ブラッキー (ギター)
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ブラッキー (Blackie) は、エリック・クラプトンが愛用したフェンダー・ストラトキャスターに名付けられた愛称。
[編集] 歴史
クラプトンは1970年にジミ・ヘンドリックスとブラインド・フェイスのバンドメイトであるスティーヴ・ウィンウッドの影響を受け、それまで使用していたギブソンのギターではなく、ストラトキャスターを使用するようになった。始めに使っていたストラトキャスターはサンバースト・ブラウンのフィニッシュだったので、ブラウニーという名前を付け、『いとしのレイラ』で使用した。
同じ年、クラプトンはナッシュビルにあるショー-バッドの楽器店に入り、ここで6本のヴィンテージ・ストラトキャスターをそれぞれ100ドルで購入した。6本のうち3本をジョージ・ハリスン、ピート・タウンゼント、スティーヴ・ウィンウッドに譲り、残された3本を分解して最良のパーツを選び出して(1956年~1957年のものだった)、このブラッキーを組み上げた。この名前の由来はフィニッシュがブラック(黒)だったからである。
初めて演奏されたのは1973年1月13日で、アルバム『エリック・クラプトン・レインボー・コンサート』にその模様が残されている。クラプトンはその後もステージ、スタジオ、プライベートと弾き続けて名演を残し、ヒット作を多数残す。しかし1985年に行われたハートフォードでの公演を最後に、老朽化を理由にブラッキーを引退させてしまう。
[編集] 世界最高額のギター
クラプトンが設立したドラッグとアルコールのリハビリ施設、クロスロード・センターを支援するために、ブラッキーをクリスティーズの競売に出品。これを楽器チェーン店を経営するギター・センターが95万9500ドルで競り落とし、史上最も高価なギターとなった(これは2004年に260万ドルで競り落とされるまで続いた記録)。
2006年11月24日、フェンダー社はブラッキーを復刻して限定275本を販売。発売後の数時間で売り切れ、収益の一部はクロスロード・センターへ寄付された。