フェノール樹脂
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フェノール樹脂(フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、ベークライト、石炭酸樹脂)は、フェノールとホルムアルデヒドを原料とした熱硬化性樹脂の一つで、世界で初めて植物以外の原料より、人工的に合成されたプラスチックである。硬化させた樹脂は、3次元的な網目構造を持つ。
電気的、機械的特性が良好で、合成樹脂の中でも特に耐熱性、難燃性に優れるという特徴を持つ。耐油、耐薬品性も高いが、アルカリに弱い。また、これらの性能の割に、比較的安価である。
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[編集] 製法
フェノールとホルムアルデヒド (HCHO) を原料とし、酸触媒下で縮合重合させると、ノボラックと呼ばれる熱可塑性樹脂が得られる。ほとんどの場合、固形の樹脂である。ノボラック樹脂自身は加熱しても硬化しないため、硬化させて使用する場合、硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを用いるのが普通である。
- クレゾールなど、フェノール以外のフェノール類を用いても同様の樹脂ができるため、これらの樹脂を含めてフェノール樹脂と称することが多い。
- 同様にアルカリ触媒下で合成したフェノール樹脂をレゾール樹脂という。通常、液状であることが多いが、高分子量化させた固形タイプもある。レゾール樹脂は自己反応性の官能基を有するため、加熱することによりそのまま硬化させることができる。
[編集] 用途
樹脂そのものを製品として成型することはまれで、通常はフィラーや繊維の連結材(バインダー)として用いられる。耐熱性が要求される自動車部品や、絶縁体などとして電気製品に利用されている。
- イギリス軍の認識票としても採用されてる。
[編集] ベークライトの発明
ベルギー生まれのアメリカ人化学者、レオ・ヘンドリック・ベークランドが1907年がベークライト(Baekelite)を発明、フェノール(石炭酸)とホルマリンによって作り出された。フェノールとホルマリンの反応によってできる樹脂をフェノール樹脂と呼び、発見は1872年までさかのぼるが、工業化したのはベークランドである。1910年、生産を目的にベークライト社を設立し、そのフェノール樹脂にベークライトと命名し、長くフェノール樹脂の代名詞となった。 日本ではベークランド博士の親友であった高峰譲吉が、特許権実施の承諾を受け、三共株式会社品川工場で試作を開始した。