ホンダ・CB750
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ホンダ・CB750
- 1969年に本田技研工業から発売されたオートバイ。ホンダ・ドリームCB750FOUR。
- 1978年に本田技研工業から発売されたオートバイ。ホンダ・CB750K。
- 1979年に本田技研工業から発売されたオートバイ。ホンダ・CB750F。
- 1992年より本田技研工業が発売しているオートバイ。ホンダ・CB750。本項では、この車両について記述する。
CB750(シービー750)とは、本田技研工業が製造販売しているオートバイである。
CB750は1992年に発売された。当時はいわゆるネイキッドスタイルのオートバイが流行しており、先に発売されていたカワサキ・ゼファー750に対するナナハンとして位置付けられた。
デザインは前後輪ホイールを除いては一般的なスタイルであり、極めてオーソドックスな車両であったが、ダブルクレ-ドルのフレームは限界を試すスポーツ走行には向かないものの、挙動が穏やかで、大型二輪初心者でも扱いやすい。 エンジンについては過去のCBではなく、1983年に発売されたCBX750Fと同じ型番の「RC17E」という空冷DOHC4気筒エンジンを流用している。このエンジンはほぼ全域が実用回転域で扱いやすく、エンジン音が、「電気モーターのような」と表現される。燃費は17~23km/lと750CCにしては良好である。また空冷電動ファンが教習車仕様以外は装着されていないため、渋滞時に冬季でもオーバーヒートに陥ることがある。オーバーヒートに陥った場合、ノッキングが増加し、オイルも急速に劣化するため、早期の交換が望ましい。
ギア変速時に「ガコン」とまるでスーパーカブのギアのような音がするため、スーパーカブ750と揶揄されることもある。
当初はネイキッドとはいえ特に突出した性能を持たなかったことから、同時期に発売されたCB1000スーパーフォアに比べると地味な存在であったが、1996年から自動車教習所において大型自動二輪車免許の教習が開始されると、教習車仕様も発売されるようになり、次第に先代の教習車であるVFR750Kから取って替わると共に、一般的にも存在が認知されるようになった。 発売から数年おきに車体色の変更や装備の省略化が行われ、しばらく放置状態が続いていたが、2003年に開催された東京モーターショーで、大幅にてこ入れされマイナーチェンジモデルが展示され、翌年に発売された。主な変更内容としてはマルチリフレクターヘッドライト・メーター周りが現代的に変更され、キャブレターにスロットルポジションセンサーを装備し、点火時期のセッティングを自動化、リアサスペンションは発売当時には採用されていたサブタンク付きリアサスペンションが復活し、盗難対策としてイモビライザー(HISS)も搭載された。外見や車体色も往年のCB750FC (CB1100F) をイメージした赤系(レッド+ホワイト)と2005年から加わった青系(ブルー+ホワイト)の塗装が採用されている。2006年12月には、漆と黒檀をイメージした(ブラック+エンジ系レッド)が追加されたが、わずか1年足らずの2007年10月にラインナップから消えた。 2007年3月には往年の選手フレディ・スペンサーの乗車していたCB750Fの塗装を再現し、スペンサーカラーとして、CB750 Special Editionを受注期間限定方式で550台(※リコール情報の型番から推測 当初メーカー予定販売台数300台)発売、これが事実上のFinal Editionかと思われたが、2007年9月にCBXカラーとして銀・赤をCB750 Specialとして発売、このSpecialバージョンと既存の2色を2008年モデルとした。ただし、排ガス規制・騒音規制をクリアできないため、この2008年モデルを最後に、1992年から続いた生産を終了する予定である。後継は、2007年東京モーターショーで試作車として製作されたCB1100F(1100cc 空冷4気筒)であると噂されているが、FI化等の排ガス浄化措置をとって、継続販売の可能性も否定できない。
[編集] 教習車仕様
教習車として使用されるCB750は市販バージョンと以下の点が変更されている。
外装
- ハンドル変更(アップハンドル装着)
- 大型エンジンガード・マフラーガード装着
- 走行状況表示ランプ装着(ランプ10個程度が装着されている詳細表示のものと、4つ程度の簡易表示のものがある ※理由不明)
(4つ装着の場合 速度40km以上で点滅する表示 フロントブレーキ表示 リアブレーキ表示 エンスト表示 10個表示の場合はギア1、2、3、5、N、エンスト表示。ギアが4速に入っている場合かギア表示消灯。)
- ミラー変更(角→丸)
- マフラー変更(メッキ→黒塗装)
- シート変更(ローシート装着)
- ライト変更(マルチリフレクターライト→単純ハロゲンライト)
- ライトスイッチ装着(所内走行のため ※装着されていないこともある)
機構
- 大型オイルクーラー装着(低速走行主体のため)
- エンジン圧縮比デチューン(9.3→8.8)
- エンジン馬力デチューン(75PS→73PS)
- エンジントルクデチューン(6.5kg-m→6.3kg-m)
- クラッチ形式変更(ワイヤー式→油圧式)
- リアブレーキ変更 (1pot→2pot)