リブレット
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リブレット(libretto,Libretto)
- イタリア語で「小さな本」「小冊子」を意味する。
- オペラやミュージカルなどの台本。→リブレット (音楽)
- メロンブックスが運営する、女性向け同人ショップ。表記は「livret」。livret
- 東芝が製造するミニノート型パーソナルコンピュータのシリーズ。後述。
Libretto(リブレット、libretto)は東芝が開発・販売する小型ノートパソコンの製品シリーズ名である。1996年発売の初代モデルLibretto 20は当時世界最小・最軽量のWindows 95搭載PCとして登場。携帯情報端末(PDA)やハンドヘルドPC、メール専用通信端末等が主流だった当時のモバイルコンピューティング界に大きな衝撃を与えた。以降、初代Librettoの難点を改良した後継機が続々と発表され、デスクトップPCと同じWindowsが動作する超小型ノートPCとして地位を確立する。近年はレギュラーラインナップとしての継続的な開発販売は行われていないが、省電力型プロセッサの登場など技術的な動向や東芝のノートパソコン事業の節目を祝う販売戦略などにより断続的に新製品が登場している。現在の最新モデルは2005年に発売されたlibretto U100。これまで発売されたどのシリーズも今なお人気が高く、熱心なユーザーが多いのも特徴。
[編集] 発売されたモデル
- Libretto 20
- 専用のチップセットや薄型HDDなどの自社開発パーツによりVHSビデオテープとほぼ同じサイズにまとめた。
- 省電力・高パフォーマンスのCPU、AMD社製Am5x86 75MHzを採用。
- 8MBのメモリ(最大20Mまで増設可能)と、8.45mm厚の薄型2.5インチHDDを搭載する。
- 横640ドット×縦480ドットの6.1インチTFT液晶。
- 親指で操作するポインティングスティック「リブポイント」を液晶パネル右横に搭載。クリックボタンは天板にある。
- 裏蓋の一部を外す改造により、より大容量で標準的な、薄型でないHDDを内蔵させたり、HDDを差し替える事で用途毎にシステムを入れ替えるなどが可能であったため、これらの行為がコアユーザーの間で流行した。なお、裏蓋を取り外して一般的な厚さのHDDを内蔵するためには、裏蓋の切り取り加工が必要であり、この行為を俗に「裏切り」などと呼んでいた。
- Libretto 30
- CPUがDX4互換(5x86)100MHz、HDDは500MB。
- Libretto 50
- CPUがIntel Pentium75MHz、HDDが810MB、最大メモリが32MB(標準16MB)。
- Libretto 60
- CPUがPentium100MHz(VRT)になる。
- Libretto 70
- CPUがMMX Pentium120MHz、HDDが1.6GBになる。
- Libretto 100
- CPUがMMX Pentium166MHz、HDD2.1GB、横800ドット×縦480ドットの7.1インチTFT液晶を搭載し筐体が大型化、PCMCIA Type2のPCカードが2枚搭載可能。
- Libretto 110
- 100のマイナーチェンジ。CPUがMMX Pentium233MHz、HDDが4.3GBになる。海外向けモデルであったが日本でも一部で販売された。
- Libretto SS1000
- Libretto SS1010
- SS1000のマイナーチェンジ。CPUがMMX Pentium233MHzになる。
- Libretto FF1100
- Libretto FF1050
- FF1100と同時発売。横640ドット×縦480ドットの6インチSTN液晶を搭載。
- FF1100標準装備のカメラ、ワイヤードリモコン、スケルトンキーボード、モデム、スマートメディアスロットなどを廃した廉価版的な位置づけ。
- CPUはMMX Pentium233MHz、実装メモリはEDO32MBになる。
- Libretto FF1100V
- 同年11月5日発売。FF1100のマイナーチェンジ版でHDD容量を3.2GBから6.0GBに変更。
- 競合機種の多くがPentium II系のCPUにシフトしたため、10万円を切る店頭価格が提示される時期もあった。
- Libretto L1
- 2001年5月18日発売。技術の粋を集めた旧シリーズとは異なり「実用的で低価格なモバイルノート」を標榜。
- B5ファイルサイズのDynaBook SSを、主に奥行き方向において極力小型化したような設計である。
- 旧リブレットの愛好家には「筐体の巨大化」と映り賛否両論だったが、市場では一定の評価は得られたようである。
- トランスメタ開発の低消費電力CPUCrusoeTM5600/600MHzにALi(ULi)製チップセットM1535の組み合わせ。
- キーボードはDynaBook SSのものと共通で、リブレット史上初めて通常の「アキュポイントII」を搭載した。
- 当時としては珍しい「ワイドSXGA」横1280ドット×縦600ドットの10インチ低温ポリシリコンTFT液晶を採用。
- Windows XPの発売を控えていた事もありWindows Meをプリインストールしたが、一部で不評だった。
- L2の発売後はMicrosoft Officeを搭載したモデルのみがラインナップに残り併売されていた。
- Libretto L2
- 同年8月10日発売。IEEE 1394端子を廃しEthernet端子を内蔵。
- Windows MeモデルとWindows 2000プリインストールモデルの両方をラインナップ。
- L3の発売後はWindows Meモデルのみがラインナップに残り併売されていた。
- Libretto L3
- 同年11月発売。Libretto L2のWindows 2000モデルに約2倍の容量となる20GBのHDDを搭載したもの。
- 限定2002台の2002 FIFAワールドカップ記念モデル「Libretto adidas edition」のベースとなった。
- Libretto L5
- libretto U100
- 2005年4月発売。ラップトップタイプのノートPC「T1100」発売20周年記念モデルのひとつ。
- 横幅を初代モデルのLibretto 20と同じ210mmに設定。エターナルブルーとピュリティホワイトの2色展開。
- インテル製の超低電圧版Pentium M 733/1.1GHzにIntel 855GMEチップセットの組み合わせ。
- 横1280×縦768ドットの7.2インチLEDバックライト搭載液晶ディスプレイ。
- アキュポイントのスティックはキーボードの中央からパームレスト部分に移動。指紋認証装置を搭載。
- リブレット史上初めてドッキングステーション(DVDマルチドライブ内蔵)が用意された。
- 東芝の持てる小型化技術のショウルームとでも呼ぶべき、高密度に実装された製品である。
特殊モデル
- Libretto MobilePack(NTT DoCoMo)
- NTT DoCoMoより発売された、モバイルインターネットセット。
- 今で言うところのコラボレーションモデル。
- Libretto 30と携帯電話との接続キット等がセットになっている。
- Libretto MobilePackII(NTT DoCoMo)
- Libretto 60と携帯電話との接続キット等がセットになっている。
- Libretto MobilePackIII(NTT DoCoMo)
- Libretto M3という特別モデルと携帯電話との接続キット等がセットになっている。
- Libretto M3は、CPUがMMX Pentium133MHz、HDDが2.1GB、メモリが32MB、大容量バッテリ等を搭載し外見も旧Librettoに似ている事からLibretto70の強化版のような趣であるが、CPUがVRTになり、L2キャッシュを内蔵し、USBポートやCardBusスロットを搭載するなど、電気的仕様としてはむしろLibretto SSシリーズに近いモデルである。
- Libretto 50M
- 1997年頃に生産された生命保険会社専用の特別モデル。愛称は「ほほえみくん」。
- 最大の特徴は、リブポイントの代わりにタッチパネルディスプレイを採用し対面プレゼンテーションが行いやすいこと。
- 一般向けには販売されていなかったが、減価償却が済んだ頃に中古で市場に出回った。
- Libretto MobilePack同様、中古市場での人気は高い。