ホオジロ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ホオジロ | ||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
分類 | ||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||
学名 | ||||||||||||||||||
Emberiza cioides Brandt, 1843 | ||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||
Meadow Bunting |
ホオジロ(頬白、Emberiza cioides)は、スズメ目・ホオジロ科に分類される鳥の一種。東アジアに広く分布し、顔の模様とさえずりが特徴的な小鳥である。
日本では千葉県、福岡市、海南市、白河市、天童市など、自治体を象徴する鳥として指定する自治体が多い。
目次 |
[編集] 特徴
成鳥は全長17cmほどでスズメとほぼ同じ大きさだが、尾羽が長い分だけ大きくみえる。成鳥の顔は喉・頬・眉斑が白く目立ち、「頬白」の和名はここに由来する。白色部の間は帯模様で仕切られ、オスはこの模様が黒いが、メスは褐色なのでよく観察すると区別がつく。幼鳥は顔の色分けが不鮮明で、全体的に淡褐色をしている。
くちばしは短く太い円錐形をしている。頭頂部は褐色と黒の羽毛が混じり、短い冠羽がある。首から下は全体的に赤褐色だが、背中には黒い縦しまがあり、翼の風切羽は褐色に縁取られた黒色である。また、尾羽の両外縁2枚は白く、飛翔時に尾羽を広げるとよく目立つ。
[編集] 生態
シベリア南部、中国から沿海地方・朝鮮半島、日本まで、東アジアに広く分布する。日本では種子島・屋久島から北海道まで分布し、身近な野鳥の一つである。基本的に長距離の渡りはしないが、北海道などの寒冷地では夏鳥となる。
平地や丘陵地の森林周辺、農耕地、草原、荒地、果樹園、河原など明るく開けた場所に生息する。主に地上や低い樹上で活動し、丈の高い草の茂みに潜むことがあるが、高木の梢にはほとんど行かない。単独または数羽ほどの小さな群れで行動する。食性は雑食性で、繁殖期には昆虫類、秋から冬には植物の種子を食べる。
春になるとオスは草木の上に止まってさえずる。地域や個体による差があるが、さえずりの節回しは独特で「ピッピチュ・ピーチュー・ピリチュリチュー」などと聞こえる。この鳴き声の聞きなしとして「一筆啓上仕候」(いっぴつけいじょうつかまつりそうろう)「源平つつじ白つつじ」などが知られている。
低木の枝に枯れ草を組んで椀状の巣を作り、一度に5個前後の卵を産む。畑の背の高い作物の間に営巣することもある。卵は白色で、黒褐色の斑点や曲線模様がある。また、カッコウに托卵されることがある。
[編集] Status
- LEAST CONCERN(IUCN Red List Ver.3.1(2001)) [1]
[編集] Sibley分類体系上の位置
シブリー・アールキスト鳥類分類 |
---|
スズメ小目 Passerida
スズメ上科 Passeroidea
ホオジロ亜科 Emberizinae
|
[編集] 脚注
- ^ Emberiza cioides (Species Factsheet by BirdLife International)
[編集] 参考文献
- 「決定版 日本の野鳥590」平凡社 ISBN4-582-54230-1