ヤマハ・アクシス
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ヤマハ・アクシス(AXIS)とは、ヤマハ発動機が製造するスクーターである。シリーズとして数車種が生産されていたが、現在はGRAND Axis100のみが販売されている。
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[編集] GRAND Axis100
GRAND Axis100(グランドアクシス100)は1998年より販売が開始された。日本では50cc超~125cc以下の小型自動二輪車は需要が少ないことからコスト低減を狙い、スクーター大国である台湾で製造した車体を輸入しているため低価格で充実した仕様となっている。エンジンは2ストローク単気筒101ccで最高馬力は10psだが、50cc並のボディに搭載しているため機動力に優れた走りを見せる。車輪径は12インチで高い走破性とゆったりとした乗り心地を追求しているが、二人乗りはシートが狭いので、大人が2人で使うのは実用的ではない。
この車両で用いられてるエンジンは、シリンダーを前方に水平に倒した単気筒・強制空冷式で、当時台湾で販売されていたBW's100などと同一のエンジンを使用しているが、グランドアクシスのみシリンダーヘッド等のデチューンが施されている。なお、このクラスの自動車排出ガス規制は2008年9月より強化されることから、この車両が日本国内の正規販売で購入できるオートバイとして最後の2ストロークエンジン車となっている。
シート下にはメットインスペースと、ガソリン給油口が設置されている。また、シート外側のフットスペースにオイル給油口があり、メットインを採用する多くのスクーターとは配置が逆になる。そのため、従来型のメットインスクーターに慣れたガソリンスタンド店員に給油口を間違われることが多い。
買い物袋を掛ける事が出来るコンビニフックを標準装備しているほか、フロントにビジネスバッグを固定するキャリアを、リアには専用のリアボックスをオプションで装備できるなど、ビジネスユースへの配慮が為されている。
また、駐車時にはキー差込部をシャッターで保護し、これに連動してハンドルとセンタースタンドを固定する機構を採用するなど、車体に盗難対策が為されている。
[編集] AXIS50・AXIS90
AXIS50(YA50:3VP)とAXIS90(YA90:3VR)は共に1990年発売。上級スクーターとしての位置付けであるが、主な部品はJOGが使用しているものを流用した。
AXIS90は、ほぼ同時期に平行発売されていたJOG90と同型のエンジン(3WF)形を搭載しており、車名から想像すると90ccのエンジンを搭載していると思われがちだが実際には82ccである。このエンジンは俗に言う「排気ガス規制前横型エンジン」の50cc車両(JOG・アプリオなど)にボルトオンで装着できる為、近年エンジン単体の人気が盛り上がっている。
なお、メットインスペースを燃料タンクスペースに変更して長距離航続運転を図ったAXIS PROFOOT(アクシスプロフット:50・90共に存在)や、フットレスト上部に鍵付き小物入れを設けたAXIS TRUNK(アクシストランク:50のみ。90は全車トランク)という派生車種も存在していたが、現在は全て生産終了している。
[編集] モデル別の形式
- AXIS50
- 標準モデル YA50
- トランク YA50D
- プロフット YA50H・YA50HS
- AXIS90
- 標準モデル YA90
- プロフット YA90H・YA90HS