ヘルゴラント級戦艦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヘルゴラント級戦艦 | |
---|---|
艦級概観 | |
艦種 | 戦艦 |
艦名 | 地方名 |
前級 | ナッサウ級戦艦 |
次級 | カイザー級戦艦 |
性能諸元 | |
排水量 | 常備:22,800トン |
全長 | 167.2m |
全幅 | 28.5m |
吃水 | 8.81m |
機関 | 海軍式水管缶15基+三段膨張型レシプロ3基3軸推進、28,000hp |
最大速力 | 20.5ノット |
航続距離 | 18ノット/3,600海里 |
乗員 | 1,110名 |
兵装 | 30.5cm(45口径)連装砲6基 15cm(45口径)単装砲14基 8.8cm(45口径)単装砲14基 50cm水中魚雷発射管6基 |
装甲 | 舷側:300mm(ヴァイタルパート部) 甲板:80mm 主砲塔:300mm(前盾)、100mm(天蓋) 司令塔:400mm(側面部) |
ヘルゴラント級戦艦 (Helgoland-Klasse) は、ドイツ海軍が第一次世界大戦中に竣工させた二番目の弩級戦艦の艦級である。1908年改正の艦隊法で、四年間で年に4隻ずつの弩級戦艦を整備する事を定められ、本級はその第一グループで、外観は「ナッサウ級」のマイナーチェンジ型となったが、攻撃力と防御力は格段に向上している。
目次 |
[編集] 艦形
工業デザインの重厚さでは定評のある当時のドイツらしく、低くまとめられている。船体は前弩級戦艦以来伝統の平甲板型である。艦首から新設計の「1911年型30.5cm(45口径)砲」を1基、司令塔を組み込んだ操舵艦橋に組込まれた単棒檣、前部艦載艇置き場、三本煙突、後部艦載艇置き場、艦載艇運用のクレーンは三番煙突を基部に二基設けられた。その中央部両舷に背中合わせ配置で主砲塔2基を計4基配置した。後部艦橋に組込まれた単棒後檣、6番主砲塔を配置した。
[編集] 主砲塔配置
主砲塔の配置はナッサウ級の形式を踏襲しており、6基の主砲塔を六角形状に並べたのである。これは、敵艦隊と乱戦時に反対舷からの巡洋艦や水雷艇が回りこんで攻撃して来た場合に即に対応できる利点も有った。また、この配置は遠方からは準弩級戦艦ドイッチュラント級の側面形に酷似しており、実戦でも度々誤認された。なお、この配置は本級限りとなった。この砲塔は竣工事仰角13.5度/俯角-8度、最大仰角で405kgの砲弾を16,200mまで達せられたが、1915年に遠距離砲戦に対応するため改修が行われ仰角16度/-5.5度になり、最大仰角で20,400mとなった。旋回角度は艦首尾砲塔が艦首尾方向を零度として左右150度、舷側砲塔は正左右方向を零度として80度で異なっていた。一分辺り2発~3発の発射速度を持っていた。
[編集] 副砲等
副砲は速射性を重視して前級に引き続き「1908年型15cm(45口径)砲」を採用し、二番甲板の下方に二番煙突を中心として放射線状に、片舷7門で計14門を装備した。その他に対水雷艇用に「8.8cm(45口径)砲」を計14門(これらは波浪で役に立たないために順次撤去され、替わりに同口径の単装高角砲が2~4基装備された)、50cm水中魚雷発射管6基を装備した。
[編集] 艦体
艦体は艦首と艦尾が斜めになった分の重量を軽減できるカットオフ方式を採用し、舵は主舵だけを装備した。また、長期間の作戦行動は考慮に入れず、短期間のみの行動で良しとされた為に居住区域を最小限に纏められ、浮いた重量を装甲と武装に回せた。
[編集] 防御
本級はイギリス海軍のコンセプトと異なり「北海にて数千mからの咄嗟砲戦を考慮した物」を念頭において設計された為、同世代の弩級艦イギリス海軍の「セント・ヴィンセント級」の254mm、アメリカ海軍「フロリダ級」の279mm、フランス海軍「クールベ級」の270mmに比べ、300mmと、垂直部分の装甲が充実していた。
[編集] 機関
前級で分離していた缶室配置を集中し、前・中・後部缶室に纏めた。これにより分離していた火薬庫を集中でき、その分だけ防御重量を多く出来る利点が有った。
[編集] 同型艦
- ヘルゴラント Helgoland
- オストフリースラント Ostfriesland
- チューリンゲン Thüringen
- オルデンブルク Oldenburg
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
ヘルゴラント級戦艦 |
---|
ヘルゴラント | オストフリースラント | チューリンゲン | オルデンブルク |
前級:ナッサウ級 次級:カイザー級 |
ドイツ海軍戦艦一覧 | ドイツ海軍艦艇一覧 |