ポセイドン・アドベンチャー
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『ポセイドン・アドベンチャー』(The Poseidon Adventure) は1969年に発表されたポール・ギャリコの小説、及びこれを原作とした映像化作品。
目次 |
[編集] ストーリー
豪華客船「ポセイドン号」には大晦日の夜を祝う多くの客が乗り合わせていた。順調かと思われた航海の途中、巨大な津波が押し寄せ船は転覆、船底が海上を向いた状態で停止する。パニック状態に陥った乗客たちの中で、たまたま乗り合わせていたスコット牧師がリーダーシップを発揮し、生き残った乗客たちを脱出へと導いていく。だがその先には更なる苦難と悲劇が待ち構えていた……。
[編集] 物語の趣旨
災害の描写のみならず、苦境に陥った時のさまざまな人間の心の動き、弱さ、勇気というものを描きだしており、充実した人間ドラマが展開するのが魅力となっている作品である。スコットの発揮する強いリーダーシップは一つ間違えれば危険な方向に向かうかもしれないし、ただの尊大さに陥る可能性や意見の相違や対立もあるが、極限状況におかれた集団においては、強力なリーダーの存在が必要ということをこの物語は示している。 また、「命は何より大切である」という一貫したテーマが本作品を力強いものにしている。
[編集] 映像化
1972年に20世紀FOXにより初の映像化。これまでに続編を含め4度の映像化が行なわれている。
- 『ポセイドン・アドベンチャー(The Poseidon Adventure)』1972年
- この初の映像化作品は大ヒットを記録し、パニック映画 (Disaster film) の傑作の一つとして知られるようになった。
- ワーナー・ブラザーズによって続編(ポール・ギャリコによる続編「海底の怒り」が原作)が製作されたが、こちらの評判はよろしくはない。
- 『ポセイドン 史上最悪の大転覆(The Poseidon Adventure)』(DVD題「ポセイドン・アドベンチャー」)2005年
- 2006年に再びワーナー・ブラザーズが映画化したリメイク版。初作「ポセイドン・アドベンチャー」のファンからの評価は極めて低い。
[編集] 1972年版
ポセイドン・アドベンチャー The Poseidon Adventure |
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監督 | ロナルド・ニーム |
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製作 | アーウィン・アレン |
脚本 | スターリング・シリファント ウェンデル・メイズ |
出演者 | ジーン・ハックマン アーネスト・ボーグナイン レッド・バトンズ ロディ・マクドウォール シェリー・ウィンタース |
音楽 | ジョン・ウィリアムズ アル・カシャ ジョエル・ハーシュホーン |
撮影 | ハロルド・E・スタイン |
編集 | ハロルド・F・クレス |
配給 | 20世紀フォックス |
公開 | 1972年12月12日 1973年3月 |
上映時間 | 117分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
次作 | ポセイドン・アドベンチャー2 |
allcinema | |
Variety Japan | |
allmovie | |
IMDb | |
上下さかさまになった船体のセットを使った撮影はアカデミー賞特撮部門を、挿入歌としてモーリン・マクガバン (Maureen McGovern) が歌っている「モーニング・アフター」はアカデミー歌曲賞をそれぞれ受賞した。1979年には、続編として『ポセイドン・アドベンチャー 2』(出演:マイケル・ケイン、テリー・サヴァラス)が製作されている。また、アーウィン・アレンを中心とするスタッフが、この時の特撮技術を活かし、1作目製作の2年後に『タワーリング・インフェルノ』を製作した事はよく知られている。
[編集] スタッフ
- 監督:ロナルド・ニーム Ronald Neame
- 製作:アーウィン・アレン Irwin Allen
- 原作:ポール・ギャリコ Paul Gallico
- 脚本:スターリング・シリファント Stirling Silliphant
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- ウェンデル・メイズ Wendell Mayes
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- 編集:ハロルド・F・クレス Harold F. Kress
- 撮影:ハロルド・E・スタイン Harold E. Stine
- 美術:ウィリアム・J・クレバー William J. Creber
- 特殊効果:L・B・アボット L. B. Abbott
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- A・D・フラワーズ A.D. Flowers
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- 音楽:ジョン・ウィリアムズ John Williams
- 主題歌:「モーニング・アフター」 The Morning After
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- 作詞・作曲:アル・カシャ Al Kasha、ジョエル・ハーシュホーン Joel Hirshhorn
- 歌:モーリン・マクガバン Maureen McGovern
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- 字幕:清水俊二
[編集] キャスト
- フランク・スコット牧師 … ジーン・ハックマン Gene Hackman
- マイク・ロゴ刑事 … アーネスト・ボーグナイン Ernest Borgnine
- ジェームズ・マーティン(雑貨商) … レッド・バトンズ Red Buttons
- ノニー・パリー(歌手) … キャロル・リンレー Carol Lynley
- エイカーズ(ボーイ) … ロディ・マクドウォール Roddy McDowall
- リンダ・ロゴ(ロゴ刑事の妻・元売春婦) … ステラ・スティーヴンス Stella Stevens
- ベル・ローゼン(中年婦人・元水泳選手) … シェリー・ウィンタース Shelley Winters
- マニー・ローゼン(ベルの夫) … ジャック・アルバートソン Jack Albertson
- スーザン・シェルビー(高校生) … パメラ・スー・マーティン Pamela Sue Martin
- ロビン・シェルビー(スーザンの弟) … エリック・シーア Eric Shea
- ハリソン船長(ポセイドン号船長) … レスリー・ニールセン Leslie Nielsen
- ジョン牧師(船の牧師) … アーサー・オコンネル Arthur O'Connell
- 看護婦…シーラ・マシューズ(後のシーラ・アレン)
[編集] 受賞歴
- アカデミー主題歌賞:アル・カシャ、ジョエル・ハーシュホーン
- アカデミー特別業績賞:L・B・アボット、A・D・フラワーズ(視覚効果に対して)
- 英国アカデミー賞 主演男優賞:ジーン・ハックマン
- ゴールデングローブ賞 助演女優賞:シェリー・ウィンタース
[編集] 日本語吹替
- 1976年10月11日TBS「月曜ロードショー」
- 解説者の荻昌弘は、「そこにとどまるか前進するかといった時、必ず前進する方を選ぶ。しないかするかといったときは必ずする方を選ぶ、こうした考えがこの物語を力強いものにし、私たちを励ましてくれるわけなんです」と語っている。
- 1983年2月2日日本テレビ「水曜ロードショー」
- 1991年2月17日テレビ朝日「日曜洋画劇場」
- 解説者の淀川長治は、「私はこの映画を見るために生まれてきたといってもいいんですね」と語っている。
他にもレーザーディスク版としての吹き替えも存在する。 唯一のカットのない117分の吹き替え版であるが現在では入手が困難。 今発売されているDVDは1991年のテレビ吹き替え版を収録しており、ところどころ英語が混ざるという不完全なもの。
俳優 | TBS | 日本テレビ | レーザーディスク | テレビ朝日 |
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ジーン・ハックマン | 小林昭二 | 小林勝彦 | 内海賢二 | 磯部勉 |
アーネスト・ボーグナイン | 富田耕生 | 藤岡重慶 | 富田耕生 | 坂口芳貞 |
レッド・バトンズ | 羽佐間道夫 | あずさ欣平 | 村越伊知郎 | 富山敬 |
キャロル・リンレー | 鈴木弘子 | 山本千鶴 | 山田栄子 | 佐々木優子 |
ロディ・マクドウォール | 富山敬 | 徳丸完 | 納谷六朗 | 佐古雅誉 |
ステラ・スティーブンス | 小原乃梨子 | 小原乃梨子 | 平井道子 | 吉田理保子 |
シェリー・ウィンタース | 寺島信子 | 高村章子 | ? | 藤波京子 |
ジャック・アルバートソン | 千葉耕市 | 松村彦次郎 | 北村弘一 | 永井一郎 |
パメラ・スー・マーティン | 岡本茉利 | 佐々木優子 | 玉川紗己子 | 折笠愛 |
アーサー・オコンネル | 緒方敏也?? | 宮内幸平 | ? | 松岡文雄 |
エリック・シーア | 柳田博 | 鈴木一輝 | ? | 野沢雅子 |
フレッド・サドフ | 仁内建之 | セリフなし | ? | 仁内建之 |
シーラ・アレン | ? | 片岡富枝 | ? | 斉藤昌 |
ヤン・アーヴァン | ? | ? | ? | 宮内幸平 |
レスリー・ニールセン | 中村正 | 大木民夫 | 小林勝彦 | 嶋俊介 |
日本語版スタッフ | 製作:トランスグローバル? | 制作:コスモプロモーション 演出:松川陸 翻訳:大野隆一 調整:近藤勝之 効果:スリーサウンド |
制作:東北新社 翻訳:佐藤一公 |
制作:東北新社 演出:福永莞爾 翻訳:宇津木道子 調整:小野敦志 効果:リレーション |
番組名 | 月曜ロードショー | 水曜ロードショー | 日曜洋画劇場 | |
初放送日 | 1976年10月11日 | 1983年2月2日 | 1991年2月17日 |
[編集] その他
- スーパーファミコンのゲームソフト『セプテントリオン』の設定は本作を元にしている。
- アニメポケットモンスターの第16話「ポケモンひょうりゅうき」では、転覆し上下反転した豪華客船から主人公たちが脱出する。ただし基本的にコミカルなシーンも多いのでパロディと思われる。