フェリーとしま
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フェリーとしまは鹿児島県鹿児島郡十島村が運航するフェリー。鹿児島港(鹿児島市)からトカラ列島の各島を経由し、奄美大島の名瀬港(奄美市)を結ぶ。
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[編集] 概要
現在の船舶は2000年就航。九州とトカラ列島の島々を結ぶ唯一の公共交通機関である(十島村は小島嶼が連なっており島同士の交通も不便であるため、村役場は村内ではなく鹿児島港のすぐそばに設置されている)。
後部甲板には、トラックと乗用車を積載できるが、数台程度のスペースしかない。また、前部甲板には12フィートコンテナを積載できるスペースがある。食料品や日用品、郵便物など、村民の生活物資の多くはコンテナで運ばれており、港に到着するたびに、船備え付けのクレーンでコンテナを積み下ろす光景が見られる。
船内は、1等洋室(2名)×1、1等洋室(4名)×1、2等寝台(8名)×8、2等室(130名)×1。公室として、レストラン、シャワールーム、売店、患者搬送のための診療室(通常は閉鎖)がある。その他、自動販売機や衛星電話による公衆電話の設備がある。
運航頻度は1ヶ月あたり12航海(おおむね3日に1便)程度だが、全国版の時刻表には掲載されていないため、乗船のときは十島村役場に電話で問い合わせるかホームページで確認する必要がある。また、村の諸行事(定期健診や悪石島のボゼ祭など)の際には、運航日や時刻が変更される場合がある。
[編集] 航路
[編集] 主要要目
- 船名 - フェリーとしま
- 総トン数 - 1,389トン
- 航行区域 - 近海(非国際)
- 全長 - 85.8m
- 幅 - 14.6m
- 吃水(満載) - 4.0m
- 機関 - ディーゼル
- 出力 - 4,000馬力×2
- 最高速力 - 20.4kt
- 常用速力 - 19.0kt
- 旅客定員 - 200人
- 中型トラック - 3台
- 乗用車 - 7台
- コンテナ - 30個
- 建造 住友重機械工業 浦賀艦船工場
[編集] エピソード
- 毎年4月の最初の便は「第一次航」の通称で呼ばれており、島に赴任する教師や県職員などの移住者が多く乗船することで知られる。[1]
- 本船が就航した結果、発着港で艀を使用する定期航路は日本から消滅した(就航前は小宝島で使用されていた)。[2]
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
- ^ NHK「にっぽんの現場 南洋トカラ航路 第一次航」(2007年5月17日放送)より。 ※参考:番組内容
- ^ 日本の島ガイド SHIMADAS 財団法人日本離島センター 刊(2004年7月発行)p.1094