ハインケル HeS 3
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HeS 3 (He S3) は世界初の航空機に搭載されて飛行に供されたジェットエンジンである。ドイツのハインケル社のハンス・フォン・オハインによって開発され、He178に搭載されて1939年、8月27日に初飛行に成功した。しかし、推力が少なすぎる為、実用には強力なハインケル HeS 8が生産型として新たに設計された。
HeS 3の設計は原型のHeS 1の問題点を洗い出し、改良したものだった。HeS 1では燃料を水素ガスを使用していたがHeS3では液体燃料に変更された。HeS 1は放射状に燃焼器を配置していたが、HeS 3では燃焼器の配置を回転軸と平行にする事によりまとめた。
最初のHeS 3のデザインは16枚羽根のブレードの遠心式圧縮機を使用する等HeS1と全体的に似ていた。
再設計されたHs3bは燃焼器を小型化されたフレーム カン式燃焼器に変更した。燃料はガソリンを使用、後部のローラーベアリングを越えて余熱される構造だった。
1939年、初頭にエンジンは完成した、He 118に懸架されて空中試験が行われた。試験の行程は順調だったが、結局、試作1号エンジンは焼損した。
2号機はHe 178による空中試験の後完成した。そこで完全飛行試験に移った。
より大型のHeS 6の開発が行われ、1939年末、He 111に搭載された。本機での開発成果が後に実用機に搭載されるHeS 8に活用される。
[編集] 仕様
HeS 3b:
- Dimensions: 1.48 m long, 0.93 m diameter
- 重量: 360 kg
- 推力: 450 kgf (4.4 kN) @ 13,000 rpm and 800 km/h
- 圧縮比: 2.8:1
- 仕様上の燃料消費量: 2.16 gal/(lb·h) [18.0 L/(kg·h)]
HeS 6:
- 重量: 420 kg
- 推力: 550 kgf (5.4 kN) @ 13,300 rpm and 800 km/h
- 仕様上の燃料消費量: 1.6 gal/(lb·h) [13.4 L/(kg·h)]
[編集] 出典
- German Jet Engine and Gas Turbine Development, Antony Kay, Airlife Books, 2002
[編集] 外部リンク
- Hans von Ohain, www.century-of-flight.net