バリー・マーシャル
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バリー・マーシャル(Barry J. Marshall、1951年9月30日 - )はオーストラリアの医師、西オーストラリア大学の臨床微生物学教授である。西オーストラリア州カルグーリー生まれ。これまで、ストレスや辛い食べ物、胃酸の分泌過剰が原因と考えられてきた胃潰瘍の原因がヘリコバクター・ピロリであることを発見したことで知られる。
1974年、西オーストラリア大学にて医学の学位を取得、1981年、ロイヤルパース病院にて胃炎に興味を持つ病理学者、ロビン・ウォレンに会う。二人は胃炎と関連のある螺旋菌について研究した。1982年、ヘリコバクター・ピロリの初期培養を行い、ヘリコバクター・ピロリが胃潰瘍や十二指腸潰瘍と関連があるとの仮説を立てた。この仮説は多くの科学者や医師に冷笑された。これは彼らは強酸の胃の中でどのような細菌も生存できるとは思っていなかったためである。彼は、多くの科学者達を、この仮説に注目させる為、驚くべきことに、シャーレの細菌を飲み込んだ。結果、すぐに胃潰瘍となった。ヘリコバクター・ピロリは2週間で居なくなり、病気は治療すること無しに自然に消失した。フリマントル病院にて、マーシャル教授はヘリコバクター・ピロリと胃潰瘍について、コッホの原則を満たした。それに続き、彼は1997年にオーストラリアに帰るまで、アメリカ合衆国のバージニア大学において、研究を続けた。1998年から2003年まで彼は西オーストラリア大学にてBurnet Fellowshipを持っていた。、
1995年にラスカー賞、1996年にガードナー国際賞、2002年に慶應医学賞を受賞。そして、2005年、ストックホルムのカロリンスカ研究所は、「ヘリコバクター・ピロリの発見と胃炎と十二指腸潰瘍における役割」を評し、バリー・マーシャル教授と彼の長年の共同研究者であるロビン・ウォレンに対しノーベル生理学・医学賞を贈ることに決定した。マーシャル教授は、西オーストラリア大学にて、分子生物学研究室を持ち、ヘリコバクター・ピロリに関連する研究を続けている。
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