プロジェクトA
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プロジェクトA A計劃 Project A |
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監督 | ジャッキー・チェン |
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製作総指揮 | レイモンド・チョウ |
製作 | レナード・K・C・ホー |
脚本 | ジャッキー・チェン エドワード・タン |
出演者 | ジャッキー・チェン サモ・ハン・キンポー ユン・ピョウ |
音楽 | マイケル・ライ |
主題歌 | ジャッキー・チェン |
撮影 | チャン・ユイジョウ |
配給 | 嘉禾電影有限公司 東宝東和 |
公開 | 1983年12月22日 1984年2月25日 |
上映時間 | 106分 |
製作国 | 香港 |
言語 | 広東語 |
興行収入 | $19,323,824 |
次作 | プロジェクトA2 史上最大の標的 |
allcinema | |
Variety Japan | |
allmovie | |
IMDb | |
『プロジェクトA』(広東語名:A計劃)は、1983年に香港で公開された映画。主演、監督、武術指導、脚本をジャッキー・チェンが務めている。
目次 |
[編集] 概要
香港の海上警察と陸上警察が反目しながらも、最後には協力して海賊を倒すストーリー。高い時計塔から落下するシーンに代表される身体を張ったアクションの連続のほか、アクションコメディーシーンも満載。中国戯劇学院の仲間であるサモハン、ユンピョウとの息の合う演技など、ジャッキー・チェン最高傑作との声もあり、
また、テーマソングが日本のテレビにおいて数多く使用されたこともあり、日本におけるジャッキー・チェンの代表作的存在である。
[編集] ストーリー
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
20世紀初頭のイギリス殖民統治下の香港。海賊が横行し、海を我が物顔で荒らしまわっていた。しかしこれを取り締まる事ができない海上警察(吹き替えでは沿岸警備隊)は、同じ警察集団の中でも落ちこぼれのレッテルを貼られ、酒場での陸上警察との大乱闘事件や、保有戦力の船艇が海賊に爆破されてしまうに至り、ついにはエリート集団である陸上警察へ吸収統合されてしまう。
その頃、海賊退治のため派遣されてきたイギリス海軍の提督までも海賊たちに捕まり、乗組員が人質になる。香港総督は身代金を支払い穏便に済まそうとしたが、ドラゴン(ジャッキー・チェン)の説得を受けて、彼に旧水上警察部隊の指揮を一任。ドラゴンは乗組員の救出と海賊の全員逮捕を目的とした「A計画」(プロジェクトA)を発動させる。
[編集] 必死のスタント
- 基本的にスタントマンを使わないジャッキーチェンにとって、代表ともいえるスタントが今作の「時計台落下シーン」である。
- 時計台から地面まで落下するシーンで、本編では3カット使用されている。
- それも1回の撮影で別アングルから撮った物ではなく、ジャッキーチェン本人が3回撮影するために3回落ちている。
- ジャッキーチェンを語る上で特筆すべきシーンの一つでもある。
- 近年、このシーンが上戸彩とジャッキーチェンによるオロナミンCのCMで再現された。
- 上戸彩が落下するシーンを見てジャッキーが「無理無理…」と言っている。
- このシーンはハロルド・ロイドの代表作「要心無用(Safety Last)」における有名な時計台のシーンへのオマージュである。(ジャッキーチェンはバスター・キートンの大ファンであることを公言しているように、1920年代頃のスラップスティック・コメディに大いに影響を受けており、自身の作品の中で数多くのオマージュを捧げている)
- ジャッキーによると撮影を決心するまでに1週間悩んだという。
[編集] 出演
- ドラゴン(ジャッキー・チェン)
- フェイ(サモ・ハン・キンポー)
- ジャガー(ユン・ピョウ)
- サン(ディック・ウェイ)
- パール(イザベラ・ウォン)
- 総督(役者名不明)
- 海上警察司令官(ラウ・ハクスン)
- チー総監(クワン・ホイサン)
- ひょうきん(タイ・ポー)
- 大口(マース)
- 制作:嘉禾電影有限公司/拳威影片有限公司
[編集] DVD
【パイオニアLDC】PIBF-91104
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【ユニバーサル】デジタル・リマスター版 UASD-23806
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[編集] その他・備考
[編集] タイトルの由来
- 「プロジェクトA」は元々撮影時の仮タイトルである。仮タイトルは盗作やパクリが日常茶飯事(撮影中にパクり、パクった元より先に公開するということも行われた)だった香港映画界で、内容の見当をつけられないようにするため良く使われた手法だったが、「プロジェクトA」は言葉の響きがいいことから、そのまま本編のタイトルに使われた。
[編集] 主題歌
- ジャッキー・チェンが歌う本作の主題歌「東方的威風」は国際公開版のエンディングテーマとして使用されたもので、本作のテーマ曲に歌詞を付けたものだが、香港公開版には収録されていない。日本ではポニーキャニオン社から発売されたLDとVHS、そして近年ユニバーサルから発売されたリマスター版DVDの日本語吹き替え音声で聴く事が出来る。
[編集] 削除シーン
- 本作の削除シーンは「道場での稽古(ユン・ピョウが体術の授業でジャッキーらをしごくシーン)」、「大口が銃殺されたと思ってしんみりとするメンバーの前に、結局は生きていた大口が現れ、メンバーが幽霊だと勘違いするシーン」、「猟銃を強奪した後のジャッキーとサモが身を隠した宿屋のシーンでカットされたフッテージ」などが存在する。これらはスチル写真や一部がエンディングのNG集に使用されただけであり、近年は「オミット分のフィルムは処分されて現存しない」という風評も立ち、半ば幻の場面となっていたが、2004年に再発売されたDVDに映像特典として収録された。また2007年に発売されたフランス版DVDには、ジャッキーやユン・ピョウ、サモ・ハンらの映画公開時の宣伝映像が収録されており、その中でまた新たな削除シーンを見ることが出来る。
[編集] その他
- 『プロジェクトA子』というフェアリーダスト制作の劇場用アニメ映画が存在する。発売時のビデオパッケージはリバーシブルで、裏面は中国語を配した香港映画風のパッケージになっていた。
- 2007年、藤商事よりパチンコ機「CRプロジェクトA」が発売された。劇中の映像が使用されており、ジャッキーの声は石丸博也氏の新録音である。
- アニメ銀魂109話にジャッキー・チェンをモデルにした「龍隊長(ドラゴンたいちょう)」(声の担当も石丸博也)というキャラクターが登場し、さらに、サモ・ハン・キンポーをモデルにしたキャラクターや、当作品のパロディーシーンが登場する(時計台からの転落、自転車での逃走時にサドルが取れるなど)。