ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ
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「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」（Lucy in the Sky with Diamonds）は、1967年に発表されたビートルズの楽曲である。
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[編集] 解説
「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」は1967年にリリースされたアルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の3曲目に配置されている楽曲である。レノン＝マッカートニーの作品。主にジョン・レノンによるものと考えられる。
演奏の布陣はハーモニーボーカルとベース、加えてハープシコードはポール・マッカートニー、一部、バッキング・ボーカルにジョージ・ハリスンである。また、ジョンとポールは、ハーモニーをとる際に、お互いの声を真似るようにして声をコントロールしたともいわれている。ジョージも、明らかに、リードボーカルのジョンの声質を想定した歌い方をしている。ただし、ジョンは、自分の声が嫌いだったといわれており、中期以降、声質を変える試みを行うことが多く、この曲もジョン自身の声質を変えるために、「ボーカルを、ハモンドオルガンなどに使用する、レズリースピーカーに通した」とも、「エフェクターであるステレオマシン、もしくはフランジャーの試作品を使用した」とも、「ダブルトラック録音にする際に、バック演奏の再生速度を変えた」ともいわれている。あるいは、それらの複合使用説もある。
歌詞の内容もサウンドも、サイケデリック音楽の典型とされている。また、タイトルの名詞の頭文字をつなげると「LSD」となると指摘され、ラジオで一部放送禁止にもなったが、ジョン自身はテレビ番組で単なる偶然だと述べている。アルバム『イエロー・サブマリン 〜ソングトラック〜』に於いて、アルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の冒頭からの2曲同様、ベーシックトラックが、ピンポン録音処理される前の音を、シンクロ技術で組み合わせたバージョンが収録されている。
エルトン・ジョンがこの曲をカヴァーして、ビルボードNO.1にしている。
映画『アイ・アム・サム』のサウンドトラックでは、ブラック・クロウズとエイミー・マンの2組がこの曲を取り上げた。映画に使われたのはブラック・クロウズのヴァージョンで、エイミーはそのことを悔しがったという。
[編集] ジュリアンの絵
1966年のある日、ジョン・レノンの息子ジュリアン・レノンは保育園から帰ると、ルーシーという名のクラスメートについてジョンに話した。ジュリアンはジョンに絵を見せながら「ルーシーがダイヤモンドを持って空にいるんだ」と説明した。
ジュリアンはその後「僕はなぜたくさん描いた絵の中からそれを選んだのか分からない。でも、その当時はルーシーに対する好意をはっきり持っていたんだ。僕はそのころよく父に保育園で描いたり作ったりした物を見せていたんだよ。この絵は父に『ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ』のアイディアをひらめかせたんだ」と語った。
[編集] ルーシー
曲名にあるルーシーは実在の人物で本名は”ルーシー・リチャードソン”。彼女は曲の書かれた当時4歳でジュリアンより約1歳年上だった。ジュリアン・レノンがサリー州ウェイブリッジの私立ヒース・ハウス・スクールに入学したとき、ジョンや他のビートルズ・メンバーはルーシーの家族が経営する骨董・宝石店をしばしば訪れ、ルーシーの家族はジュリアンをよく知っていた。ジュリアンがホームシックで落ち着かなくなったとき、彼のお気に入りであったルーシーはしばしば呼ばれ、彼が絵を描いている間そばに座っていた。
2005年にルーシーの姉、メアリー・フォスターは語った。「ある日ジョン・レノンが店に来て、『こんにちは、ダイヤを持って空に浮かぶルーシー』と言いました。私たちはジョンが彼らしいと思いました。」曲が収録された『サージェント・ペパーズ〜』が発表されたとき、リチャードソン一家はその名前に気づいたが、1975年にレノンがインタヴューアに息子の絵の話をするまで、関連を確信できなかった。
ルーシー・リチャードソンは後に映画産業で働き、『Elizabeth』『Chocolat』ピーター・セラーズの『The Life and Death』と言った作品で美術監督を務めた。彼女は結婚せず、2003年に乳癌と診断され、治療のかいもなく癌は全身に転移し、2005年6月1日に死去した。奇しくも6月1日は『サージェント・ペパーズ〜』が1967年にリリースされた日付であった。
彼女がウェイブリッジで埋葬されたとき、歌のタイトルを象徴するように、家族は墓にクリスタルをまいた。
[編集] 文化的影響
他の多くのビートルズ・ナンバー同様、この曲も多くのアーティストによってカヴァーされた。俳優のウィリアム・シャトナーが1986年にカヴァーしたものは、発表当時成功しなかったが、数十年後にインターネット上で有名になった。伝えられるところによると、非公式に行われた組織的投票によって、シャトナーのヴァージョンはポップス史上最悪の演出が成された楽曲の一つと考えられることとなり、彼の音楽経歴に悪評を添えることとなった。それ以上に成功したカヴァー・ヴァージョンは1974年にエルトン・ジョンによって発表された。エルトンのヴァージョンにはジョン・レノンがバック・ヴォーカルとギターで参加し、1975年1月のビルボード・チャートで二週間トップの位置を占めた。
また、この曲は人類学上の発見にも影響を与えた。1974年11月30日にドナルド・ヨハンソンおよびトム・グレイはエチオピアのアワッシュ川下流域で318万年前のアファール猿人の女性の骨格を発見した。彼らは骨への名について議論したが、その時ビートルズ・ナンバーが流れていたことから、彼女をルーシーと名付けた。
2004年2月13日に、ハーバード大学の天文学者は白色矮星BPM 37093の発見を発表した。BPM 37093は炭素で構成され、10の34乗カラットのダイヤモンド（2x10の30乗キログラム）と考えられた。彼らはその星をルーシーと名付けた。
[編集] 収録アルバム
- サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド
- ザ・ビートルズ1967年〜1970年
- ザ・ビートルズ・アンソロジー2
- イエロー・サブマリン 〜ソングトラック〜 - リミックス・バージョンを収録
- ラヴ - リミックス・バージョンを収録
- ヒア・アンド・ゼア〜ライブ・イン・ロンドン&N.Y. - エルトン・ジョンのライブ盤。ジョン・レノンとエルトン・ジョンによるカバー（ライブ）音源を収録。
