ペンゴ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジャンル | アクション |
---|---|
対応機種 | アーケード |
発売元 | セガ |
人数 | 1〜2人 |
発売日 | 1982年 |
『ペンゴ』(Pengo)は、1982年にリリースされた、セガ販売のアーケードゲーム。また、その主人公キャラクターの名前。
携帯電話などのプラットフォームに移植されている。コアランドテクノロジー(現バンプレスト)開発とされている[1]。
目次 |
[編集] 作品解説
赤い体に緑色のくちばしと手足を持つペンギンのペンゴを操り、敵キャラクターであるスノービーを全滅させることが目的の、アクションパズルゲーム。画面にはアイスブロック(以下、氷と呼称)が迷路状に配置されており(この配置はいくつかのパターンからラウンド開始時にランダムに決められる)、この氷でスノービーを押し潰すのが主な倒し方である。ペンゴはスノービーに触れるとミスとなる。
盤面上に配置されている氷の前でボタンを押すと、ペンゴの向かい側に氷や外壁がなければ、他の氷か壁にぶつかるまで押し飛ばされる。この氷でスノービーを押し潰す際、まとめてスノービーを潰すことで高得点となる(1匹で400点、2匹で1600点、3匹で3200点、4匹で6400点)。また、向かい側に氷や外壁のある(飛ばすことのできない)氷の前でボタンを押すと、氷を破壊することができる(30点)。ただし、ダイヤモンドブロック(後述)は破壊できない。
外壁の前でボタンを押すと壁が揺れ、壁に接触していたスノービーは一定時間しびれてしまう。しびれている間につかまえて倒すことも可能(100点)。
[編集] ボーナス
- ダイヤモンドブロック
各ラウンドに三つ、ダイヤモンドブロックという名の破壊できない特殊ブロックがある。これを一列に並べるとボーナスが10000点入る(壁沿いに並べた場合は5000点)。また、ボーナス直後に画面内のスノービーが基本的に全てしびれ状態になる。ボーナスが入るのは一面ごとに一度だけで、ダイヤモンドブロックを再度並べ直しても何も起こらない。
- ラウンドクリア
面クリア時に、クリアまでに掛かった時間で決定されるボーナス点が加算される。
- 10-19秒:5000点
- 20-29秒:2000点
- 30-39秒:1000点
- 40-49秒:500点
- 50-59秒:10点
- 1分以上:ノーボーナス
[編集] スノービーの行動パターン
- ラウンド開始時、スノービーにはペンゴを追いかけ回す個体と、ペンゴとは無関係に動き回る個体が並存する。外見上はまったく同じ。
- スノービーは特定の氷に封じられた卵から孵化してくる。画面内に常に一定数(1面~4面は3匹、それ以降は4匹)のスノービーがいるようになっており、倒されるたびに卵から孵化する。孵化中のスノービーには当たり判定はなく、触れてもミスにはならないが潰すこともできない。卵が封じられた氷を破壊すると、卵ごと破壊できる(500点)。卵の封じられた氷はラウンド開始時や孵化時に点滅する。
- スノービーもペンゴ同様、氷を破壊する(押すことはない)。ただし、卵が配置されている氷を崩すことはない。ペンゴが立ち止まって氷を崩すのに対して、スノービーは氷に重なって崩しながら移動する。氷を崩している間は移動速度が落ちる。
- 押し飛ばされた氷の軌跡上にいるスノービーは、観念して立ち止まる。しかし中には、氷から逃げるように、とんでもない速度で移動するものもいる。
- 孵化から一定の時間が経過すると、スノービーには手のようなものが生え、氷を崩す速度が上昇する。
- 残り二匹となるか、ラウンド開始からペンゴがミスをせずに60秒が経過すると、BGMのテンポが速くなり、即死モード[2]が発動する。これは、全てのスノービーに手が生え、移動速度が上昇するというもの。
- スノービーが画面内の最後の一匹になるか、ラウンド開始から120秒が経過すると、効果音とともにスノービーに足が生え、画面の四隅のどこか(ランダムだと思われる)にダッシュで向かい、そこでしぼんで消滅する。これは永久パターン防止のためである。同様の手法は、ナムコの『ディグダグ』シリーズでも採用されていた。ただし、孵化前にダイヤモンドブロックと壁で囲むなどして逃走が不可能な状態にすることも可能である。
[編集] ラウンド構成
1周全16面。全体で4つのレベルに分けられる。
- 1-4面:卵は8個(1-2面のみ6個)。スノービーの移動速度はペンゴより遅い。
- 5-8面:卵は8個。移動速度はペンゴとほぼ同じ。
- 9-12面:卵は10個。移動速度はペンゴより速い。氷の破壊を優先するようになる。
- 13-16面:卵は12個。移動速度はペンゴよりかなり速い。即死モード時は相当速い。
偶数面をクリアすると、ナムコの『パックマン』のようなコーヒーブレイクデモがある。8面クリア後のデモでは、6羽のペンギンがタイトーの『スペースインベーダー』のような動作をする。
16面をクリアすると、1面に戻る。「表記が17面で実質1面」ではなく、表記も「1面」である。ラウンド表記は基板によって「ACT」のものと「ROUND」のものがあった。
最高得点は655350点。これを超えると、カウンターストップはせずに0点に戻る。
[編集] 音楽について
ラウンド中のBGMには、ガーション・キングスレイの『ポップコーン』が使用されている。海外版や移植版では別の曲が使用されている。また、前述のコーヒーブレイクデモでは、交響曲第9番 (ベートーヴェン)(いわゆる第九)が使われている。当時、アーケードゲームでは無許可で楽曲を使用するケースも多かった。そのためペンゴも同様のケースと勘違いされることが多いが、インストラクションカードには正式な許諾を示すJASRACのシールが添付されている。
[編集] バグ
古いゲームであるだけに偶発的なバグが発生する。前項で述べたボーナス直後のスノービーのしびれ状態が発生しない個体があったり、ダイヤモンドブロックが消滅したり(当然ボーナスは取れなくなる)など。時には完全にフリーズしてゲームを続けられなくなることもある。
バグのいくつかは、アトラクトデモで再現されている。
- スノービーがペンゴをすり抜ける
- ペンゴが揺らした外壁に触れても、しびれないスノービー
- 氷にほとんどつぶされそうになっているのに、つぶれていないスノービー
- ペンゴが氷を飛ばすのと、その氷をスノービーが破壊するのが同時だった場合、氷は飛ぶが、氷が元あった場所でも破壊アニメーションが発生する
など。
また、卵の入ったブロックを押し飛ばして移動中に孵化するようにすると、孵化したスノービーは動かなくなってしまう。
[編集] 関連作品
[編集] 移植作品
- ペンゴ(セガ/1990年10月06日/2900円)
- ゲームギア用。
- 忍空外伝 ヒロユキ大活劇(セガ/1995年11月03日)
- ゲームギア用。アニメ『NINKU -忍空-』のゲーム化だが内容はペンゴ。おならで敵の動きを止める操作が追加されている。
- ぺぺんがPENGO(セガ/1995年12月22日/4980円)
- SEGA AGES/メモリアルセレクションVOL.1(セガ/1997年2月28日/4800円)
- セガ メモリアルセレクション~SEGA PCコレクション~(セガ/2000年7月14日/3475円(税込))
[編集] その他
- カプコンから出た『ワンダー3』という作品に『ドンプル』というゲームが存在する。キャラデザインこそ違うものの、内容はペンゴとほぼ同一である。
- 同時期に発売された多くのアーケードゲーム同様、このゲームにも不正なコピーを行った基板、海賊版の基板が存在する。タイトル画面にセガのロゴがないものや、タイトルが「PENTA」となっているものなどが知られている。
[編集] 脚注
- ^ 「それは『ポン』から始まった」(赤城真澄、アミューズメント通信社、ISBN 978-4990251208)P261によれば、コアランドに持ち込まれたもので「制作メーカーは不明」とされている。一方、同書P244では「コアランドが開発してセガが発売した」とされている。
- ^ en:Pengo (arcade game)より。ノートを参照して下さい。