも初期のころはレオタードを多くユニフォームとして使用していた。近年はレオタードのみというシンプルなスタイルは滅多に見られなくなったが、レオタード素材を用いたユニフォームは多く見られる。
[編集] 装備、着用例
通常は、レオタードの下に専用のインナーを着用する。体操競技では、インナーをレオタードに縫い付けて競技中のインナーのずれを防ぐことや、最初から下着をつけないこともある。また、新体操の場合は素足にハーフシューズを履く。 バレエでは、レオタードに組み合わせるタイツやレッグウォーマーやダンスシューズなどのある程度お決まりのコーディネートがあり、流行による変化は比較的少ない。かつてよみうりランドで行われていた水中バレエ劇場ではドレスなどの衣装で巨大水槽に潜って演技していたが、レオタードを水着がわりにして演技することもしばしばあった。 エアロビクス一般の場合は流行でスタイルに大きな変化があり、1980年代〜1990年代ではワンピースのレオタードに光沢のあるダンシングタイツを組み合わせ、バレエのようなレッグウォーマーを併用することもあった。近年ではワンピースのレオタードを用いる事自体が珍しくなり、セパレートタイプ(ノースリーブのトップスとスパッツ等の組み合わせ)のウェアで行われる事が多いが、エアロビック競技ではこの限りではないようだ。激しい運動を行うため、必ず室内用運動靴を着用して行う。
[編集] 形状
- 腕
- 長袖、七分袖、半袖、ノースリーブ、ペアショルダーなど。
- 襟
- スコープネック、タックチェンジ、前Vネック、スクエアーネック、ハーフネック、ハイネックなど。
- 体
- 体にフィットする伸縮性の高い素材で縫製され、運動や競技時に人体の動きを妨げない。形状はワンピースのタイプが多く見られる。
[編集] 備考
レオタードとスパッツを一体化したデザインのものを「ユニタード」と呼ぶことがある。