プロディコス
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ケオスのプロディコス(Prodicus of Ceos, ギリシャ語:Πρόδικος ο Κείος, Pródikos, 紀元前465年頃 - 紀元前415年)は、古代ギリシアの哲学者。ソフィストの第一世代にあたる。「彼は、プロフェッショナル・フリーランス・教育者というすべての意味で、ソフィストだった」[1]。
プロディコスはケオス島の出身で、大使としてアテナイにやってきて、演説者ならびに教師として知られるようになった。プロタゴラス同様、プロディコスも生徒を取って教えていた。ただし、プロタゴラスの場合は修辞学や文体の教育が主だったのに対して、プロディコスは全教科の中で、とくに言語学に重きを置いていたようである。プラトンは複数の対話篇の中で、プロディコスの言語学理論と、言葉の正確な使用にうるさかったことにスポットを当てている。1ドラクマと50ドラクマの授業では差があったというお決まりのジョークも出てきて、『クラテュロス』ではソクラテスに、50ドラクマ貰えるなら、彼は言葉の正しい使い方の大家になるだろう、と言わせている(384b)。一方で、他のいくつかの対話篇の中では、プロディコスがソクラテスの友人・仲間として描かれていることがあり、少なくとも2人の間には親しい個人的な関係があり、ソクラテスはプロディコスの講義にいくらか関心があったようである。「ソクラテスにとって、正しい言葉遣いは正しい生活(能率的な政府を含む)の前提条件であった。しかしプロディコスは、その言語学の教えの中には疑う余地なく倫理的用語との意味の違いがあったにもかかわらず、入口で立ち止まってしまった。完全なロゴスの技術(話術)とは少なくとも全哲学を含むはずなのに」[2]。
プロディコスの授業の真髄は言語学であったのに、スーダ辞典はプロディコスのことを「自然哲学者ならびにソフィスト」と定義した。さらにガレノスも、プロディコスを自然を扱った著作家のリストに含めたばかりか、プロディコスは生理学の専門用語の誕生に貢献したとも書いた。しかし、その貢献を証明する文献も証拠は何1つとして現存していない。
プロディコスの美辞麗句の誇張を示すものとして、よく知られているのは、美徳の女神によるヘラクレスの教育を詳細を述べた寓話で、クセノポンの『ソクラテスの思い出』の中に出てくる。
プロディコスの見解は、仲間のソフィスト同様にヒューマニズムであり、自然主義の枠組みを通して宗教を解釈した。「原始人は自分を育む自然の恵みに感動して、神々または神格を擬人化したものが見つかることを信じている、というのが彼の理論である。それはその合理性だけでなく、宗教と農業の密接な関係を洞察したことでも、注目に値する」[3]。
[編集] 参考文献
- ^ Guthrie, William. The Sophists. New York: Cambridge University Press, 1971. ISBN 0-521-09666-9. p. 275.
- ^ 同上。p. 276.
- ^ 同上。p. 179.
- この記述には、パブリックドメインの百科事典『ブリタニカ百科事典第11版』本文を含む。
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