ボタン (服飾)
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ボタン(ポルトガル語:botão または英語:buttonからとも、釦)とは、洋服において襟などを留めるための服飾物である。多くは装飾を兼ねる。語源はポルトガル語 botão が最も有力な説とされる。
また、「飾りボタン」として装飾目的のみ、あるいは「止め具」として鞄や袋の口を閉じることにも使われる。11月22日は「ボタンの日」。また、男子の制服の心臓に一番近いボタン(多くの場合は第二ボタン)を好きな女子に渡す事もある。
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[編集] 素材
[編集] 形
- 丸
- 四角
- 花
- 変り種:キャラクターもの、動物もの、ほか
- 2つ穴、3つ穴、4つ穴、穴なし(足つき・足なし)など
- 最初は紐で引っ掛けて固定したが、のちに南仏でボタンホールが考案され、布と布を直接固定できるようになった。
[編集] 洋服デザイン
洋服のデザインの中で、ボタンの数や配置は重要である。
- カフスボタン
- ボタンダウン
- シングルブレスト・ダブルブレスト
[編集] 歴史・語源
- 十字軍によって、イスラム社会から西欧社会に伝わった。
- 語源は、古ラテンの"bottare"もしくは古ゲルマンで『蕾』という意味の"boton"と言われている。後者の方の由来は、鋳造、または、打ち出しで作られた金属製のそれが、シワが付いているために蕾のように見えることから、とか、昔は本当に花の蕾を使っていたから、という説がある。
- 西欧の王侯貴族はボタンの装飾に凝り、金銀宝石までも使って豪奢なボタンを作らせ身につけた。それを一般市民も真似て、ついに奢侈禁止令が出たこともある。
- 日本では大陸で見られる青銅製ボタンの出土例があるものの、衣服のつなぎ止めには古来から紐結びが一般的で、埴輪の服装にも見られる。明治維新前後にポルトガル語の"botao"が伝来し、上からの洋装化に従って「ボタン」という言葉が普及していったと考えられる。ボタンが日本に入ってきた当初、一般民衆はボタンを根付として珍重していた。
[編集] 関連語句
- 「ボタンの掛け違い」