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ファミコン必勝本 - Wikipedia

ファミコン必勝本

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ファミコン必勝本(ファミコンひっしょうぼん)は、JICC出版局(現・宝島社)から刊行されていたゲーム雑誌。1980年代後半にファミコン通信アスキー)・ファミリーコンピュータMagazine徳間書店インターメディア)・マル勝ファミコン角川書店)と並んで「4大ファミコン雑誌」の一角を占めた。オールカラーの誌面と250円(1989年の消費税導入後は260円)と言う低価格が特徴。略称は必本(ひっぽん)で、読者からの公募により決定し1991年のリニューアル時には「HIPPON SUPER!」(後に「必本スーパー!」)が正式誌名となった。

目次

[編集] ムック時代(1984~1986)

前身は別冊宝島シリーズで刊行された「ファミリーコンピュータ必勝本」1~3で、ファミコンのゲームの攻略法がタイトル別に掲載されていた。特徴としては、同時期に他社から刊行されていた同種の攻略本よりも高い年齢層を想定した誌面構成が挙げられ、後に「高橋名人のライバル」へと祭り上げられる毛利名人ゼビウスのハイスコア1000万点に挑戦したのもこのムックの企画である。

[編集] ファミコン必勝本(1986~1990)

1986年3月8日、月刊誌『ファミコン必勝本』として正式に創刊。創刊直後にスクープ掲載したスーパーマリオブラザーズのワールド9騒動で一躍、注目を集め9月には創刊から半年で月2回刊へ移行。先行するファミマガや同時期に創刊した隔週・月2回刊のファミ通マル勝ファミコンと共に「4大ファミコン雑誌」の一角を占める。

ドラゴンクエストII 悪霊の神々』がブームとなった1987年には、同ゲームをパロディ化したプレゼントコーナー「ごいんきょクエスト」が連載された。モンスターは読者から募ったものが登場し、これも同ゲームをパロディ化したものが多かった。

他誌では扱いの低かった、ウィザードリィシリーズを強く推した。1987年に連載が始まった投稿ページ「ウィザードリィ友の会」は単行本を3冊も刊行。また、同タイトルを扱った小説も刊行している。『隣り合わせの灰と青春』(ベニー松山集英社スーパーファンタジー文庫で復刊)などが代表である。またウィザードリィ小説アンソロジーの中では馳星周が「佐山アキラ」名義で執筆している。また、石垣環によるコミック作品も連載された。

また、これも後に単行本化された田尻智の連載エッセイ「パックランドでつかまえて」や成沢大輔(CB's PROJECT)・手塚一郎ベントスタッフ)・鈴木みそ・金子統(現・かねこ統)など後年、各社のゲーム雑誌や攻略本でも活躍する豪華なメンバーが顔を揃えていた。

同誌の特徴として、ゲーマー(同誌における編集部員および外部ライターの総称)が良いと判断した作品はメーカーや機種に拘らずに推す姿勢が強かった。ゲーマーによる作品紹介およびレビューが、囲み記事ではなく、1ページまたは半ページを用いて掲載されていた。前述の『ウィザードリィ』以外に同誌が推したゲームは『バトルトード』、『ココロン』などである。

また、他のファミコン雑誌を批判し、激しく攻撃した事でも知られる。特にファミリーコンピュータMagazineへの非難は相当な物で、「ファミマガの読者はファミコン必勝本にウンコや小便をかける」といった記事まで掲載した。あまりのひどさに出版元の徳間書店がファミコン必勝本編集部に対し直接抗議を行った、という説も流れたほどである。

その後、スーパーファミコンの発売を目前に控えた1990年に入ると部数は減少し、創刊100号を達成した直後に月刊総合誌『HiPPON SUPER!』へとリニューアルした。

[編集] 必本スーパー!(1991~1995)

HIPPON SUPER!』へのリニューアル後はドラゴンクエストファイナルファンタジー・ウィザードリィ・女神転生のいわゆる「4大RPG」(この定義は1990年2月から4月にかけてこの4作品のシリーズ作が相次いで発売された際に、ファミコン必勝本誌上で提唱されたものである)のファンページを強化する路線が取られ、ゲーム雑誌の中で独自の地位を占めて行くことになった。しかし、このリニューアルに対しては旧・必本時代の読者に賛否両論を巻き起こし、ゲームボーイ誌や1990年に休刊したハイスコアの読者を取り込む一方で旧来の読者はファミ通やファミマガに流れて行く現象も見受けられた。

1994年7月号より誌名を『必本スーパー!』に改題、同年末の次世代ゲーム機ラッシュではセガサターンを強力にプッシュ。にも関わらず、翌年の後半には誌名を『64(ロクヨン)』に変更し、翌年に発売が予定されていたNINTENDO64の専門誌にリニューアルすることを突然、発表する。

[編集] 64(ロクヨン)、攻略の帝王、そして休刊(1995~1998)

1995年11月より誌名を『64(ロクヨン)』に変更したが、誌名変更直前に掲載した「『ファイナルファンタジーVII』がプレイステーションで発売されることになった」と言うリーク記事がスクウェアより「事実無根」と抗議され、謝罪文を掲載することとなった(謝罪文掲載から2ヶ月後にはリーク記事通りの公式発表が行われる)。

NINTENDO64の売れ行きが不振だったこともあり、迷走した中でのリニューアルは完全に失敗。1997年3月から隔週刊『攻略の帝王』に再度の全面リニューアルを行い、攻略記事に特化した総合ゲーム雑誌を目指したが1998年5月1・15日合併号を以て休刊。これに伴い、宝島社は12年間のゲーム雑誌事業から撤退することとなった。

[編集] 関連事項

[編集] 外部リンク


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